新型コロナウイルス感染拡大により、海外への渡航が格段に難しくなってしまった今日この頃。
慣れない土地でコロナに罹患してしまうリスクはもとより、行き来するだけでも普段とは違う煩雑な手続きが必要です。
なかなか目にする機会がありませんが、実際の入国事情・水際対策はどのようになっているのでしょうか。
今回は、ドイツから帰国した際の実体験を詳しくレポートします。

本記事は2021年9月の出来事を中心に、12月時点の情報を踏まえまとめたものです。
時期によって変更になる可能性がありますので、最新情報は必ずご自身でお確かめください。
飛行機を降りたら
では、さっそく本題へ入りましょう。
ドイツ・フランクフルトを出発し12時間。
無事、羽田空港に到着しました。
従前は、飛行機を降りたらそのまま入国検査場へと進んでいたのですが、現在では各種手続きのため、常とは異なる進路を巡ることになります。
本来なら到着階を移動するところ、特別なルートを通ってそのまま出発階を移動。
搭乗口5つほどが、それぞれ書類提出・アプリ設定・検査のための専用ブースに転用されていました。
写真撮影は一切禁止なので、記憶頼みではあるものの、第3ターミナルの赤枠で囲ったあたりを、随分長いことぐるぐる歩いていたような…。
到着後なのに出発エリアを通るなんて、滅多にできない経験ではありますね。
なお、実際にかかった時間は、こんな感じでした。
- 羽田空港着陸7:35
- 書類提出・PCR検査完了8:40
- PCR検査結果判明9:07
- 入国9:13
入国に必要な手続き
2021年12月時点では、日本入国にあたって以下の手続きが求められています。
- 検査証明書の提出
- 検疫所が確保する宿泊施設での待機・誓約書の提出
- スマートフォンの携行、必要なアプリの登録・利用
- 質問票の提出
- ワクチン接種証明書の「写し」の提出(12月1日から一時中止)

「5. ワクチン接種証明書の「写し」の提出」は、2021年11月から導入された規則なので、私が帰国した時にはありませんでした。
というわけで詳しくは割愛しますが、この書類を提出することにより、「検疫所が確保する宿泊施設での3日間の待機免除」、「入国後14日間の待機期間の一部短縮(諸条件あり)」というメリットが受けられます(オミクロン株に対する対策強化のため、12月1日から一時停止中)。
1. 検査証明書の提出
まず検査証明書とは、「PCR検査陰性証明書」のこと。
これは出発時刻から遡って72時間以内に、現地で取得しておく必要があります。
日本入国時に提出する書類となっているものの、搭乗前にも航空会社のチェックを受けることになっています。
日本政府が求める証明書の要件は大変細かく、万一不備がある場合は搭乗を拒否されてしまうことも。
私も直前に不備が見つかり、あわや搭乗拒否の憂き目にあうところでした。
詳しいレポートはこちら↓をご覧ください。
2. 検疫所が確保する宿泊施設での待機・誓約書の提出
記入が必要な書類は、あらかじめ機内で配布されます。実際の誓約書がこちら。
簡単に言いますと、感染拡大防止の観点から、入国後14日以内の自主隔離を誓うものです。
具体的には以下の通り。
- 14日間の公共交通機関の不使用
- 自宅等での待機
- 位置情報の保存・提示
- 接触確認アプリの導入等について
誓約書を提出しない場合は、検疫所が確保する宿泊施設等で待機することになります。
また、誓約に違反した場合は、停留措置になるだけでなく、氏名等の個人情報が公開されるとのこと(現時点ですでに100名以上が該当している模様)。
さらに在留外国人なら、最悪在留資格取り消し、強制退去などの厳しい罰則が与えられるそうです。
よりわかりやすく規則の概要が書かれた、このような書面もありました。
裏面には滞在歴を記入するようになっています。
「特に流行している地域」は、状況によって適宜変更されますのでご注意ください。
3. スマートフォンの携行、必要なアプリの登録・利用
併せて、スマートフォンに指定アプリをインストールすることも求められます。
必要なアプリは以下の通り。
健康居所確認アプリ(MySOS) | 位置情報と健康状態を報告。また、センターからのビデオ通話に応答し居所確認を行う。 |
位置情報設定・保存(GoogleMaps等) | 入国後陽性となった場合、位置情報の記録を保健所に提示するため(iPhoneの場合はインストール不要)。 |
接触確認アプリ(COCOA) | 新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について通知を受ける |
これらはもちろん、事前にインストールしておくこともできますし、空港に着いてからでも大丈夫です(時短のためできれば事前がオススメ)。
空港では、インストール方法からマンツーマンで詳しく教えてもらえます。
もし万一ネットに繋がらない場合でも、スタッフさんがポケットWi-Fiを貸してくれるので、どなたでも問題なく手続きできることでしょう。
一方、既にアプリインストール済みなら、このコーナーを丸々スキップ出来るのかというとそうではなく、このように細かい設定が待っています。
(厚労省HPより)

しばらく国内用のSIMを使っていなかったからなのか、なぜか着陸してからずっと圏外で難儀していたのですが、スタッフさんの対応は大変慣れたもので助かりました。
4. 質問表の提出
続いて、質問表の提出です。
記憶によれば、これが空港に着いて最初に要求されたように思いますが、結論から言うとこちらも帰国前に準備しておくことをお勧めします。
なぜかというと、WEB上で個人情報を入力し、QRコードを作っておく必要があるから。
私はこれをすっかり見落としていて、空港に着いた後に知ったのですが、先述の通り、着陸後なぜかスマホが圏外になってしまったため、備え付けのPCで別途手続きをしなければならなくなってしまいました。
早く手続きを済ませれば、それだけ早く次のブースに進むことが出来ますので、もし万一また機会があれば、これだけは搭乗前に終わらせておこうと思っています。
新型コロナウイルス検査
入国に際して必要なのは、書面やアプリだけではありません。
出発72時間以内のPCR陰性証明書だけでは足りず、再度空港で新型コロナウイルス検査を受けなければならないのです。
検体は唾液。
綿棒を舌下に咥えるのではなく、試験管に指定された分量の唾液を採取する方法で実施されました。
これが、ずっと乾燥する機内で過ごしていたからなのか、それとも無意識に緊張していたのか、笑ってしまうくらいに全然溜まらない(汗)。
検査ブース内には、唾液が出やすいようにレモンや梅干しの画像も貼られていたのですが、個人的にはあまり効果がなく、後から来た人にどんどん追い越されてしまいました。
こうならないためにも、飛行機を降りる前にしっかり水分を取っておく方がいいかもしれません(着陸直前の飲食は禁止されていますので、前もって余裕が必要です)。
検査結果判明で諸々の手続き完了
検査の結果は、大体30分ほどで判明します。
これで無事に陰性が出れば、晴れて入国OK!
結果を受け取った後は、いつも通りパスポートチェックと税関を経て、外に出ることができました。
今回かかった時間は1時間半ほど。
以前なら、着陸から20分もあれば帰りのモノレールに乗れたことを思うと、やはり今回はとにかく長く感じられましたが、水際対策が始まった当初は半日以上かかっていたのですから、スムーズなご対応に感謝です。
無事に日本の土を踏むことができて、とにかく一安心。
14日間の自主隔離
…が。
まだまだ自由の身になったわけではありません。
誓約書にあった通り、帰国者は入国翌日から起算して、14日間の自主隔離に努めなければならないのです。
まず大前提として、公共交通機関の利用は禁止。
これだけで渡航のハードルがかなり上がりますよね。空港から遠いところに住んでいる人にとっては、さらに重い足枷となりそうです。
私はというと、夫に車で迎えにきてもらいました。
隔離先はホテルでも自宅でもOK。帰ってこられてほっとしつつ、いよいよ14日間の隔離開始です。

余談ですが、当然国内線への乗り継ぎも禁止なので、例えば沖縄にお住いの場合は、14日間本州で待機場所を確保しなければなりません。
本州でも、地方在住ならすぐの帰宅は難しいでしょう。
会社によっては、海外出張させた社員に、帰国者専用ハイヤーを手配するところもあるのだとか。
料金はまちまちですが、某社では羽田ー大阪で20万円ほどかかるようです。
誰もが気軽に海外に行けるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうですね。
まずは隔離場所の登録
自主隔離場所に到着したら、何はなくともまずアプリで位置情報を登録するよう指示されていました。
具体的には、My SOSで所定のボタンをポチッと押すだけ。
これを基に、入国翌日から14日間、ビデオ通話に応答したり、位置情報を報告することとなります。
位置情報の確認
入国した翌日の午前中、初めて位置情報の報告を求められました。
時間はまちまちで、いつ来るかは予測がつきません。
報告方法は、これもアプリの「現在地報告」ボタンを押すだけです。簡単ですね。
ビデオ通話
さらに、ビデオ通話を使って、きちんと報告した場所で待機しているかどうかの確認も取られます。
こちらも毎日、ランダムに午前と午後の2回ありました。
まずこのようなプッシュ通知が届き…
その数分後に着信が。
これは一旦逃してしまうと折り返しができないので、着信音量を上げておくなり、すぐ気づけるようにしておかなければなりません。
通話ボタンを押すと、このような画面に切り替わります。
枠内に自分の顔と背景が映るようにして、待つこと30秒で自動的に通話が終了しました。
噂によれば、AIではなく有人の場合もあるようですが、私は一度も経験しませんでした。
外に出られないことを口実に、毎日毎回欠かすことなく部屋着・すっぴん・ボサボサ頭で応答していましたが、万一人間が出ていたらと思うと、今更ながらスリル満点です(録画内容は人が確認しているのかもしれませんが)。
ちなみに、このビデオと現在地報告は、大体9時〜17時くらいまでに設定されている印象でした。
もし真夜中に来たら応答できるだろうかとちょっと心配していましたが、流石にそのようなことは要求されません。
健康報告
さらに、毎日健康状態のレポートも必要です。
位置情報の報告やビデオ通話と異なり、こちらは毎日11時頃と時間が決まっていました。
内容はこんな感じ。本人と同居の家族に異変がないか、選択肢で報告できるようになっています。
いずれの報告も、誰でも簡単に操作できるようにという工夫が感じられました。

これらの他、14日間の位置情報も自動的に保存されています。
自主隔離からの解放
そんな日々を過ごすこと14日。
待ちに待ったその日がやってきました!
いつもならそろそろ位置情報の報告かな、という時間に、このような通知が。
MySOSの画面も、自動的に帰国者専用モードから通常モードに切り替わりました。
これでとうとう本当に、晴れて自由の身ということに!
その時の気持ちを率直に表すと、「刑務所から出たらこんな感じなのかなぁ」と…(笑)
いつもは当然の権利だった自由のありがたみを感じられる、貴重な機会となりました。
最後に
ということで、今回は水際対策の実体験レポートをお送りしました。
普段とは違う海外渡航。
こうして実際に行ってみて、思っていたより簡単だったこともあれば、意外と大変なこともありました。
一番しんどかったのは、やはり自主隔離期間。
インドア派の私でも、14日間家に籠り続けるのは、ちょっと堪えるものがありました。
さらに、12月1日からは新たな変異株・オミクロンの影響により、さらに規則が複雑になっている模様。
最新情報は、必ず外務省や厚労省のHPでご確認をお願いいたします。
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