今となっては、ANA SFCとJAL JGC(2019年度はJGP)と、日系2大航空会社のエリートメンバー資格を取得している私ですが、最初はANA SFCだけで十分だと思っていました。
その主な理由は、これまでANA一筋だったから。
帰省も旅行も、当然のようにANA&スターアライアンスを選択。JALに乗ったのは、ここ10数年で1、2回ほどしかありません。「滅多に乗らないJALの上級会員にまでなる必要はないでしょう」と思っていたのです。
そしてもちろん、ステータスを取るためには、当然お金もかかります。大金をかけて取ったとして、活かしきれないのなら意味のないものになってしまう…。
一人で2つの会社の上級ステータスを保持していても、体は一つしかないのですから、いざ飛行機に乗るという時、ANAとJAL両方に搭乗するというわけにはいきません。
しかし、色々な視点から検討した結果、SFCに続きJGCも取ることを決意!
今回は、そう考えるに至った経緯と、いつ・どこを目指して修行すべきかまでを詳しくご紹介したいと思います。
JGCを取得するメリット
まず、ANAのSFC修行についてはこちらの記事をご覧ください。
JALのJGC(JALグローバルクラブ)に入会すれば、ANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)と同様に上級会員の特典を受けることができます。
JGC修行については、こちらの記事に詳しくまとめていますので、ぜひご一読ください♪
しかし、すでにSFCを所有している場合、ANAを使えば済むことですし、普通に考えれば敢えてJGCを取得する必要性は無いようにも思えます。
ただ、陸マイラー視点で考えていくと、SFCとJGCの両方を取得するメリットも確かにあるのです。
ソラチカマイルの限界
ご存知の通り、ポイントサイトで貯めたポイントをソラチカカードを利用してANAマイルに交換する際には、いくつかの制約があります。
何と言っても、1月あたり18,000マイルまでしか交換できませんし、ポイントが最終的にマイルになるまで数ヶ月もかかります。つまり、ソラチカルートでANAマイルを貯めるには、それなりに時間がかかってしまうのです。
金銭的な効率だけを考えると、ANAマイルだけを貯めていく方がよいのですが、時間が有限であることを考えると、ANAとJAL並行してマイルを貯めていくのも別の意味で効率的です。
現在のところ、JALにはソラチカカードのような高い率でマイルにする恒常的な方法はなく、交換レートは50数%に留まりますが、キャンペーンを活用すれば、80%にすることもできます。
特典航空券利用の可能性を上げる
そしてJALマイルを貯めると、時間効率が上がる他にも良い点があります。
JGCの意義について決定的に考えが変わったのは、先日ANAでハワイ行き特典航空券を探した時のこと。
ANAのハワイ路線は激戦のため、ダイヤモンド会員であってもせいぜい2名分取るのがやっとで、しかも日程は直前の空きを探るしかなく、とても家族4人全員で行ける日は来そうにありません…。
今後子供達を海外旅行に連れて行くためには、2人ずつ2便に別れて搭乗するという選択肢も必要になってきそうです。
そのためにはANAだけでなく、JALの特典航空券を使うという手段も視野に入れておいた方がいいのでは、という結論に至りました。
逆に一人旅しかしない!という場合には、JGCとSFCのダブルステータスを活かし切るのはちょっと難しいのかも…。もちろん、修行過程の楽しみやステータスを持つ喜びは得られますので、全く否定するつもりはありません。
ワンワールド加盟航空会社を使えるようになる
ANAのマイルだけだと、特典航空券で海外に行こうにも、選択肢はスターアライアンス加盟航空会社の運行便に限られてしまいます。
スターアライアンス(28社)の方がワンワールド(15社)より加盟社数が多い分、運行地域も広いのですが、我が家の場合、直行便でないと絶対に嫌だ!という飛行機恐怖症の夫がいますので、例えばスペイン等、スターアライアンスメンバーが直行便を持っていない地域に行くのがかなり難しくなってしまうのです。
このため、スターアライアンスとワンワールドいずれも利用可能にしておきたいというのも、JALの上級会員を目指す大きな理由の一つ。
「それはわざわざJGCにならずとも出来るでしょう」という声も聞こえてきそうですが、我が家の場合は、SFC修行の過程で以下のような副次的効果もあったため、上級ステータスがなければ話が始まらないと言っても過言ではないのです。
- 妻である私が高い頻度で飛行機に乗り、そしてその様子をブログに綴ることで、夫の中で飛行機が身近なものに思えてきて、自身が搭乗する時も随分落ち着けるようになってきた。
- 飛行機の搭乗前後に使えるラウンジが楽しみになり、近くのすら嫌がっていた空港に進んで行けるようになった。
飛行機好きな人から見ると、いずれも笑ってしまいそうな理由かもしれませんが、子供の頃から続く本人の恐怖や嫌悪感は相当のものでした。結婚した当時、「私はもうこれで海外旅行なんて一生行けなくなるんだろうな…」と覚悟したほど。
その夫が、SFC修行後にはANAのテーマソングである「アナザースカイ」をBGMがわりにYoutubeで流すほどになったんですから、信じられないほど目覚ましい変化です。
ここ最近に至っては、機内で過ごす時間を短くしたいがために、あれほどVIP搭乗(最後の最後に搭乗する)にこだわっていたのに、なんと私と一緒に優先搭乗できるようになりました!
それもこれも、全てはANA SFC修行、そしてSFC特典のおかげ。
ということで、もしワンワールドも選択肢にするなら、JGCは不可欠というわけなのです。
他にも、世界最高峰との呼び声高いカタール航空のビジネスクラス、豪華絢爛なラウンジで有名なキャセイパシフィック航空等、一度は使ってみたい航空会社が入っているのも見過ごせません。
後日実際にカタール航空を利用した際、その素晴らしいサービスに大感激!!
今では好きな外資系エアラインのダントツトップとなりました。詳しくはこちらをどうぞ♪
座席と食事はANAよりJAL?
<JAL公式HPより引用>
ANA一筋うん10年で生きてきた私としては、なかなか複雑な心境なのですが、どうやらJALの方が座席や食事内容が良いとの噂もちらほら。
実際に先日、JAL国内線のファーストクラスを調べた時に感じたのは、運賃に対するサービス還元の高さ。機内食の量や質を始め、提供されるサービス全体的にANAを凌駕していました。
だから経営が傾くのでは?と言われるとそうなのかもしれませんが、当然お客としては運賃に相応する、またはそれ以上のサービスを受けられた方が嬉しいわけで。
ここに来て、むくむくと浮気心が芽生えてきてしまったのです。
実際に搭乗してみて、噂に偽りなし。機内食については全体的にJALに軍配が上がると実感しました!
JGC修行を決心!
JAL JGCを目指すメリットを整理してみた結果、JGC修行チャレンジを決めました!
ここまでなんだかんだ色々並べたててみましたが、結局のところ…
しかもそれが前回と違う航空会社なら、また違う楽しさが味わえそう♪
が一番大きな理由かもしれません(笑)
ということで、修行する時期や、JGC/JGP/ダイヤモンドのいずれを目標にするかを続けて考えていきましょう。
なぜ早めにJGC修行をする必要があるの?
まず修行時期について結論から言うと、ANA SFCを取った翌年早々に開始することにしました!
私の場合、ANA SFC修行後に計画変更。ダイヤモンド修行へ移行し、無事年内に最上級会員に到達。
2018年3月までダイヤモンド、そしてそれ以降は、半永久的にSFCステータスを使うことができます。
JGCの方はそう急がずともいいのではとも考えましたが、ANAから間をおかずにJGC修行を決行することにしたのは、以下の理由からです。
FOPプレゼントキャンペーンの存在
JALはANAに比べ、FOPプレゼントキャンペーンというものをちょこちょこ開催しています。
昨年も開催されていたこちらのキャンペーンが、今年も継続決定しました!
JALカード会員限定初回搭乗 FLY ON ポイントボーナスキャンペーン
キャンペーンの内容は、JALカード会員がキャンペーン期間中に初めて搭乗した際、5,000FOPボーナスを付けてくれるというもの。
5,000FOPと言ったら、クラスJで1回沖縄を往復する分くらい。
JGCに必要なFOPの1割が貯まるのですから、ANAでは考えられない大盤振る舞いですよね。
キャンペーンだけで5,000FOP獲得できるので、JGC(50,000FOP)までなら残り45,000FOP稼げばいいということになります。
SFC修行よりも沖縄往復が1回分減るとなると、かなり楽に解脱できそう。キャンペーンの恩恵を確実に受けたいのであれば、今年JGC修行を済ませておいた方がよさそうです。
お好きな1ヶ月間いつでもJALグループ国内線FLY ONポイント2倍キャンペーン
さらに今年の修行では関係ありませんが、前年度クリスタルステータスに到達していれば、翌年任意の1ヶ月間FOPが2倍になるキャンペーンも実施されています。
このキャンペーンが来年もあるかどうかはJALのみぞ知るところながら、あるという前提なら、これも早いうちに修行を始めるに越したことはありません。
修行僧の増加で航空券が取りにくくなるかも?
今年のSFC修行僧の爆発的増加を見るに、この波が今後JGC修行にも及ばないとも限りません。
もしそうなってしまうと、修行効率(FOP単価)のよい路線の航空券が取りにくくなるのは必至。修行に要する費用が高騰してしまう可能性があります。
現時点では、ANAの修行路線と比べると、JALの修行路線の方が予約しやすい状況です。このような状況を鑑みるに、JGC修行の認知度が低い今のうちにJGCを取得しておいた方がいいように思います。
一度取得してしまえば半永久的にステータスを維持できるというJGCの性質からしても、できるだけ早く取得した方がお得であることは間違いありません。
JGC or JGCプレミア or JALダイヤモンド?
ということで、早々にJGC修行をすることは決まったのですが、そこでまた新たな迷いが生じました。
修行の最終目標をどこにするのかという問題です。
ANAのSFC修行では、プラチナ&SFC(50,000PP)またはダイヤモンド(100,000PP)のどちらを狙うかだけ考えれば良い一方、JALの上級会員制度は少々事情が異なります。
ステータス種別 | 必要FOP (ANAはPP) |
備考 |
JMBサファイア | 50,000 | ANAプラチナと同等。 |
JGC | 50,000 | ANA SFCと同等。クレジットカード年会費を払うことを条件に、半永久的に上級会員として扱われる。JMBサファイア到達が申し込みの条件。 |
JGCプレミア | 80,000 | ANAにはない制度。JGCメンバーであることが前提。 |
JMBダイヤモンド | 100,000 | ANAダイヤモンドと同等。 |
表の通り、JALではANAに存在しないステータス、JGCプレミアがあるのです。
以前なら、50,000FOPに到達し、JGCになった時点で修行解脱する以外の選択肢はあり得なかったと思います。
が、ANA SFC→ANAのダイヤモンドへ目標を変え、実際に達成したところ、コスパ的にプラチナ&SFCよりも優れていると実感する機会も多くありました。
ということでJALについても、最高峰のステータスであるダイヤモンドまで視野に入れて検討してみたいと思います。
JAL修行に当たって、JGC、JGCプレミア、JMBダイヤのどこを目指すべきなのでしょうか。
得られる特典の違い
とりあえず、JGCを取得するのは必然ですよね。SFC同様、クレジットカード年会費を払い続けるだけで、半永久的に上級会員として扱われるのですから。
迷いどころはJGCプレミア、またはJMBダイヤモンドまで頑張るべきかどうか。
まずは、各ステータスで得られる特典の違いを調べてみました。
JGC | JGCプレミア | JMBダイヤモンド | |
優先搭乗 | 2番目 | 最優先(羽田-伊丹) | 最優先(羽田-伊丹) |
空席待ち | 種別A | 種別S | 種別S |
マイル有効期限廃止 | × | ○ | ○ |
専用デスク | JGC | ダイヤ・プレミア | ダイヤ・プレミア |
フライトボーナスマイル | 35% (※サファイアなら105%) |
105% | 130% |
ファーストクラスチェックイン | ○(国際線のみ) | ○ | ○ |
ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場 |
× | ○ | ○ |
ラウンジ |
サクララウンジ | ダイヤモンド・プレミア ラウンジ | ダイヤモンド・プレミア ラウンジ |
プライオリティバッゲージサービス |
優先 | 最優先 | 最優先 |
JAL ファストセキュリティレーン | ○ | ○ | ○ |
ワンワールドエリートステータス | サファイア | エメラルド | エメラルド |
ダイヤモンド特典航空券
特典席に空席がなくても、一般席に空きがある場合は、必要数の2倍のマイルを支払うことで利用可能となる |
× | × | ○ |
前方座席指定 | ○ | ○ | ○ |
国内線先行予約サービス |
× | ○ | ○ |
国内線特典航空券先行予約サービス 通常予約開始日より2週間早く特典航空券を予約できる |
× | ○ | ○ |
JALセレクション |
× | 30,000ポイント | 60,000ポイント |
JGCとJGCプレミアの違い
通常のJGC会員と比べると、JGCプレミアでは空港で受けられるサービスのランクが高くなります。
具体的には以下の通りです。
- 空席待ち種別が最高ランクの「S」になる
- ダイヤモンド・JGCプレミア専用エントランスの利用
- 国内線・国際線ファーストクラスチェックインカウンターの利用
- ダイアモンド・プレミアラウンジの利用
- 最初に優先搭乗できるようになる
また、航空券を手配する段階でも以下のような違いがあります。
- ダイアモンド・プレミア専用デスク利用可
- 国内線航空券先行予約サービス(2週間早く予約可)
さらに、マイルの有効期限がなくなるため、マイルの失効を気にせず貯めることができるようになります。
上記特典にどれくらいの価値を見いだせるかが、JGCプレミアを目指すかどうかを判断する材料となりそうです。
JGCからJGCプレミアになるためには
JGCに入会するだけであれば50,000FOPでよいのですが、JGCプレミアになるためには80,000FOP、つまり30,000FOPの上積みが必要です。
すると、FOP単価を8円とした仮定した場合、JGC解脱後さらに24万円の出費が発生することになります。
ただし、追加の30,000FOPを稼ぐためのフライトでは、フライトマイルが約30,000マイル(1マイル=2円換算で60,000円相当)貯まるので、その分は費用から差し引いて考えることができます。
また、JGCプレミアに到達すれば、JALセレクションで30,000e-JALポイント(30,000円相当)が貰えるため、その分も費用から差し引くことが可能です。
この結果、JGC解脱後にJGC解脱プレミアに到達するための実質的な費用は、24万-(6万+3万)=15万円と考えられます。
その他にも、飛行機に乗るための労力も必要となる訳ですが、飛行機好きであれば、フライト回数が増えるのは逆にメリットにもなるでしょう。
ということで、15万円の追加費用を支払うことで、多くの上質なサービスを受けることができるようになるのであれば、JGCプレミアには十分メリットがあるという結論に至りました。
JGCプレミアとJMBダイヤの違い
上述のようにJGCとJGCプレミアには大きな差がありましたが、JGCプレミアとJMBダイヤにはそこまでの差はありません。
明確な違いは以下の3点だけのようです。
- ボーナスマイル積算率に25%の差がある
- ダイヤモンド特典航空券の利用可否
- JALセレクション(ANAダイヤと異なり、選択できるのは1つだけ)に多少の差がある
ダイヤモンド独自の特典で注目すべきは、ダイヤモンド特典航空券です。
この制度を利用すれば、通常の2倍のマイルを支払うことで、空席さえあれば確実に特典航空券を発券できるようになります(現在は国内線のみ)。
JGCプレミアからJMBダイヤになるためには
JGCプレミアの条件は80,000FOP、JMBダイヤの条件は100,000FOPですから、ダイヤに到達するためにはさらに20,000FOPの上積みがです。
FOP単価を8円とした仮定した場合、JGCプレミア到達後さらに16万円の出費が発生することになります。
ただし、追加の20,000FOPを稼ぐためのフライトで、フライトマイルを約20,000マイル(40,000円相当)貯めることができるので、その分は費用から差し引いて考えることができます。
また、JALセレクションで貰えるe-JALポイントも60,000ポイントとなり、JGCプレミアと比べると30,000ポイント(30,000円相当)増えます。
この結果、JGCプレミア到達後にJMBダイヤモンドになるための実質的な費用は、16万-(4万+3万)=9万円となります。
ダイヤモンドという最高のステータスには心惹かれますが、JGCプレミアとJMBダイヤモンドでの差を考えると、9万円の出費は個人的には割高に感じてしまいますね。
結論
ということで個人的には、50,000FOPを貯めてJGCに入会した後も、JGCプレミアまでは積極的に狙っていきたいと考えています。
出費が増えるのは家計的に厳しいですが、JGCプレミアの費用対効果は高めですし、見合ったリターンが望めそうです。ただし、JMBダイヤについては現時点では保留。
特典だけで比較すればJGCプレミアで十分なので、新たなメリットが発見されたりしない限りは、JGCプレミアを最終目標とする予定です。
私が実際に組んだJGC(JGP)修行の旅程はこちら↓
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