ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)は、ロンドン・ヒースロー空港を本拠地とするイギリスの航空会社です。
ヨーロッパでは3位、世界でも9位の規模を誇る大手航空会社であり、1998年に発足したワンワールドの創立メンバーでもあります。
イギリスの航空会社といえば、もちろん最初に思いつくのがこのブリティッシュ・エアウェイズな訳ですが、世界随一のハブ空港であるロンドン・ヒースロー空港には、日系のANA・JAL始め、沢山の航空会社が乗り入れていますので、これまで利用する機会がありませんでした。
そんな中、ようやく搭乗のチャンスをゲット!しかもなんと、初フライトでファーストクラスに乗れることになりました!!
ブリティッシュエアウェイズのファーストクラス、一体どんな体験ができるのでしょうか?
今回は、ドーハ・ハマド国際空港を出発してから、ロンドン・ヒースロー空港に到着するまでの全てをご紹介します!
フライト情報
まず、今回のフライト情報はこちら。カタールのドーハ・ハマド国際空港から、イギリスはロンドン・ヒースロー空港まで向かいます。
便名 | BA122 |
区間 | ドーハ(ハマド)- ロンドン(ヒースロー) |
出発時刻 | 06:55 |
到着時刻 | 11:30 |
フライト時間 | 6時間35分 |
機材 | B787-9 |
ハマド国際空港ではアル・サファ ファーストラウンジを利用可能
一般的にどこの空港でも、ファーストクラス搭乗客には、自社または提携航空会社が展開する中で最高位のラウンジへのアクセス権が与えられます。
ここハマド国際空港の場合、ワンワールドのファーストクラス搭乗客なら、カタール航空のアル・サファ・ファーストラウンジを利用可能!
世界一素晴らしいラウンジとして名を馳せるその豪華さは必見です♪
搭乗口まではケーブルライナーで移動
さて、ラウンジでのんびり12時間ほど過ごした後、いよいよ搭乗口へ向かう頃合となりました。
これまで滞在していたアル・サファ・ファーストラウンジがあるのは、下のマップの赤丸で囲んだエリア。
そして、この日の搭乗口は上部左手・Dコンコースの一番奥「D2」と、かなりの距離がありました。
ハマド国際空港の広さをすっかり忘れて、ラウンジでギリギリまでくつろいでいたので、歩いていたら搭乗開始時刻に間に合うかどうか微妙なところ…。
けれど、心配は無用です!
ラウンジがあるエリアからコンコースD&Eまでは、190人乗り・無料のケーブルライナーが通っていて、770mの道のりをたった60秒で運んでくれるのです。
おかげさまで、ラウンジを出てから5分ほどで搭乗口前に到着しました!
これは楽ちんでいいですね♪
入口でもう一度セキュリティチェックを受け、待合室へ。室内はロンドンに向かう人でほとんど満席の状態でした。
搭乗開始が10分以上遅れるらしく、もうちょっとラウンジにいても良かったかも?
ちなみに、クラス毎に分けられた待合室や搭乗レーンなどはナシ。並んでいる人もいません。
どうなるのかな?と思っていたら、前触れなく「ファーストクラスとビジネスクラスのお客様はご搭乗ください」とのアナウンスが入りました。
イギリスは何となくカッチリしてるイメージがありましたが、意外と緩やかな感じなんですね。待っていた皆さんも特に混乱することなく、スムーズに搭乗開始です。
787−9ドリームライナーのための新型ファーストクラス
さて、今回搭乗するのは、こちらのボーイング787−9!
ブリティッシュ・エアウェイズの公式サイトには、ファーストクラスについて以下のように紹介されていました。
787-9ドリームライナーのために特別に設計された弊社のプレミアムキャビンは、通常は14席あるところを8席に抑えています。ファースト(First)キャビンのお座席には、最新の映画やテレビ番組をお楽しみいただける大型のパーソナルスクリーンや、新しいタッチスクリーンのハンドセット、メリディアンの最先端のノイズキャンセリングヘッドホンをご用意しております。
まさに「この機種のために作られた」というファーストクラスを体験できるなんてラッキー!通常よりも席数を少なくし、より快適性を向上させているとのことです。
実際のキャビンの様子はこちら!
1-2-1の配列が2列と、とてもコンパクトな印象です。
そこかしこにあしらわれた紋章やロゴが、英国らしい格調高さを演出しています!
すっきりとしたグレーとオフホワイトで統一されており、とってもスタイリッシュでモダンな雰囲気ですね。
ちなみに、この日のCAさんは全員男性!しかも皆お孫さんがいそうなお年の方々で、英国執事っぽい佇まいがとっても素敵でした♪
この日の座席は1A
記念すべき初めてのブリティッシュエアウェイズということで(?)、座席は1Aにしました!
ご覧の通り、座席の縦幅は大体窓3つ分。
ルフトハンザやANA等、これまで搭乗したことがあるファーストクラスシートは、どれも窓4つ分を占めていたように思いますので、パッと見た感じは結構こぢんまりした印象です。
座席幅はこんな感じでスマート。
可動式オットマン付き
前方には、可動式のオットマンが付いています。
元のポジションだと、ようやく足が届く程度の距離ですが…
手前いっぱいに引いた状態では、こうして踵を乗せることができます。
モニターは23インチ
個人用モニターは23インチ。十分な大きさですし、クリアで見やすい画面でした。
ヘッドフォンもオシャレ!
さすがファーストクラス、ヘッドフォンも特別仕様です。
キャビンの雰囲気に合わせたかのような、スリムでスタイリッシュなデザイン。BAのロゴがさりげなく入っています。
ノイズキャンセルもバッチリで、映画などをじっくりと楽しむことができました!
収納・コントローラー
そしてモニター横の扉を開けると、そこはハンガー付きのクローゼット。
高さはそれほどないので、コートやワンピースなどの丈が長い洋服をかけるのは難しいでしょう。あくまでジャケット用だと思われます。
座席の左手には収納と、リクライニングや照明のコントローラーが。
手元の収納は、500mlのペットボトルも収まる深さです。
中を覗いてみると、壁面に電源(ユニバーサル×1、USB×2)と、右側にはタッチパネル式コントローラーが設置されていました。
離着陸時は収納の蓋を閉めておかないといけないのですが、その間もコントローラーが使いやすいよう、こんな専用スタンドも用意されています。
置き場所が決まっていると、スッキリ気持ちよく使うことが出来ますね。
収納はこれだけではありません。窓側・顔の高さの位置にも、仕切り版のついたスペースが設けられています。
扉には鏡もついていますし、中は一眼レフが入る程度の奥行きもあって重宝しました。
そして、ちょっと変わっているのがこちらのコントローラー。
リクライニングと照明をこれ一台で管理可能です。
使い方としては、調整したい箇所のボタンを押して、中央のダイヤルを回すだけ。最初はちょっぴり戸惑いましたが、微妙な調整が出来るのがよかったです♪
シートはフルフラット
シートはもちろん180度フルフラットにすることができます。席に置いてあったブランケットを自分で敷いていると、CAさんがやってきて…
ふかふかの枕と掛け布団を足してくれました♪
ベッド全長は198cmと、男性でも問題なく寝そべることが出来るサイズ。
糊が効いた真っ白な掛け布団シーツと枕カバーは、高級ホテルでも採用されている400スレッドの生地ということで、程よい重みと滑らかさを感じられました。コットン製のリネンは、家のベッドで休んでいるかのような安心感を与えてくれますね。
テンパリー・ロンドンプロデュースのアメニティとパジャマ
長距離フライトの必需品であるアメニティポーチは、「Temperley London(テンパリー・ロンドン)」がデザインしたもの。
パッと目を引くエレガントな花柄が印象的なポーチです。
テンパリー・ロンドンは、アリス・テンパリー氏によって2000年に創業されたアパレルブランド。
日本ではまだそれほど知名度はありませんが、ウィキペディアによると「英製ラルフ・ローレン」とも称され、その贅沢な生地と手仕上げで評判になったとのこと。あのキャサリン妃もご愛用のブランドなのだそうです。
ポーチの中には、歯ブラシや耳栓、手鏡に…
ボールペン、ソックス、アイマスク。
ちなみにこのアイマスク、裏がフカフカの起毛&顔半分をしっかり覆ってくれる大判仕様なのがすっかり気に入ってしまい、機内に引き続き自宅でも愛用中です♪
そして、さすがはブリティッシュ・エアウェイズ!英国の高級スキンケアブランド・エレミスのコスメキットがギッシリ詰め込まれていました!
左から、アイクリーム、デオドラント、ハンドクリーム、フェイシャルミスト、リップバーム、美容液。特にグリーンのラベルは「ウルトラスマート・プロコラジェン」という、かなり評判がいいシリーズなのだそうです。
拭き取り化粧水が入っているのも、気軽に顔を洗えない機内では嬉しいサービスですね♡
このエレミスは、ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスラウンジで本格スパを提供していることでも有名。そちらもしっかり体験してきましたので、また後日ご紹介いたします!
そして、スリッパとラウンジウェア(パジャマ)も、テンパリー・ロンドンがデザインしたもの。
パジャマは、CAさんがサイズを確認して持ってきてくれます。聞けば、男女別に用意があるとのこと。ファーストクラスでパジャマをプレゼントしてくれる航空会社はたくさんありますが、大抵はユニセックス仕様なので、これは嬉しいですね♪
ちなみに、これまで搭乗した中では、ルフトハンザのファーストクラスも同様に男女別でした。
海外のアパレルサイズは日本と比べると総じて大き目なので、今回もSを選択。身長が172cmあるため、袖丈・着丈はちょっと足りませんでしたが、上半身が貧相な身としてはSで正解だったと思います(笑)
開けてみると、襟元がサテン調になっていて、形も可愛い♡
女性用だからと単純にサイズを小さくするのではなく、デザイン性も高いのはかなり嬉しいポイントです(男性用は帰国便の搭乗記でご紹介しますが、もっとシンプルなデザインでした)!テンパリー・ロンドンのデザイナーであるアリスさんが女性であることも影響しているのかもしれませんね。
そしてデザイン性といえば、スリッパもさりげなく凝ってました。ちょっとぽってりした靴を履いているみたいで可愛かったです♪
ウェルカムドリンク
さて、ひとしきりシートと備品の確認が済んだ頃、ウェルカムドリンクのシャンパンが届きました♪
今回の旅では、パリからドーハ経由でロンドンへ、という変則的な乗り継ぎ方法だったり、ワンワールドのファーストクラスチケットだとアル・サファ ファーストラウンジに入れないかもしれない!?等々の心配事があったので、人一倍小心者としましては、なかなか心からお酒を楽しむことが出来ませんでした。
けれど、そのどちらも問題なく済んだ今、こうして頂くシャンパンは本当に美味しかったです!!
半日過ごしたドーハ国際空港ともこれでしばらくお別れ。また来年来まーす!
ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラス機内食
離陸後しばらくして飛行が安定すると、さっそく機内食がスタートします。
122便は早朝出発する便なので、メニューは朝食を中心とした構成となっていました。
フード | 朝食 |
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スナック |
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アフタヌーンティー |
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ドリンク | 紅茶(トワイニング) |
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コーヒー |
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ノンアルコール |
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シャンパン&スパークリングワイン |
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白ワイン |
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赤ウィン |
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デザートワイン |
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バー |
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以下、7時間のフライト中、実際に頂いたものをまとめてご紹介します♪
朝食はイギリス式に
せっかくのブリティッシュ・エアウェイズですので、最初はイギリス風に参りましょう!
まずは紅茶メニューから、イングリッシュブレックファーストをお願いしました。
公式サイトによれば、機内食は「英国の最高級のデザイナーであるウィリアム・エドワーズ、スタジオ・ウィリアム、ダーティントンによって特別にデザインされた食器やカトラリー、ガラス製品で提供」とのこと。
どこか日本の美意識にも通じる、清楚で美しいティーセットですね。
しばらくして、メインの朝食「ミックスグリル」が届けられました!
その内容は、まさしくイギリスの伝統的なフルブレックファースト。
オムレツ、ビーフステーキ、チキンソーセージ、ポテトケーキ、グリルドトマト、マッシュルームソテーを一皿で楽しむことができます。
味の方はちょっと塩気が足りず、全体的に少々パサッとはしていましたが、一番大事なのは気分です。久しぶりのイギリスの朝ごはんを堪能出来ました!
アフタヌーンティー
せっかくのファーストクラスですから、朝食の他にも色々と食べてみたいと思っていたのですが、実は搭乗前にアル・サファ・ファーストラウンジでも朝食を取っていたので、お昼になってもそれほどお腹が空かず…。
結局、軽くアフタヌーンティーを頂くだけとなりました(無念)。
甘いものが食べたい気分でしたので、オーダーしたのはアプリコットフィナンシェとストロベリージェノワーズ。
両方とも直径5cm程度の可愛らしい大きさでしたが、いかにも外国のお菓子そのものなガツンとくる甘さ!これは紅茶よりも、濃いめのブラックコーヒーで頂くのが良さそうですね。甘党の方でも、一個で十分満足できるのではないでしょうか。
何はともあれ、お腹いっぱい!ご馳走様でした!
ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラス機内食は、時間帯も影響したのでしょうが、全体的に軽めなラインナップ。中距離路線ということもあるのでしょうね。
ロンドンから東京までの長距離路線では、また印象が変わりましたので、詳しくはこちらのレポートをどうぞ♪
ロンドン・ヒースロー空港に到着
機内食や映画を楽しみつつ、くつろぐこと約7時間。飛行機はロンドン・ヒースロー空港に無事着陸しました!
到着したターミナル5に駐機していたのは、全てBAの機体。イギリスに来たことを実感させてくれますね。
ターミナルまではバスケアとなりました。
最初に出るバスは、ファーストクラス・ビジネスクラス専用です。
ファーストクラス後方のドアから降機するため、ビジネスクラスの搭乗客が先にバスに乗車することになりますが、全員が乗ってもまだバスには空席が目立ちました。
飛行機を降りてから入国審査場までは5分ほど。
もともとファーストクラスなら優先レーンを利用できますが、今年から日本のパスポート所持者はe-Gateを通れるようになり、グッと便利に!
待ち時間はほぼ0、審査官と対峙することもなく、あっという間にイギリス入国が完了しました!
とにかく待ち長いことで有名だったヒースロー空港で、こんなに簡単に入国できる日が来るなんて、素晴らしすぎますね♪
振り返ってみると、パリからわざわざドーハを経由してのロンドン着と、かなり遠回りにはなりましたが、ブリティッシュ・エアウェイズファーストクラスのおかげで、ドーハの素晴らしいアル・サファラウンジも体験できましたし、快適なキャビンも堪能できましたし、思い出に残る旅となりました!
最後に
ということで、今回はブリティッシュエアウェイズのファーストクラスについて、ドーハからロンドンまでの旅行記形式で詳しくご紹介しました。
私はこれまでに、いくつかの航空会社のファーストクラスに乗る機会がありました(↓搭乗記へのリンク)。
・ANA(全日空)旧ファーストクラス 新ファーストクラス「THE Suite」
・JAL(日本航空)
・タイ国際航空
・ルフトハンザドイツ航空
・エミレーツ航空
それらと比べると、ブリッティシュエアウェイズのファーストクラスは、シート・フードサービスいずれも若干カジュアルと言いますか、「これぞファーストクラス!」というよりは、「ビジネスクラス+αかな?」という印象を受けました。
ただ、伝統を感じさせつつモダンで清潔感のある内装や、女性に嬉しいコスメキットの充実・デザイン性が高いパジャマは大きな魅力です。
そして、ハブであるヒースロー空港では、自社便のファーストクラス搭乗客専用の特別なメニューも用意されています。こちらも是非ご覧ください!
ワンワールド特典ファーストクラス航空券での旅の記録
今回の旅の記録はこちらをどうぞ!
その他の搭乗記
これまでの搭乗記はこちらでまとめています(リンク集)
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