半永久的にANA上級会員特典を享受できるクレジットカード、SFC(スーパーフライヤーズカード)。
素晴らしく魅力的なカードですが、残念ながら誰でも申し込める訳ではありません。
SFCを取得するためには、まず『SFC修行』をする必要があります。
しかし、SFC修行では何度も飛行機に乗らなければいけないので、全ての費用を賄えるほどのANAマイルを貯めていない限りは、それなりにお金が必要になります(40万~50万円程度)。
ANA上級会員の資格を得るために仕方のない出費だとしても、できるだけ安く済ませたいところ。
そんな時の強い味方が「クレジットカード」の存在です。クレジットカードを上手に活用すれば、SFC修行の効率を高めることも出来てしまうのです!
これからSFC修行を始めてみようと考えている方は、とりあえず1枚だけでもよいので、SFC修行に適したカードを申し込んでおくのがオススメです。
SFC修行の効率とは
SFC修行の効率(ここでは、金銭的な効率)は、『PP単価(プレミアムポイント単価)』という指標を用いて簡易的に判断することができます。
上記の計算式からも分かるように、PP単価は、航空券の単価が高くなるほど上がり(効率悪化)、獲得PPが大きいほど下がります(効率良化)。
つまり、SFC修行の効率を高める(PP単価を下げる)ためには、基本的にはプレミアムポイントが多く貰える路線で、できるだけ安い航空券を手配するのがポイントです。
クレジットカード決済による還元で効率上昇
しかし、このPP単価を高めるにも限界があります。
特に、2018年頃からANAの航空券価格が値上がりし、PP単価10以下を実現することは難しくなってきました。現在もこの傾向があるので、PP単価だけを追求していては修行効率を高めることはできません。
それでは、どうすればいいのかというと…
クレジットカード決済によるポイント還元を利用するのがおすすめです!!
ご存知の通り、クレジットカードを支払いに利用すると、支払い金額に応じてポイントが貯まります。このため、ANAの航空券を購入する際にクレジットカードを利用すれば、ポイント還元を受けることができ、結果的に実質的な修行費用(PP単価)を下げることができるのです。
現金払いでSFC修行を行うのと、クレジットカード払いでSFC修行を行うのとでは、かなり大きな金額差が生じます。
SFC修行に適したクレジットカードは「ANAカード」
SFC修行は、ANAの上級会員(ANAプレミアムメンバー)を目指す修行ですから、ANAの飛行機にたくさん搭乗することになります。
このため、SFC修行では、ANAが発行する「ANAカード」の特典を最大限活用することができます。
例えば、ANAカードで航空券を購入すれば、決済額に応じて還元されるマイルが大幅に増加します。
もちろん、ANAカード以外のクレジットカードを使って航空券を購入した場合でもマイルを貯めることは可能です。しかし、ANAカードには、ANAの航空券を購入する場合に獲得できるマイルが倍増するという特典があります。
SFC修行に利用するクレジットカードのファーストチョイスは、とりあえずANAカードで間違いないでしょう。
ANAカードは1種類ではない
現在発行されているANAカードは1つだけではなく、いろんな種類のANAカードが存在しています。
それぞれ特典も年会費も異なるので、最も効率的なカードを選びたいところです。
陸マイラーに最も馴染み深いANAカードは「ソラチカカード」でしょうが、ソラチカカードのスペックはSFC修行に適しているとは言えません。決済時のマイル還元率が低めだからです。
以下では、ANAカードを前提として、SFC修行に適したクレジットカードを検証していきます。あくまで私独自の観点ですが、カード選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
最初からSFCに切替え可能なANAカードを選ぶ
いきなり先の話になってしまいますが、SFC修行が無事終了した場合、念願のANAスーパーフライヤーズカードを手にすることになります。
この際、所有しているANAカードの種類によっては、そのANAカードをSFCに切替えることも可能です。つまり、SFCの新規発行ではなく、すでに持っているANAカードにSFCとしての機能を追加するイメージです。
ANAカードをSFCに切替える場合、通常の新規申し込みとは異なる扱いになるため、クレジットカード会社の入会審査をパスすることができます。
ANAカードを発行する際に審査に通っているわけですから、クレジットカード会社としても安心して発行できますよね。
SFC修行解脱後の悲しい事故を防ぐために
審査になんか落ちないよという方は関係ないかもしれないですが、私はクレジットカードの審査待ちで意外とドキドキしてしまいます。予めスーパーフライヤーズカードに切り替え可能なANAカードを所有しておけば、申込時に余計な心配をする必要はありません。
SFC修行は大金を投じて行うものですから、SFC修行は終えたものの、肝心のスーパーフライヤーズカードの審査に落ちてしまっては意味がありません。SFC修行に要した費用だけでなく、SFC修行にかけた労力&時間などがすべて無駄になってしまいます。
まさかの審査落ちで、それまでの苦労が水の泡になってしまうことを避けるためにも、スーパーフライヤーズカードに切替えられるANAカードを取得しておくのが最善です。
SFCの審査落ちを絶対に避けたい理由
なお、一度審査落ちするとスーパーフライヤーズカードが取得できなくなる訳ではありません。
スーパーフライヤーズカードも通常のクレジットカードと同様に、あるい程度の期間を空けて再度申込むことで、審査に通過することができる場合があります。
ただし、スーパーフライヤーズカードに申し込める期間は、SFC修行を終えてプラチナ会員の資格を維持できる期間内(つまり、SFC修行を終えた翌年まで)に限られます。プラチナ会員の資格が失われてしまった場合、再度SFC修行をしなければスーパーフライヤーズカードには申し込めません。
つまり、「審査落ちしてもまたしばらくして申し込めばいいや」と考え方は、スーパーフライヤーズカードには通用しません。
以上の理由から、SFC修行を始める前には、スーパーフライヤーズカード(SFC)に切り替え可能なANAカードの発行を事前に済ませておくことを強くオススメします!
SFCに切り替え可能なANAカード一覧
スーパーフライヤーズカードは、現時点(2020年現在)で8種類。切り替え可能なANAカードと並べてみました。
スパーフライヤーズカード(SFC) | 切換え可能なANAカード |
ANAスーパーフライヤーズカード(一般カード) | ANAワイドカード |
ANAスーパーフライヤーズゴールドカード | ANAワイドゴールドカード |
ANAダイナース スーパーフライヤーズカード | ANAダイナースカード |
ANAアメリカン・エキスプレス スーパーフライヤーズ・ゴールド・カード | ANAアメリカン・エキスプレス ゴールド・カード |
ANA JCBスーパーフライヤーズカード プレミアム | ANA JCBカード プレミアム |
ANAダイナース スーパーフライヤーズ プレミアムカード | ANAダイナース プレミアムカード |
ANA VISAプラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカード | ANA VISAプラチナ プレミアムカード |
ANAアメリカン・エキスプレス スーパーフライヤーズ・プレミアム・カード | ANAアメリカン・エキスプレス プレミアム・カード |
SFC修行を始めるのであれば、まず上記8種類のANAカードの中からカードを選択し、審査を通過しておけば安心です。
SFCには一生ずっと維持費がかかる
スーパーフライヤーズカードに切替可能という条件で、選ぶべきANAカードを8種類に絞ることができました。
ここで、スーパーフライヤーズカードは一生続くANA上級会員ステータスを維持するためのカードですから、その後も年会費を払い続けることが前提となります。このような前提を考慮すると、年会費が高いカードはあまりオススメできません。
家族をSFC会員にするために、追加で家族カードを取得する方も多いでしょうし、それらの年会費を今後何十年も払い続けるとすると、結構な額になってしまいます。
何円から高いと判断するのかは人それぞれでしょうが、個人的には年会費が3万を超えてくると「ちょっと高いなぁ」と感じてしまいます。
スーパーフライヤーズカードは一生保有するものですから、できるだけステータスの高いカードを選びたい気持ちも分かりますが、まずは年会費の安いカードを選んでおくのが無難です。
もし、どうしてもステータスの高いスーパーフライヤーズカードが欲しくなってしまった場合には、後で別のカードに切替えることも可能です。
年会費を考慮したANAカードの選択
カードの年会費を3万円以下にすることを条件にした場合、最終的に取得すべきSFCカードは以下の2枚に絞られます。
・ANAスーパーフライヤーズカード:年会費11,275円(税込)
(切換え前のANAカード:ANAワイドカード)
・ANAスーパーフライヤーズゴールドカード:年会費16,500円(税込)
(切換え前のANAカード:ANAワイドゴールドカード)
上記の2枚は、JCB、VISA/MASTERから国際ブランドを選択することができますが、維持費を安くするという観点からすれば、断然、三井住友のVISA/MASTERがお得です。
1.マイ・ペイすリボによる割引
VISA/MASTERの場合、マイ・ペイすリボを申し込むことで、年会費が割引されます。
マイ・ペイすリボを申し込むと、支払い方法が原則としてリボ払いになってしまいますが、最低支払額を利用額上限あるいは毎月の利用額より高い額(例えば100万円)に設定しておけば、実質的に一括払いとなり、リボ払いの手数料(金利)は発生しません。
ちなみに、マイ・ペイすリボの割引は家族カードの会員にも適用可能です。

本制度は2021年2月支払い分から改定され、マイ・ペイすリボ年会費優遇を受けるためには、年1回以上リボ払い手数料を支払わなければならないことになりました。
公式「マイ・ペイすリボ」年会費優遇特典条件改定のお知らせ
2.WEB明細サービスによる割引
VISA/MASTERの場合さらに、WEB明細サービスを利用することで、年会費が割引されます。(スーパーフライヤーズカードは550円割引。スーパーフライヤーズゴールドカードは1,100円割引。)
WEB明細サービスとは、カードの利用明細を郵送で送られてくる紙媒体ではなく、WEB上で完結させるサービスです。カード会社としては、毎月明細を郵送する必要がなくなるので、その分、年会費を割り引いてくれるのです。
割引後のカード年会費
以上の2種類の割引が適用される結果、割引後の年会費は以下のようになります。
- ANAスーパーフライヤーズカード:割引後年会費9,652円(税込)
- ANAスーパーフライヤーズゴールドカード:割引後年会費11,550円(税込)
スーパーフライヤーズカードよりも、スーパーフライヤーズゴールドカードの方が割引率が高いので、2枚の年会費は割引後だとだいぶ近くなりますね。
ANAマイルへの移行手数料で実質的な維持費は逆転する
ANAカード又はSFCをクレジットカードとして決済に利用した場合、貯めたポイントをANAマイルに移行することで、効率的にANAマイルを貯めることができます。
このとき、スーパーフライヤーズカード(ANAワイドカードから切換え)は、1ポイントを10マイルとして移行するために年間手数料が6,600円(税込)かかります。
一方、スーパーフライヤーズゴールドカード(ANAワイドゴールドカードから切換え)は、1ポイントを10マイルとして移行するための手数料は不要です。
つまり、1ポイントを10マイルとして移行させる前提で考えると、スーパーフライヤーズカードの年間維持費は、ゴールドと比べて6,600円増加します。
そうすると、上記2枚のANAカードの年間維持費は逆転することになります。
スーパーフライヤーズカードを使ってマイルを貯める場合には、各種特典が充実したゴールドのほうが確実にお得ですね。
結論
という訳で、現時点でSFC修行に最も適したクレジットカードは、「ANAワイドゴールドカード(VISA/MASTER)」です。
SFC修行後は、そのカードを「ANAスーパーフライヤーズゴールドカード」に切換えて使用するのがオススメ。
もちろん、今回検証した条件とは別の部分も考慮すれば、他のカードの方が適していると判断できるかもしれません。
しかし、維持費と特典に基づいたコストパフォーマンスの観点からすれば、ANAワイドゴールドカードが群を抜いてます。
我が家も、この「ANA VISAワイドゴールドカード」で、2016年のSFC修行に挑みました。少し前の話になっていますが、2020年もこの結論は変わりません。