ウクライナ情勢により、従来より大幅にフライト所要時間が延びているヨーロッパ路線。
行き先によっては14時間を超えることもあり、ほとんどリクライニングが出来ないエコノミークラスでは、時に苦痛を感じることもあるでしょう。
そんな長時間フライトでもビジネスクラスなら、フルフラットシートに贅沢な機内食と、旅が格段に楽で優雅なものになることは間違いありません。
特に、日本を代表する航空会社であるANAのビジネスクラスは、イギリスの格付け会社スカイトラックスによる評価においても、毎年上位にランキングされています。
そんなANAビジネスクラスでは、具体的にどのようなサービスが提供されているのでしょうか?
今回は特典航空券で行く、ANAドイツ・フランクフルト発ー東京・羽田行きのビジネスクラス搭乗記をご紹介します!
最新版のANAビジネスクラス搭乗記はこちらをどうぞ!
ANAでは2024〜2025年にかけて欧州3都市への新規就航を予定しています。
コロナ禍の手続き
ではさっそく本題の搭乗記へ…といきたいところですが、その前にコロナに関する必要手続きのご説明から。
当時はまだコロナ禍真っ只中で、国際線に搭乗する際には煩雑な手続きが求められていました。
現在では、もはや何の書類も必要ありません。
ただ、そんな時代もあったんだなぁという回顧録として、少しだけ経緯を残しておきます。
搭乗前のチェック
搭乗に当たってまず必要なのは、陰性証明書。
これは日本に入国する時ではなく、飛行機の搭乗前に持っているかどうかを確認されます。
これがなければ、そもそも飛行機に乗ることができません。
証明書のチェックポイントは2通り。
- フランクフルトから日本行き便に搭乗する場合→フランクフルト空港のチェックインカウンター
- 別の出発地からフランクフルト乗り換えで日本行き便に搭乗する場合→フランクフルト空港の搭乗ゲート前
今回、私は後者に当たります。
ミュンヘンからフランクフルトを経由してANA便に乗るため、出発ゲートにて証明書を提示しなければなりません。
ANAでは、出発時刻1時間20分前にスタッフさんがゲートにやってきて、書類チェックをしてくれることになっていました。
当日の朝、ミュンヘンからフランクフルトに到着した後は、セネターラウンジでゆっくりしていましたが、ラッキーなことにゲートがラウンジのすぐお隣でしたので、ちょっと抜け出して手続きへ。
紆余曲折ありつつも、つい先ほど無事にゲットした陰性証明書とパスポートをお見せして、無事搭乗OKが出ました!
流石にこれなら大丈夫だろうとほぼ確信できていても、常とは違う制限下にあることを思うと、やはり緊張しますね。
搭乗前に必要な手続きは、とりあえずこれで完了となりますが、この後はすんなり日本に入れるのかというと、残念ながらそうではありません。
帰国時にも、大量の書類提出やPCR検査が待っているのです。
つまり、むしろこれからが本番!
ただ、あまりにも長くなってしまいますので、残る手続きの詳細については、また別記事で詳しくご紹介しています。
今回のフライト情報
さて、今回搭乗するフライトの詳細はこちらです。
便名 | NH204 |
区間 | フランクフルト – 東京(羽田) |
出発時刻 | 13:30 |
到着時刻 | 08:05(翌日) |
搭乗クラス | ビジネスクラス |
搭乗開始!
出発30分前、定刻通りに搭乗が開始されました。
晴れ渡った空の下、ANA機がひときわ輝いて見えます。
海外で日系機に出会うと、なんだか本当に嬉しくて懐かしくて、毎回なんともいえない気持ちになりますね。
本日の機材も、行きと同様にB787-9。
従来のフランクフルト便は、B777機での運行でしたが、コロナ禍に伴い、機種変更されたままの状態が続いています。
本当なら、新型ビジネスクラス「THE Room」に乗れたはずなので、ちょっと残念。
その後、念願かなってTHE Roomに搭乗できました♪
それでは、さっそく搭乗しましょう!
座席は最前列
この飛行機は、ファーストクラスの設定がなく、ビジネスクラスが最上です。
今回は最前列の進行方向右側、1Hにしました。
この席、前方モニター横に大きなスペースがあって、飛行中ちょっと物を置いておけるのが何かと便利です(離発着時は不可)。
ビジネスクラスキャビンの様子
東京からフランクフルトに来る時の便では、意外と混み合っているなという印象でしたが、この復路便はかなり空いていました。全体で2〜3割の搭乗率というところでしょうか。
ビジネスクラスのアメニティ
では、アメニティを見てみましょう。
いつも通り、寝具一式と…
使い捨てスリッパ、グローブトロッターのポーチが用意されていました。
ポーチの色は、時期によって変わります。
日本発便が左の四角いバージョン、海外発便では右の薄型を提供中。
個人的に、以前ロンドンで購入したスーツケースと同じフューシャ(キャンディピンク)を狙っているのですが、メルカリ等に出回っていないところを見ると、まだ巡ってきていないようですね。
2022年3月、ニューヨーク路線搭乗時に、とうとうキャンディピンクのポーチをゲットできました!
ポーチの中には…
- アイマスク
- イヤープラグ(耳栓)
- 歯ブラシセット
- コスメキット(雪肌精)
が入っていました。
…
…あれ?
往路便ではSHIROのコスメキット↓だったのに、と思ったら、切り替え中のため旧バージョンが当たったようです。
切り替え開始は2020年2月とのこと。
すでに一年以上経過しているのですが、コロナでお客さんが減ったことにより、なかなか在庫が捌けないのでしょうね。
いざ離陸!
あっという間に搭乗が完了し、ドアが閉まりました。
ANAビジネスクラスお馴染みの、プラカップに入ったウェルカムドリンク(オレンジジュース)を頂きます。
これでまたしばらくドイツとお別れかと思うと寂しい限りですが、そもそも今年こうして来られただけ御の字です。
上半期はEU国境が事実上封じられていたわけですから、相当な進歩です。
きっとまた遠くないうちに戻ってこられますように!
最初の機内食がスタート
離陸後、およそ15分ほど。
シートベルト着用サインが消灯するとともに、お楽しみの機内食がスタートします。
ANA公式メニューブックはこちらをご覧ください↓
シャンパン
最初のドリンクには、シャンパンをオーダー!
CAさんが「エチケットも撮りますか?」と気を遣ってくださいました。ビジネスクラスならではの細やかなご配慮です。
ワインリストによれば「細かくクリーミーな泡立ちの中に大人しい酸味と微かな苦みが混在し落ち着いた味わい」とのこと。
食前酒として、またチキンのクリーム煮などに合わせるのがオススメとされているようです。
アミューズ
続いて、アミューズが配られました。
- フォアグラと白ワインゼリーのマカロン
- ポワローを包んだスモークダック
- ミックスナッツ
コロナ禍でも、クオリティは以前と全く変わりません。
いずれもシャンパンによく合って、さっそく幸せな気分です。
和食
食事のメインは和洋から選べますが、もちろんここは恋しい和食一択!
海外発便の和食には、なんだかちょっと違和感を覚えることもありますが、ANAビジネスクラスでは、割と毎回安定して美味しく頂ける気がします。
まずは美しい前菜が届きました。
ビジネスクラスの機内食は会席料理に近く、前菜とメインが別になっています。
- 鮪の叩き
- 冷製茶碗蒸し
- 牛肉アスパラガス巻き
主役の鮪ももちろんですが、この牛肉に絡んだ甘辛醤油が、またしみじみと美味しくて…。トマトとズッキーニのちょっとモダンな組み合わせにもマッチしています。日本人に生まれて本当によかった。
茶碗蒸しには、いくらがトッピングされていました。好物 on 好物で至福の美味しさです。
前菜の後、さらに主菜のプレートが配膳されました。
- 鰈西京焼き
- 御飯
- 味噌汁
- 香の物
鰈はふっくら。味付けも優しくてほっとしますね。
現地の食事ももちろん大好きなのですが、やはり日本人にとって、和食に勝るものはないなと改めて実感しました。
デザート
デザートは、3種類から選択可能です。
- アイスクリーム
- チーズ( 赤ワイン風味のカマンベール、ゴートチーズ、ペッパーチーズ)
- フルーツ
これを最後にヨーロッパの濃厚な味を堪能しておこうと思い、アイスクリームにしました。コーヒーにはチョコレートも添えられています。
もちろん美味しくいただきましたが、今思えばチーズの方も、一度くらいはお願いしてみるべきだったかもしれません。
ルフトハンザのビジネスクラスで出るチーズが毎回絶品なので、きっと現地発のANA便でも同じはず。
次回は忘れずにチャレンジしてみようと思います。
就寝
離陸から2時間ほどで機内食が終了。ドイツ時刻では15時半ですが、日本はすでに22時を回っています。
ということで、さっそくベッドメイキング!
ファーストクラスでは、CAさんが全て用意してくれますが、ビジネスクラスはセルフサービス。
好きな時に勝手が出来るので、個人的にはこの方が気楽です。
ずっとドイツ時刻で生活して来たため、すんなりとは眠れないかもと思っていたら、なんとまさかのおやすみ3秒。
そういえば、この前日は陰性証明書のことが心配すぎて、ほとんど寝ていなかったのでした…。
二度目の機内食
その後、知らぬ間に時間は流れ、目が覚めたのは、なんと着陸1時間半前!
CAさんに、朝食サービスが開始されても起こさないようお願いはしていたものの、何にも気づかずここまでガッツリ熟睡してしまうとは、自分でもびっくりです。
主だった軽食・朝食メニューはほとんど品切れ。
この時間にもなれば、当然そうなりますよね…。
しかし嬉しいことに、今一番食べたいものが残っていました!
じゃーん!
復路便だけで提供されている「コンチネンタルブレックファスト」です。
- ハムとチーズのコンビネーション
- 2種のブレッドをバターとともに
- フルーツ
コンチネンタルブレックファストとは、主にヨーロッパで食べられる簡易的な朝食のこと。
温かいお料理はありませんが、朝からそんなにたくさん入らないので、ちょうど求めていたものでした。
予想通り、ハムとチーズがとっても美味しかったです♪
最後はブレンドハーブティーでおしまい。ごちそうさまでした!
入国の準備
すっかり満腹、満足したあたりで、着陸準備開始。
日本着陸前には、いつも税関に提出する入国カードの記入がありますが、今回はそれだけに止まらず、特別対応のための書類がどっさり渡されました。
入国後の行動制限に関する誓約書など、これから管理局に提出するあれこれが含まれています。
前述の通り、詳細は別記事にて。
着陸!
7時35分、定刻より30分早く、羽田空港に着陸しました。
東京はあいにくの雨模様ですが、こうして無事に帰ってこられて何よりです。
半日間大変お世話になりました!
さあ、ここからは常にない、長い長い入国手続きの始まりです。
今回の経費
ご参考までに、今回のフライトでかかった費用は以下の通り。
ANAマイル 95,000マイル
諸税 46,550円
東京-フランクフルト-ミュンヘン往復(4区間)、全てビジネスクラスでのお値段です!
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最後に
ということで、今回はANA204便(フランクフルト-東京羽田)の、ビジネスクラス搭乗記をお届けしました。
ニュースで見聞きする限り、国際線では以前と全く違う雰囲気やサービスになっているのかなと思っていましたが、こうして実際に搭乗してみると、全く物々しい感じもなく、ほぼ従来通りで、ちょっと驚くくらいでした。
CAさんや操縦士さんをはじめ、空港やエアラインのスタッフさんたちは、色々と制約のある中でも、懸命に業務に当たっていらっしゃるんだなと、本当に頭が下がります。
頑張っている皆さんのためにも、1日も早く日常が戻ってきてほしいと願ってやみません。
コロナ禍での国際線搭乗記はこちら↓
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