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ANAアップグレードポイントの価値と効率的な獲得方法

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段階的にアップグレード

ANAのアップグレードポイントは、その名の通り、飛行機に乗る際の座席をアップグレードできるポイントです。

通常、座席のアップグレードには追加費用やマイルの支払いが必要となりますが、アップグレードポイントを保有していれば、ポイントを消費することで座席をアップグレードすることができます。

以前はJALにもアップグレードポイントがあったのですが、2012年を最後に廃止されてしまいました。

もちろん、アップグレードは空席があることが前提になるので、アップグレードポイントは使いたい時に必ず使えるわけではありません。このため、アップグレードポイントを有効期限内(1年間)に使い切れず、余らせてしまう人もいるようです。

しかし、上手く使いこなすことができるのであれば、アップグレードポイントは役に立つポイントです。あらかじめ特典利用者として登録しておけば2親等以内の家族にも使用できるようになるため、家族旅行をすることが多い方あれば、活用できる機会は少なくないはずです。

我が家の場合も、家族4人で帰省する機会が多いため、できるだけアップグレードポイントを貰っておきたいと考えるようになりました。

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アップグレードポイントの価値

以下では、まずアップグレードポイントの金銭的価値がどれくらいのものなのか(具体的には、1UP=何円なのか)を検証していきます。

国内線のアップグレードに利用する場合

ANA国内線でアップグレードポイントを使うと、普通席をプレミアムクラスにアップグレードできます。

国内線の普通席をプレミアムクラスにアップグレードするためには、4UP必要です。

ANA国内線でのアップグレードポイント利用

普通席からプレミアムクラス当日アップグレードに必要な金額は9,000円ですから、4UP=9,000円と考えることができます。

この場合、1UPあたりの金銭的価値は2,250円となります。

国際線のアップグレードに利用する場合

ANA国際線でアップグレードポイントを使うと、エコノミークラスをビジネスクラスに、ビジネスクラスをファーストクラスにアップグレードできます。(※エコノミークラスをファーストクラスにアップグレードすることはできません。)

アップグレードに必要なポイント数は、対象クラスとエリアごとに定められています。

ANA国際線でのアップグレードポイント利用

国際線では、国内線のように当日お金を支払ってアップグレードすることが原則できません。

しかし、エコノミークラスが満席の場合には、所定の「当日アップグレード付加運賃」を支払ってビジネスクラスにアップグレードできることがあります。

詳細は、下記ページの【エコノミークラス満席時のご案内】を参照してください

チェックイン・旅行上のご注意について
【ANA公式サイト】チェックイン・旅行上のご注意について。ANAが提供する国際線の各種サービス情報はこちらから。旅の計画・準備はANAのホームページで。

上記の場合、欧州路線でも50,000円でビジネスクラスに当日アップグレードできます。この場合、1UPあたりの金銭的価値は5,000円となります。

国内線(1UP=2,250円)の場合と比べると、国際線(1UP=5,000円)の場合の方が価値が高くなりました。

ただし、ANAの国際線では、アップグレードポイントが使える機会がかなり限定されます。アップグレードポイントが使用できる予約クラスが限定されているからです。例えば、同じエコノミークラスでも、予約クラス(運賃種別)によって、ビジネスクラスにアップグレードできるものと、できないものがあります。

このため、国際線でアップグレードポイントを利用するためには、比較的高めの運賃で航空券を購入しておく必要があります。

例外として、ANAダイヤモンドメンバーであれば、通常のアップグレードポイントの2倍を利用することで、予約クラスによらずアップグレードすることが可能です。

このようなアップグレードポイントの利用制限を考慮すると、国際線でアップグレードポイントを使用することは簡単ではなく、常に最大限の価値を発揮させるのは難しそうです。

1UPの価値は、とりあえず国内線の2,250円で考えておくのがいいかもしれません(もちろん、国内線についても当日空きがなければアップグレードはできませんが、国際線よりは使いやすいはずです)。

アップグレードポイントは、スカイコインに交換することもでき、その際の交換レートは1UP=1,000スカイコインです。1スカイコイン=1円相当ですから、この場合のアップグレードポイントの価値は、1UP=1,000円ということになりますが、かなりもったいない使い方なので、上記検証には考慮しませんでした。

アップグレードポイントとプレミアムポイントの関係

ANAの公式HPによれば、アップグレードポイントについて以下のように説明されています。

1月~12月のANAグループ運航便のご利用で獲得されたプレミアムポイント数に応じて、翌年度のプレミアムメンバーにプレゼントする特別なポイントです。お客様の空の旅がさらに満ち足りたものになるよう、座席クラスのアップグレードやラウンジのご利用などに、お使いいただけます。

つまり、アップグレードポイントは、基本的にはプレミアムポイントを貯めて獲得するものなのです。

プレミアムポイントは、SFC修行を経験した多くの人にとっては、ANAプレミアムメンバーになるために貯めるポイントという認識だと思います。

しかし、プレミアムポイントを貯める意義はそれだけではありません。プレミアムメンバーになった後にも、アップグレードポイントを貰うためにプレミアムポイントを貯めるという目標は残されているのです。

SFC修行を解脱してしまえば、その後はプレミアムポイントなんてどうでもよさそうですが、実は意味のあるポイントなのです。

アップグレードポイントの効率的な貯め方

アップグレードポイントは、前年に獲得したプレミアムポイントが多いほど、たくさん貰えます。

ただし、プレミアムポイントに応じて直線的に増加していくのではなく、下のグラフのように所定のラインを超えるごとに段階的に増えていきます。

 

アップグレードポイント獲得グラフ

対象となるPPはANAグループ運航便のものだけ

アップグレードを獲得するためのプレミアムポイントとして積算されるのは、ANAグループ運航便を利用した場合のPPだけです。

プレミアムポイントはスターアライアンス加盟の航空会社の便でも貯めることができますが、その場合に獲得できるプレミアムポイントでは、貰えるアップグレードポイントは増えません。

ANAだけが対象です

SFC修行では、目標となる50,000PPのうち半分の25,000PPをスターアライアンスの便で貯めてもOKですが、ANA以外の便を使うと、その分アップグレードポイントは減ってしまいます。

プレミアムポイントの獲得効率を優先させる場合には、できるだけANAの便を使いましょう。

ANAプレミアムメンバーのみが対象

アップグレードポイントが貰えるのは、ANAプレミアムメンバーだけです。

ANAプレミアムメンバー一覧

プレミアムポイントを貯めた翌年(つまり、アップグレードポイントが付与される年)に、ダイヤモンドメンバー、プラチナメンバー、ブロンズメンバー、SFC会員のいずれかになっていなければ、アップグレードポイントは貰えません。

例えば、プレミアムメンバーでない人(通常のマイレージ会員)が5,000PPを獲得したからといって、4UPを貰えるわけではないのです。

獲得UPが増加するギリギリのラインを狙うのが効率的

アップグレードポイントをできるだけ多く獲得するためには、貰えるアップグレードポイントが増えるギリギリのラインまでプレミアムポイントを貯めるのが効率的です。

例えば、獲得プレミアムポイント数が39,999PPと40,000PPの場合では、その差はわずかに1PPですが、貰えるアップグレードポイントについては10UPも差が生じてしまいます。

以下では、必要PP÷獲得UP(つまり、1UPを獲得するために必要なPP)の値を「UP獲得効率」と呼ぶことにして、獲得効率を検証してみます。UP獲得効率は小さいほどよい値です。

前年のPP 獲得できるUP UP獲得効率
250,000~ 100 2500~
200,000~249,999 80 2500~3124
150,000~199,999 60 2500~3333
120,000~149,999 50 2400~2999
80,000~119,999 40 2000~2999
40,000~79,999 20 2000~3999
30,000~39,999 10 3000~3999
20,000~29,999 8 2500~3749
10,000~19,999 6 1666~3333
1~9,999 4 0.25~2499
0 0 0

上記計算結果を見ると、理論上最も効率的なのは、SFC会員になった状態で、プレミアムポイントを1年間で1ポイントだけ獲得した場合になります(UP獲得効率0.25)。

しかし、プレミアムポイントを1ポイントだけ稼げる路線はありませんので、UP獲得効率0.25を実現するのは事実上不可能です。

UP獲得効率を最大化するためには、SFC会員になった状態で、できるだけ安い航空券を手配して年1回だけ飛行機に乗るのが現実的な方法ですね。

とは言っても、SFC会員になっておいて年間1回だけしか飛行機に乗らないというのは、別の意味で非効率ですから、あまりオススメはできません。

狙うべきは、6UPを獲得できる下限の10,000PP(UP獲得効率1666)、20UPを獲得できる下限の40,000PP(UP獲得効率2000)、40UPを獲得できる下限の80,000PP(UP獲得効率2000)あたりだと思います。

逆に、もったいないことになってしまうのは、ギリギリ40,000PPに到達できない場合(UP獲得効率3999)や、ギリギリ80,000PPに到達できない場合(UP獲得効率3999)です。

次のランクを目指すべき分岐点を見極める

UP獲得効率を高めるためには、「あと少しPPを貯めれば次のランクに到達できたのに」という状況を避けなければいけません。

しかし、上を目指せばキリがありませんから、次のランクに到達までPPを貯めるべきか、それともこれ以上PPを貯めず現在のランクで留めるべきか、しっかりした判断基準を決めておいた方がよさそうです。

次のランクを目指すべき分岐点は、例えば「ランクアップに要する金額」と「ランクアップで増加するUPの金銭的価値」を考えることで決定できます。

「ランクアップに要する金額」よりも「ランクアップで増加するUPの金銭的価値」が大きい場合には、消費するお金よりも貰えるポイントの価値が大きくなるので、ランクアップを目指したほうがよいですよね。

以下では、具体的なケースについて考えてみます。

ケース1

例えば、獲得PPが10,000PPに到達し、貰えるUPが4ポイントのランクから6ポイントのランクになると、最終的に貰えるUPは2ポイント増えます。1UPの価値を2,250円とすると、貰えるものが4,500円増えることになりますね。

一方、4,500円を消費して貯めることができるプレミアムポイントは、航空券のPP単価(運賃÷獲得PP、つまり1PP獲得するのに必要な金額)を10と仮定すると、450PPになります。つまり、次のランクまで450PP以内であれば、4,500円以下の費用で到達できるのです。

この結果、10,000PPまで残り450PP以下(つまり、獲得PPが9,550PP以上)の場合、ランクアップで増加するUPの金銭的価値(4,500円)よりも、ランクアップに要する金額が少ないので、多少無理してでも10,000PPを目指した方がお得ということが分かります。

アップグレードポイントの損益分岐点

ケース2

次に、獲得できるアップグレードポイントが20UPから40UPに上がる80,000PP直前での分岐点を考えてみます。

ここでは、ランクアップによって貰えるUPが一気に20ポイント増えます。1UPの価値を2,250円とすると、貰えるものが45,000円も増えることになりますね。

一方、45,000円を消費して貯めることができるプレミアムポイントは、航空券のPP単価を10と仮定すると、4,500PPになります。つまり、次のランクまで4,500PP以内であれば、獲得できる20UP(45,000円相当)以下の費用で到達できます。

この結果、80,000PPまで残り4,500PP以下(つまり、獲得PPが75,500PP以上)の場合、80,000PPを目指した方がお得ということになります。

アップグレードポイントの損益分岐点2

様々なケースに対応するための分岐点算出方法

ここまで、PP単価は10円、1UP=2,250円という仮定のもと計算してきましたが、実際に実現できるPP単価や、アップグレ-ドポイントの価値を何円で考えるのかといった部分は、人によって違ってくると思います。

つまり、上記ケース1やケース2で計算した分岐点はあくまで一例であり、その人の状況によってはズレが生じます。

条件が異なる様々なケースで分岐点を算出するためには、下記の関係式を利用するのが便利です。

【ランクアップに必要なPP数】×【PP単価】<【ランクアップで増加するUP数】×【UP1ポイントあたりの価値】

上記関係が成立するのであれば、ランクアップを目指した方がよいことになります。

ちなみに、上記式の左側部分【ランクアップに必要なPP数】×【PP単価】は、「ランクアップに要する金額」に相当する数値であり、右側部分【ランクアップで増加するUP数】×【UP1ポイントあたりの価値】は「ランクアップで増加するUPの金銭的価値」に相当する数値です。

最初にも述べましたが、ランクアップに要する金額よりも、ランクアップで増加するUPの金銭的価値が多ければ、次のランクを目指したほうがよいということですね。

その他のアップグレードポイント獲得方法

アップグレードポイントは、前年の獲得プレミアムポイント数に応じて貰えるものの他にも、別の条件を満たすことで貰えるものがあります。

SFC会員になっておけば毎年4ポイント

スーパーフライヤーズカードを保有するSFC会員は、ダイヤモンド、プラチナ、ブロンズいずれかに該当する場合に、年間4ポイント貰えます。

最低でもブロンズメンバーになる必要があるため、ある程度は飛行機を利用しなければいけませんが、上述したPP額に応じたものとは別枠で更にアップグレードポイントを獲得できます。

SFC修行を解脱した翌年に関しては、最低でもプラチナメンバーになることが確定しているため、この4UPは必ず貰えます。

この特典はSFC会員限定のものなので、プレミアムメンバー(ダイヤモンド、プラチナ、ブロンズ)であったとしても、スーパーフライヤーズカードを保有していなければ貰えません。

このため、「毎年たくさん飛行機に乗ってプラチナを維持しているからスーパーフライヤーズカードは必要ない」という方でも、カード保有で獲得アップグレードポイントを増やすという選択肢も出てきます。

ちなみに、ANAスーパーフライヤーズカード(VISA)は、マイ・ペイすリボとWEB明細サービスの割引後の年会費が9,477円(税込)ですから、SFC会員になるだけで追加で4UP(=9,000円)獲得できるとすると、実質的なカード維持費は500円以下と考えることができます。

ANAスーパーフライヤーズゴールドカード(VISA)の場合、割引後年会費は11,340円(税込)ですから、実質的なカード維持費は2,340円と考えることができます。

ダイヤモンドメンバー特典で12ポイント

ANAプレミアムメンバーの最上位ダイヤモンドメンバーになると、その特典として60,000スカイコイン又はアップグレードポイント12ポイントを選択することができます。

60,000スカイコインは60,000円相当ですから、12UPを60,000円以上のものとして使うことができない場合(つまり、1UPあたりの価値を5,000円以上にできない場合)は、60,000スカイコインを選ぶべきです。

1UPに5,000円以上の価値を発揮させるためには、冒頭で説明したように国際線のアップグレードで上手に使う必要があります。かなり使いどころが難しいため、基本的には60,000スカイコインを選ぶ方がよさそうですね。

まとめ

以上のように、アップグレードポイントを効率的に貯めるためには、アップグレードのポイントの獲得条件を理解した上で、計画的にプレミアムポイントを稼いでいくとよいです。

アップグレードポイントの獲得を考えれば、ANAプレミアムメンバーとしての条件とは別の部分で、プレミアムポイントを貯める楽しみが出てきます。

一部のユーザには使いづらいと評判のアップグレードポイントですが、我が家のように利用目的が決まっている状況であれば、その獲得効率を考えながらプレミアムポイントを貯めてみるのも楽しいですよ。