貯めたマイルを使って交換出来るアイテムの中で一番人気といえば、なんといっても「特典航空券」。
使い勝手がよくお得感もありますので、愛用されている方は多いのではないでしょうか。
ただ、航空会社によっていつから予約できるのか?変更やキャンセルは可能なのか、などの規約が様々で、混乱してしまうことも多々。
こっちの航空会社ではOKなことも、あっちではNGなど、意外と違いがたくさんあるんですよね。
ということで、今回は日本を代表する2大エアライン、ANAとJALの国内線特典航空券について、比較しつつ解説したいと思います!
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ANA&JAL国内線特典航空券の条件比較一覧
まずは結論からまとめてみました!
ANA | JAL | |
運航ダイヤ期間ごとの一斉予約開始日 (夏・冬の年2回) |
予約開始日 | 搭乗日360日前の午前0時 |
搭乗前日 | 予約締切日 | 搭乗前日 |
|
先行予約対象者 |
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片道5,000マイル〜 | 最低必要マイル数 | 片道4,000マイル〜 |
あり | シーズン制 | なし |
なし | マイル変動制 (空席状況に応じて必要マイル数が異なる) |
あり (2024年7月11日発券分よりマイル数上限改訂予定) |
なし | 利用不可期間 | なし |
※事前の「特典利用者登録」が必要 |
特典航空券を利用できる人 |
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予約対象クラス |
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変更希望便出発日の前日かつ予約便の出発前まで可
(搭乗者およびマイル提供者の名義および区間、区間数の変更はNG) |
予約変更 |
× |
× | 当日の前倒し(*) (*空港で空席がある場合に、予約より前の同区間便に変更すること) |
× |
※全区間が未使用の場合のみ払戻可能 |
取り消し・払戻 |
※全区間が未使用の場合のみ払戻可能 |
トクたびマイル | 特典航空券のお得な活用方法 | どこかにマイル |
これを見ると、使い勝手にかなり差がありそうですね!
以下では、上記の各条件について、1つずつ詳しく見ていきます。
特典航空券の予約期間
では、まず特典航空券の予約期間から。
ANA | JAL |
運航ダイヤ期間ごとの一斉予約開始日〜搭乗前日 | 搭乗日360日前の0時〜搭乗前日 |
予約の締め切りは両社共通で「搭乗日の前日」までですが、予約が開始されるタイミングは異なります。
JALでは2023年12月に、搭乗330日前の9:30→360日前の0:00開始と、国際線と同時に。
これはシンプルでわかりやすいですね。
ANAの「一斉予約開始日」とは?
その一方、ちょっと把握しづらいのがANAです。
搭乗の何日前、とはっきり決まっているのではなく、具体的にどうなっているのかといいますと…
- 一斉予約開始日は年2回設定
- 夏ダイヤ(3月の最終日曜日~10月の最終日曜日の直前の土曜日)搭乗分→1月下旬頃受付開始予定
- 冬ダイヤ(10月の最終日曜日~翌年3月の最終日曜日の直前の土曜日搭乗分)→8月下旬頃受付開始予定
上記の通り、およそ半年に1回、搭乗期間開始の約2ヶ月前に開放されるイメージです。
スケジュールがちょっと複雑なので、ANAの特典航空券で先々の旅程を抑えたいという場合には、予約開始日をきちんと把握しておかなければなりません。
めぼしい連休を例に挙げるとこんな感じです。
・お盆期間 → 夏ダイヤに該当(毎年1月下旬予約開始)
・シルバーウィーク → 夏ダイヤに該当(毎年1月下旬予約開始)
・年末年始 → 冬ダイヤに該当(毎年8月下旬予約開始)
混雑期にANA特典航空券を利用したいと考えている方は、この時期要チェックです!
ANAとJALどっちが予約を取りやすい?
予約開始時期だけを見れば、JALの「搭乗日360日前」というのはかなり早いタイミング。
できるだけ早く予約を確定させたい場合には、JALの方が使い勝手がよさそうです。
ただしJALの特典航空券は、予約開始のタイミングが早いが故に、早々に枠が埋まってしまうことも多々あります。
例えば、搭乗日3ヶ月前に予約を取ろうとしても、時既に遅しの可能性も大。
その点、時期にもよりますが、数ヶ月前に予約を取る場合には、ANAの方が取りやすくなることもありそうです。
JALの予約に乗り遅れても、ANAであれば発券できる可能性がまだ残されているというわけです。
先行予約の対象者と開始日
続いては、先行予約についてです。
先行予約とは特定の会員だけに提供される特典で、通常の予約一斉開始日よりも早く予約を取ることができる制度。
どのような人たちが先行予約を利用できるのかというと、各社下記の通りとなっています。
ANA | JAL |
|
|
ANA・JALいずれも主に上級会員に先に席が開放されますが、ANAの方が比較的ゆるい条件ですね。
ANAの場合、ANAマイレージクラブ モバイルプラスに登録(月額324円または330円の有料プログラム)しているだけでも先行予約の対象になる一方、JALでは最上級ステータスであるダイヤモンドとJGCプレミアだけが先行予約の対象です。
残念なことに、JALのサファイア会員やJGC会員は先行予約の対象外となっています。
またANAとJALでは、先行予約で優遇される日数についても違いが。
ANA | JAL | ||
ステータス | 開始日時 | ステータス | 開始日時 |
|
2日前9:30 |
|
搭乗日の361日前の午後10時 |
|
2日前11:00 | ||
|
1日前13:00 |
JALの場合、先行予約の対象であれば一律2時間前から予約できるようになりますが、ANAの場合は、会員ランクによって優遇日数と開始時刻が異なります。
ANAは通常会員でも先行予約を利用できますが、最上級会員であるダイヤモンドメンバーが圧倒的有利です。
シーズン制
そしてこちらも大きな違いと言えるのが、シーズン制を採用しているかどうか。
ANA | JAL |
○(シーズン制あり) | ×(シーズン制なし) |
シーズン制とは、お客さんが多い時期と少ない時期で、必要マイル数を変えるというシステムです。
シーズン制が採用されている場合、閑散期には必要マイル数が少なくなるというメリットがある一方で、期混雑期には必要マイル数が多くなってしまうというデメリットがあります。
シーズン制はANAのみ導入
表中に記した通り、ANAではこのシステムが採用されています。
具体的には、L(ローシーズン) R(レギュラーシーズン) H(ハイシーズン)の3つに分けられ、さらに距離によって必要マイルが変動。
いつがどのシーズンになるのかは、年によって若干変わってきますが、大体いつも年末年始とお盆、3月の移動時期がハイシーズンで、お客さんが特に少ない1月のお正月明けや12月頭〜クリスマス前まで、4月のGW前がローシーズン、それ以外がレギュラーシーズンとされる傾向です。
(ANA公式サイトより)
混雑する時期はJAL、空いている時期はANAと使い分けられるとオトクですね!
特典利用資格者
ANA・JAL共に、特典航空券を使えるのは本人だけではありません。
2親等以内の家族にプレゼントすることができます。
ただ若干違うのが、ANAでは事前に「特典利用者登録」が必要となり、さらに最大10名までしか登録できないということ。
JALでは「会員と名字が異なる方のご利用にあたっては、会員との間柄を示す証明書類の提出をお願いする場合があります。」としか記載されていませんので、ANAの方がちょっぴり厳し目の規約と言えそうです。
ANA予約時はこのように、あらかじめ登録してある「特典利用者」から選択する方式。
一方のJALでは、自由に名前を打ち込むことができます。
予約対象クラス
ANAとJALでは、特典航空券で予約できるクラスにも違いがあります。
ANA | JAL |
普通席 ○ |
普通席 ○ |
クラスJ ○ |
|
プレミアムクラス × |
国内線ファーストクラス
○ |
ANAでは普通席のみ。一方のJALは普通席に加え、クラスJやファーストクラスもOKです。
JALの必要マイル数は変動しますが、目安としてクラスJの場合+1,000マイル〜、ファーストクラスは普通席×2倍程度のマイルが必要なようです。
予約変更の可否
一旦発券した航空券の予約を変更したい場合。
ANA | JAL |
変更希望便出発日の前日かつ予約便の出発前まで可
(搭乗者およびマイル提供者の名義および区間、区間数の変更はNG) |
×
(当日アップグレードはOK) |
ANAは割と寛容なままですが、ある時点からJALは一切不可となりました。
予約の変更をしたい時は、一旦キャンセルして取り直す必要があります。
JALでは出発当日、クラスJやファーストクラスにアップグレードするのはOKです。
当日の前倒し可否
「前倒し」とは、出発当日の空港で予約より前の同区間便に空席がある場合に便を変更することを指します。
こちらは両社共通です。
ANA | JAL |
× |
この規定はしょっちゅう運用が変更になってきた経緯がありますが、今の時点ではどちらもNG。
予定より早く仕事が終わった時など、早い便に変更したいということはままありますので、ここはちょっと残念です。
キャンセル・払戻
なお、キャンセル料金には以下のように差があります。
ANA | JAL |
|
|
JALの場合、4月12日以降搭乗分から払戻手数料が1,000円と大幅に減額!
元々の3,000マイル(6,000円相当)vs 3,100円段階でも、ANAはかなり割高に感じられましたが、一層その差が開きました。
マイルの価値は一般的に1マイル=2円と考えられています。
ただし前述の通り、ANAは予約変更OK、JALは一切不可ですので、そこを考えれば妥当とも言えるのかもしれません。
1人1つの予約番号あたり1回分の手数料がかかる
ちなみに払戻手数料は人数×1予約番号分が必要。
片道でも往復でも、予約番号が1つであれば1予約となります。
具体的にいくつかのケースで見てみますと、こんな感じ。
1つの予約番号に含まれる旅程 | ANA | JAL |
1人で東京→沖縄(片道) | 3,000マイル | 3,100円
(4月12日以降搭乗分は1,000円) |
1人で東京←→沖縄(往復) | 3,000マイル | 3,100円
(4月12日以降搭乗分は1,000円) |
家族4人で東京→沖縄(片道) | 12,000マイル | 12,400円
(4月12日以降搭乗分は4,000円) |
家族4人で東京←→沖縄(往復) | 12,000マイル | 12,400円
(4月12日以降搭乗分は4,000円) |
つい先日、我が家も片道発券した分をキャンセルしましたが、往復キャンセルする場合と手数料は変わらないので、仕方のないこととは言え、ちょっぴり損した気分になってしまいました…。
特典航空券のお得な活用方法
ANA・JALいずれも、通常より少ないマイルで特典航空券を発券できるシステムを用意しています。
ANAのトクたびマイル
ANAでは、週替わりで片道3,000マイルから利用可能な「トクたびマイル」を実施。
予約発券期間:毎週水曜日から翌週の火曜日
搭乗期間:毎週木曜日から翌週の水曜日まで※対象外期間
2025年1月2日(木)から1月8日(水)
2025年2月13日(木)から2月19日(水)
おそらく、お客さんの少ない路線を開放しているのだと思われますが、ちょうど行きたいところが対象に入っていたら、かなりラッキーです!
JALのどこかにマイル
JALでは往復7,000マイルで利用できる「どこかにマイル」というサービスを提供(片道発券は不可)。
こちらは、ランダムで表示される4つの候補地のうち、どこになるかはお楽しみという、ミステリーツアーっぽい企画です!
(復路は往路の出発日含め10日先まで。対象外期間あり)
実際に利用してみたことがありますが、お得なだけでなく、どこになるのかな?というドキドキ感も味わえて楽しかったです♪
最後に
ということで今回は、ANAとJALの国内線特典航空券についてまとめてみました!
- 予約開始日はANAが年2回の一斉予約開始日、JALが搭乗日の360日前
- ANAでは先行予約の対象が広い
- ANA特典航空券はシーズンによって必要マイル数が異なる
- JAL特典は空席状況によって必要マイル数が異なる
- JALでは普通席だけでなく、クラスJやファーストクラスも特典予約が可能
- ANAは予約変更OK、JALは不可
- JAL・ANAともに当日前倒しはNG
- キャンセル料金はANAがマイル、JALが現金
こうしてみると、意外とたくさん違いがあることがわかります。
行き先や時期などによって、ANAとJALを使い分けることが出来ればベターですね!
陸マイルを貯めて気軽に旅に出よう
航空会社のマイルは、飛行機搭乗やクレジットカード決済ではなく、ポイントサイトを使うことで大量に貯めることが出来ます。
我が家はこの方法で、お盆・正月は必ず家族全員で宮崎に帰省するほか、海外旅行にも毎年複数回出かけられるようになりました!
マイルを貯めて、気軽に旅行へ出かけましょう♪