ルーブル美術館を過ぎ、時々休みながら、のんびりとセーヌ川沿いを歩きます。
南京錠が鈴なりのソルフェリーノ橋。ポンデザール橋では撤去するというニュースを数年前に見ましたが、こちらは相変わらずなんですね。
橋を渡っている途中で警官に追い立てられ、慌てて左岸へ。そろそろパレードがこの辺りに到達するようです。
オルセー美術館到着
観光客はルーブルに流れたのか、珍しく待ちは20人くらい。タイミングがよかったです。
待っている途中にちょうどパレードが真横を通って行きました。期せずして航空ショー・パレード両方を見ることが出来て、ラッキー続きです。
お得なコンビチケット
オルセー美術館ではオランジュリー美術館とのコンビチケットを売っています。
これ1枚で、オルセー美術館とオランジュリー美術館の両方に入れます。別々に購入すると、オルセー12ユーロ+オランジュリー9ユーロ=21ユーロかかりますが、コンビチケットなら16ユーロです。
また、コンビチケットを持っていると、オランジュリー美術館に入る際、専用レーンからの入場ができます。入り口に長蛇の列ができている場合でも、長い時間外で待つ必要がなくなるので楽チン。
「ミュージアムパス」を購入しない場合で、いずれの美術館にも行く予定があるのなら、ぜひコンビチケットを買っておくことをおすすめします。
有効期限は結構長く、10月13日まで。3ヶ月ですね。当日中でなくてもいいのはありがたい。
初めてのオルセー美術館
オルセー美術館の中に入りました。
どことなく駅舎っぽいなと思ったら、元はパリ万国博覧会期に建設された駅だったんだそうです。その名も「オルセー駅」だとか。
美術館として生まれ変わったのは1986年と、割と最近のようです。
体力のない私達、最初から見るものは決めていました。オルセーと言ったらもちろん印象派でしょう!偶然、義母も私もモネ好きなので、わき目もふらず5階へまっしぐらです。
しかしこのオルセー美術館、フロアマップがわかりづらい…(泣)。どこから行けばいいのかぱっと見では検討もつきません。
印象派フロア(5階)への行き方
ということで説明しますと、入場したら、まず地下に降ります。
彫刻作品を左右に見ながら突き当りまでまっすぐ進むと、
ようやく印象派展示場5階の案内があります。
エスカレーターは右、階段とエレベーターは左です。エスカレーターは直通のため途中の階で降りることが出来ませんのでご注意下さい。
5階に到着!
大時計裏からは美しいパリの街が一望できます。
クロード・モネの絵画を満喫
オルセー美術館は印象派の大家、モネ作品の宝庫。
「睡蓮」はもちろんのこと、
「ルーアン大聖堂」は5作も展示されています。時間や天気によって、様々に表情を変える大聖堂が美しいの一言です。
「日傘の女」は左向き・右向きが並んでいます。
名画の数々が惜しげもなく、ギリギリまで近づいてじっくり見られるように展示されていました。
日本でもオルセー展などありますが、点描の一つ一つまで認識できるほど近くで眺められるなんて、本当に何という贅沢なんでしょうか。
そこまで混んでもいなかったので、行きつ戻りつして何度も繰り返し鑑賞できるのも嬉しかったなぁ。
この他にもミレーやセザンヌ等々、教科書でお馴染みの有名絵画がずらり勢ぞろいしていて、至福の時間を過ごしました。
ゴッホの自画像やルノワールも見たかったのですが、なにぶん駆け足観光ですので、泣く泣く諦めました。またパリに来ることがあったら、オルセーには絶対戻ってきたいと思います。
ランチはオルセー美術館内のレストラン
そろそろ13時。お腹が空いてきました。
ムール貝でも食べに行こうか?なんて話していましたが、移動の時間と体力が勿体無いので、美術館内のレストランで昼食を取ることにしました。
2階にあります、「RESTAURANT DU MUSEE D ORSAY (レストラン・ミュゼ・ドゥ・オルセー)」です。シンプルな入口ですが、
内装は凄く凝ってます!
またまたタイミングが良くて、すぐに席につくことが出来ましたが、私達の後は長蛇の列でした。
一番お得そうな日替わりランチを注文しました。一人22ユーロだったと思います。パンはすぐ届きましたが…
待てど暮らせどメインが来ない。
疲れから、しばらく座ったままうとうと30分以上…ようやく運ばれてきました。
何のお魚かは不明ですが、鰆に近いかな?下に豆とソースが敷かれていました。
肝心の味はと言うと…薄味派の私にもかなり薄かったです。
食卓の塩胡椒をかけると、普通に美味しく食べられましたが、夫は微妙だそうで。どうも少々生臭かったみたいです。
終わった後にデザートなりコーヒーなりあるのかと思いきや、これで終了。パンとメインで22ユーロは、正直かなりコスパ悪いですね。
体力温存のため、そして場所代と割り切れば、まあ仕方ないかなという感じ。
強面のウェイトレスさんが「カフェ?ティー?」と聞いてきたので、料金に含まれているんだろうと誤解して頼んだコーヒー。しっかり別料金とられました。
ごく普通のコーヒーです。ビターチョコレートが添えられていました。
せっかくのパリ、毎食を無駄にせず美味しいものだけ食べたい方は、他に行った方が良さそうです。
コスパがよくて美味しいお店はいくらでもありますから。
オランジュリー美術館へ
オルセー美術館に後ろ髪惹かれつつ、オランジュリー美術館に向かいます。
オルセー美術館とオランジュリー美術館は、セーヌ川を挟んでほぼ向かい合わせに建っています。それぞれそんなに大きな美術館ではありませんから、1日で2つ回ってちょうどいい感じ。
午前中にノートルダム大聖堂とサント・シャペルを入れたのは、ちょっとやり過ぎだったかもしれません…。
先ほど通ったソルフェリーノ橋を渡って、右岸側に戻ります。午前中の曇り空とは打って変わって、湿度の低いヨーロッパらしい澄み渡った夏空が気持ちいい~!
オランジュリー美術館に到着!「オランジュリー」はそのまま、果物のオレンジが由来です。元々この建物は宮殿のオレンジ温室だったのだそう。
私たちはオルセー美術館で買ったコンビチケットがあるので、「チケット所持者」の列に並びます。
奥に見えるのは、これからチケットを購入する人の列です。
小さな美術館のため、20人程度ずつ入場させてもらえるのですが、入れるのはチケットありの方ばかりでした。もしかしたらチケット所持者がいる限り、チケット購入予定者は入場できないのかもしれません。
オルセーでチケットを購入しておいて大正解でした!
モネの睡蓮
オランジュリー美術館での目的は一つ。クロード・モネの「睡蓮」をパノラマ展示している睡蓮特別展示室です。
このように、楕円形のお部屋壁一面に趣の異なる「睡蓮」が4枚飾られています。
真ん中に椅子が設けられているので、座って鑑賞可能です。入場制限があるため、人で溢れかえることなく、ゆっくり眺めることが出来ました。
モネの絵画は、見る距離によってまったく違う印象になるのが面白い。
天井には自然光を取り入れられる仕組みが施されていて、日の加減によってもまったく違う表情を見せてくれます。
陽が出ると明るい色が際立って見え、
陽が陰ると、まるで本物の雨の日の池のように、彩度を失います。
このオランジュリー美術館自体、モネの「睡蓮」を展示するために整備されました。自然光を取り入れて展示する方法は、モネ自身が発案し、希望したそうです。
しかし1960年代、美術館の展示スペースを拡張するための改装で、「睡蓮」は光の入らない地下へ移されてしまいました。
それからおよそ40年。2000年からの再度の改築により、再び睡蓮が光の届く展示室に帰って来たのです。
実際に見に行ってみれば、「睡蓮」を鑑賞するのにこれ以上ない素晴らしい展示方法だと心から納得しました。
美術品は、保存のため日に当たらないよう展示するのが一般的だと思いますが、さすがは芸術の国フランス。画家の意図のままに、一番美しい「睡蓮」を楽しむことが出来る方法を取っているんですね。
美術館巡りの感想
こんなに身近に芸術があふれていて、フランスに生まれた人は本当に幸せだな~と思う一日でした。
この日は時々雲が太陽を隠す程度のいいお天気でしたので、まさに鑑賞日和でした。できれば6~7月の晴れた日、お昼すぎ頃に見に行かれることをおすすめします。
もちろん、スムーズに入場するため、チケットは事前に入手しておきましょう!
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