全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)から、2016年4月1日発券分からの燃油サーチャージを廃止することが発表されました。
「燃油サーチャージ」とは、飛行機の燃料となる油の価格に応じて、運賃とは別に徴収される料金のことで、燃油特別付加運賃、燃料油価格変動調整金、燃料加算金、燃料課徴金、燃料サーチャージ、フューエルサーチャージと呼ばれたりもします。
飛行機に乗るために必要なお金が増えてしまう原因になるため、利用者にとっては、燃油サーチャージは基本的に安い方が助かります。
今回の燃油サーチャージ廃止は、ANAとJALが運行する日本発の国際線の全路線が対象になっています。
燃油サーチャージがゼロになるのは6年半ぶりのことみたいですね。原油安に感謝しなければなりません。
ここ最近、シンガポールケロシンが1バレル当たり30ドル付近まで下がっていたので期待していましたが、予想通りの結果となりました。
2016年3月31日までの燃油サーチャージ
廃止前の燃油サーチャージは以下のようになっていました。
欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 7,000円 |
---|---|
ハワイ・インド・インドネシア | 4,000円 |
タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー | 3,000円 |
ベトナム・グアム・サイパン・フィリピン | 2,000円 |
中国・香港・台湾・マカオ | 1,500円 |
韓国 | 300円 |
上記価格は片道分なので、往復だと2倍の燃油サーチャージが必要です。
欧米路線を往復する場合には、航空券とは別に14,000円を支払う必要があります。
例えば、夫婦2人でヨーロッパに行く場合には燃油サーチャージだけで28,000円も必要になります。4人家族なら56,000円です。仕方のないこととはいえ、すごく損した気分になってしまいますよね。
もっと高い時期もあったので、その時と比べると、これでもだいぶ安くはなっているのですが、それでももったいなく思えてしまいます。
いつまで燃油サーチャージは不要?
燃油サーチャージは2ヶ月毎に見直されますので、2016年2月の発表時点で、少なくとも2016年の4月分と5月分はゼロであることが現時点で確定しています。
今年の春はGWも10連休にすることができるみたいですし、海外旅行に出かける人が増えるのではないでしょうか。旅行会社にとっても嬉しいニュースでしょうね。
2017年1月まで燃油サーチャージゼロ継続確定です
2016年10月、ANAとJALの両社から、2017年の1月発券分までの国際線航空券について、燃油サーチャージが不要であることが発表されました。
これで2016年4月~2017年1月までの10ヶ月間、燃油サーチャージがゼロということになります。
今後も燃油サーチャージ無料が継続するかは、シンガポールケロシンとドル/円相場の動きに影響されます。
これまで、ギリギリのラインで燃油サーチャージの復活は免れてきましたが、2016年10月下旬時点のシンガポールケロシンとドル円相場を見てみると、今後、再び燃油サーチャージが復活する可能性が高まってきています。
例年、冬場の需要増加で原油価格は上昇する傾向にあり、よほどの暖冬宣言でもなければ原油価格の下落は望めません。こればかりは個人が努力してどうにかなる問題ではないので、覚悟を決めてその時を待つしかない状況です。
正式な発表があるまで分かりませんが、かなり厳しい状況であることは間違いありません。
2017年2月から燃油サーチャージ復活が確定
予想していたとおり、2017年2月以降の燃油サーチャージ復活が決まりました。まだ、ANAとJALからの公式発表はありませんが、これまでの流れからすると10日頃にも発表されるはずです。
現時点で報道されている燃油サーチャージの金額は以下の通り。
行き先 | 燃油サーチャージ額(片道) |
ハワイ | 2,000円 |
北米 ヨーロッパ |
3,500円 |
それほど大きな額ではありませんが、1月までは支払う必要のないお金だったのですから、かなり損した気分になりますよね。
また、今後の動向次第では、燃油サーチャージ額は上昇していく可能性もあります。
さらに倍!2017年4月からの燃油サーチャージは大幅に上昇
とうとう2017年2月から燃油サーチャージが復活してしまったのですが、追い打ちをかけるように残念なお知らせが発表されました。
2017年4月以降の発券分については、サーチャージが2倍になってしまうようです。
2017年2月の段階ではヨーロッパ旅行で片道3,500円、往復7,000円でしたが、これが片道7,000円、往復14,000円となります。
数千円だったらしょうがないと思えるかもしれませんが、往復で1万円を超えてくるとなると結構大きな出費になってしまいます。
もちろん、燃油サーチャージの額は今後もさらに上昇する可能性があります。できるだけ早めに発券するのがよさそうですね。
マイル特典航空券の場合も燃油サーチャージは必要
主に特典航空券を使って飛行機に乗る(つまり、現金では航空券を買わない)陸マイラーにとっても、燃油サーチャージは非常に嫌な存在でした。
というのも、マイルを特典航空券に交換した場合でも、燃油サーチャージの支払いは必要だからです。燃油サーチャージが設定されていると、せっかく往復航空券分のマイルを貯めても、別途数百~数万円を支払わなければなりません。
燃油サーチャージがあると、「マイルを貯めて無料で海外旅行」というわけにはいかないのです。
なお、回避策として、燃油サーチャージが無料になる他の航空会社(アメリカン航空やユナイテッド航空など)のマイルを使ってANAの航空券を取るという方法も知られています。
しかし、陸マイラーにとっては「ソラチカルート」の使えるANAマイルの方が貯めやすいですから、できればANAマイルを貯めるという正攻法でいきたいところ。

燃油サーチャージの廃止は、ANAマイルで海外旅行を目指す陸マイラーにとっては、朗報中の朗報だと思います。
ただし、2016年3月発券分までは現行の燃油サーチャージが適用されますので気をつけてください。燃油サーチャージの廃止は2016年4月以降です。
燃油サーチャージの廃止はメリットばかりではない
燃油サーチャージが廃止されるからといって、航空券の価格が必ず安くなるとは限りません。
確かにサーチャージの分は不要になりますが、その分が航空券価格に上乗せされてしまうことがあるのです。この結果、支払総額は変わらない、むしろ上がってしまうこともあります。
そうなると、利用者にとっては嬉しくありませんよね。
しかし、マイルを貯めて特典航空券を入手する場合は違います。特典航空券には航空券の値上がりの影響はありませんから、燃油サーチャージ廃止の恩恵をまるまる享受することができます。
陸マイラーには、かなり有利な状況ですね。
航空券はいつ買えばいい?
燃油サーチャージの廃止は4月1日発券分からです。
発券=支払いなので、「航空券の代金を実際に支払う日」が基準になります。搭乗日でも予約日でもありませんので注意が必要ですね。
4月以降に発券しましょう
例えば4月15日に搭乗予定の航空券でも、廃止前の3月31日に購入した場合は、燃油サーチャージが徴収されます。差額は払い戻しされません。
支払いを3月中に済ませてしまうと、4月以降の便であっても燃油サーチャージが必要になってしまうのです。これはもったいないですね。
上記例で燃油サーチャージをゼロにするためには、4月1日以降に購入すればOKです。つまり、予定が決まっている場合であっても、購入はできるだけ遅らせた方がいいということになります。
とはいえ、航空券が売り切れてしまっては意味が無いので、残席を調べつつ購入のタイミングを図ることになると思います。
復活前(2017年1月まで)に発券しましょう
逆に、燃油サーチャージが廃止された後については、できるだけ早いうちに航空券を発券した方がお得になる可能性があります。燃油サーチャージが復活する可能性があるからです。
今回2017年の2月から燃油サーチャージが復活することになりました。
このため、燃油サーチャージの支払いを避けるためには、2017年1月までに発券を済ませればOKです。
ちなみに、発券さえ済ませておけば、実際に飛行機に乗るのが2月以降であっても、燃油サーチャージを支払う必要はありません。
例えば、海外に行くのが2017年の夏頃であっても、燃油サーチャージが廃止されている2016年1月までに航空券を発券してしまえば、サーチャージはゼロのままです。
計画的に準備しておけば思わぬ損をせずに済みますよ。
まとめ
燃油サーチャージは、誰でもできれば支払いたくないと思うものです。
特に、マイルを貯めて特典航空券で飛行機に乗る場合、無料で乗れるはずのものが、燃油サーチャージのせいで有料になってしまいます。
燃油サーチャージの廃止、復活については、個人でどうこうできる問題ではありませんから、結果として受け入れるしかありません。
しかし、発券タイミングをしっかり考えて航空券を確保すれば、不必要な出費を回避することもできます。
燃油サーチャージの仕組みを理解して、賢く海外旅行をしましょう。
