ANAマイルはJALの飛行機には使えません。その逆もまた然りで、JALマイルはANAの飛行機には使えません。
しかし、飛行機に乗る利用者からしてみれば、状況に応じて航空会社を使い分けられると便利ですよね。例えば、ANAの航空券の価格がセールで安くなっていればANAを使う方がお得ですし、JALの便数が多い路線であればJALの飛行機を使える方が便利です。
また、ANAマイルとJALマイルを相互に交換できれば、実質的にANAマイルとJALマイルを合算することもできます。
私を含めてANAマイルとJALマイルを相互に交換できればいいのにと考えたことのある人は少なくないはず。実際にYahoo知恵袋などでもマイルの相互交換に関する質問は多く見つかります。
いくつかのWEBサイトでは「ANAマイルをJALマイルに交換することはできない」、あるいは「JALマイルをANAマイルに交換することはできない」と書かれていたりします。普通に考えればそうなりますよね…
しかし、これらは間違った知識であり、ANAマイルとJALマイルは正当な方法で相互に交換することができます。
それでは、ANAマイルとJALマイルを相互に交換するためには、どのような方法が存在しているのでしょうか。
JALマイルをANAマイルに交換する方法
JALマイルからANAマイルへの交換は「JMB JQ SUGOCA」の出現によって非常に高いレートで実現可能となりました。JMB JQ SUGOCAは、JR九州のクレジットカードであるJQカードに、JALマイレージバンク(JMB)とSUGOCAが一体化されたカードです。
JMB JQ SUGOCAを持っていると、JALマイルとJQカードの独自ポイントであるJQポイントとが相互に交換できるようになります。これにより、JALマイル10,000マイルをJQポイント10,000ポイントに交換できます(1回の交換申請では10,000マイルが上限、交換回数が年2回までなので計20,000マイル/年が交換上限です)。
JQポイント10,000ポイントはGポイント10,000ポイントに交換できます。すると、Gポイントをメトロポイントに交換してソラチカルートを利用することができます。
Gポイント10,000ポイントはメトロポイント10,000ポイントに交換できますので、ソラチカルートを使うと最終的にANAマイル9,000マイルになります。
<JALマイルからANAマイルへの交換ルート>
JALマイル:10,000マイル
↓
JQポイント:10,000ポイント
↓
Gポイント:10,000ポイント
↓
メトロポイント:10,000ポイント
↓
ANAマイル:9,000マイル
JALマイル10,000マイルがANAマイル9,000マイルに交換できるのですから、JALマイルは0.9倍の交換レートでANAマイルに交換できてしまいます。10%目減りしてしまいますが、通常では考えられない高レートです。
上記のように複数のポイントを経由する必要があるので手間はかかりますが、JALマイルをANAマイルに交換する場合には絶対にJMB JQ SUGOCAを使うべきです。
JMB JQ SUGOCAは年会費1,350円(税込)ですが、初年度無料かつ年1回の利用で次年度以降も無料になります。いつでもマイルを交換できるように、とりあえず保有しておくのも悪くないですね。
ANAマイルをJALマイルに交換する方法
ANAマイルからJALマイルへの交換については、上記JALマイルからANAマイルへの交換のように高レートのルートは存在しておらず、0.5倍の交換レートを実現するのが精一杯です。
交換ルートはいくつかありますが、代表的なものには「JQ SUGOCA ANA」を使ったルートがあります。JQ SUGOCA ANAは、JMB JQ SUGOCAと同じくJQカードの一種であり、ANAマイレージクラブカードとSUGOCAが一体化されたカードです。
JQ SUGOCA ANAを持っていると、ANAマイルとJQポイントとが相互に交換できるようになります。これにより、ANAマイル10,000マイルをJQポイント10,000ポイントに交換できます(交換マイル数の累計が30,000マイル(3口)以上になると、交換レートが半分に低下してしまうので、実質的な交換上限は20,000マイル/年です)。
JQポイント10,000ポイントはGポイント10,000ポイントに交換できます。Gポイント10,000ポイントはリクルートポイント10,000ポイントに交換でき、リクルートポイント10,000ポイントはポンタポイント10,000ポイントに交換できます。そして、ポンタポイント10,000ポイントは、5,000JALマイルに交換できます。
<ANAマイルからJALマイルへの交換ルート>
ANAマイル:10,000マイル
↓
JQポイント:10,000ポイント
↓
Gポイント:10,000ポイント
↓
リクルートポイント:10,000ポイント
↓
ポンタポイント:10,000ポイント
↓
JALマイル:5,000マイル
ANAマイルからJALマイルの交換ではマイル数が半減してしまうので、基本的には交換しないのがベターです。しかし、どうしてもJALマイルが必要な場合や、ANAマイルの使い道が見つからない場合には、JALマイルへの交換を有効に活用することもできます。
ちなみに、JQ SUGOCA ANAの年会費は、各種条件までJMB JQ SUGOCAと同じで、原則年会費1,350円(税込)、初年度無料かつ年1回の利用で次年度以降も無料になります。
交換レートがアップするキャンペーン実施中
2016年3月15日(火) 11:00~2016年5月31日(火) 23:59まで、JQポイントからGポイントへの交換レートが5%アップするキャンペーンが実施されています。
このキャンペーンを利用すれば、JMB JQ SUGOCAを利用したJALマイルからANAマイルへの交換レートは94.5%にまで向上します。ほぼ損失なく交換できると言っても差し支えない程度の高レートですね。
また、JQ SUGOCA ANAを利用したANAマイルからJALマイルへの交換レートも52.5%になります。
ANAマイルとJALマイルの相互交換は、キャンペーン期間中である5月31日までに済ませるのがお得です。
ANAマイラーが敢えてJALマイルを貯めるという選択肢も
上記のように、JALマイルからANAマイルへの交換は高い交換レートを実現できます。このため、ANAマイルを貯めるANAマイラーは、とりあえずJALマイルを貯めておいて、後でANAマイルに交換するという方法を採用することもできます。
「JALマイルを貯めることでANAマイルを貯める」というのもおかしな話ですが、レートの高い交換ルートを使える場合には、実際にJALマイルを貯めてANAマイルを貯めることができるのです。
このような方法は、ANAマイルを貯めることができない、あるいはANAマイルよりもJALマイルの方が貯めやすい(還元率が高い)状況において有効です。
例えば、Amazonでショッピングをする場合、ANAマイルを貯めるのは非常に難しいですが、JALマイルはJALマイレージモールを経由して比較的簡単に貯めることができます。
また、羽田空港に向かう際に東京モノレールを利用する場合には、「モノレールでタッチ」でJALマイルを貯めることができます。
他にも、イオン系列のお店でショッピングをする場合には、JALカードからJMB WAONへの「クレジットチャージ」が使えるのでJALマイルを効率的に貯めることができます。
また、税金等の支払いにリクルートカードプラスの「nanacoチャージ」を利用すれば、貯まったリクルートポイントをJALマイルに交換できます。
このようにして貯めたJALマイルが高レートでANAマイルに交換できてしまうのですから、ANAマイラーもJALマイルの貯め方を研究しておくべきかもしれません。
注目のMIカードはマイルの相互交換不可
MIカードは三越伊勢丹グループでのお買い物がお得になるクレジットカードで、独自のポイントであるエムアイポイントを貯めることができます。このエムアイポイントは、なんとANAマイルにもJALマイルにも交換することができるため、マイラー界では密かに注目を集めています。
※3,000ポイント以上、1,000ポイント単位で交換できます。(例:4,000ポイント→2,000マイル)
※2,000ポイント以上、2,000ポイント単位で交換できます。(例:4,000ポイント→1,000マイル)
※同一年度内の交換ポイントが22,000ポイント以上の場合、2,000ポイントにつき250マイルへの交換になります。(例:22,000ポイント→5,250マイル)
また、ANAマイルまたはJALマイルからエムアイポイントへの交換も可能です。
※10,000マイル以上、10,000マイル単位で交換できます。
※同一年度内の交換マイルが30,000マイル以上の場合、それ以降の交換は10,000マイルにつき5,000ポイントへの交換になります。(例:30,000マイル→25,000ポイント)
※10,000マイル以上、10,000マイル単位で交換できます。
これらの仕組みを利用すればANAマイルとJALマイルを簡単に相互交換できるはず…と考えたのですが、それは不可能でした。MIカードには以下のように、マイルの相互交換を禁止する例外規定が存在しているのです。
よく考えて見れば当たり前のことで、そんなカードの存在をANAとJALが許すはずがありませんよね。顧客の囲い込みというマイレージ制度の趣旨に反する結果になってしまいます。
ANAマイルとJALマイルを相互交換するためには、複数のポイントを経由させることで、システムの抜け穴をかいくぐるように交換を実現するしかなさそうです。
ANAマイルとJALマイルの相互交換まとめ
- JALマイルからANAマイルへの交換はJMB JQ SUGOCAの利用で交換レート90%に
- ANAマイルからJALマイルへの交換は交換レートが低いため必要最低限に留める
- JMB JQ SUGOCAの高レート交換を利用すれば、JALマイルでANAマイルが貯まる
- MIカードによるマイルの相互交換は禁止されているので注意
マイルの相互交換は手間がかかりますし、基本的にはANAマイルまたはJALマイルのいずれかを集中的に貯める方が効率的です。ただし、状況によっては非常に役に立ってくれることもあるので、覚えておいて損はないですよ。
JALマイルからANAマイルへの交換に必須のカード↓
※SUGOCAは、九州以外にもSuicaエリア、PASMOエリア、Kitacaエリア、manacaエリア、TOICAエリア、PiTaPaエリア、ICOCAエリア等で利用できます。