ドイツが誇るフラッグキャリア「ルフトハンザドイツ航空」。
堅実、質実剛健なイメージの航空会社ですが、ファーストクラスで提供しているサービスはとっても豪華でこまやか。
今回、運よく特典航空券を使って、フランクフルト発・ニューヨーク行きのファーストクラスに搭乗することができましたので、その素晴らしさを余すところなくご紹介したいと思います!
目次
フライト情報
今回搭乗する便の詳細は、下記の通りです。
便名:LH404
区間:フランクフルト(FRA)→ニューヨーク ジョンエフケネディ空港(JFK)
使用機材:B747-8
出発時刻:17時10分
到着時刻:19時55分
飛行時間:8時間45分
ファーストクラスターミナルからは専用車で機側へ
ファーストクラス搭乗者へのサービスは、空港滞在中から徹底しています。
世界一ラグジュアリーと言われるエアライン直営ラウンジの一つ、ルフトハンザファーストクラスターミナルでは、搭乗手続きや出国手続きはもちろんのこと、おいしい食事に優雅なお風呂まであり、文字通り、下にも置かないもてなしを受けることができます。
これまで、いろいろなラウンジを訪れてきましたが、評判に違わぬ抜きんでた素晴らしさで、まさしく珠玉のラウンジといった具合でした。
夢のような時間を過ごした後は、ニューヨーク行きの飛行機に搭乗です。
ラウンジから飛行機までは、専用車で送ってもらえるとのこと。
人数が少なければ、上の写真のような、ベンツのセダンやポルシェ・カイエンに乗れるらしいのですが、この日のファーストクラスは満席。ということで、あいにくバンに相乗りとなりました。
ちょっと残念な気もしましたが、ギリギリまでゆっくりした上に、飛行機のそばまで送ってもらえるのは、ありがたいことですね。
降車した後は、従業員用の通路を通って飛行機へ向かいます。
エレベーターで2階へ。
エコノミーやビジネスクラスの搭乗客は見当たりません。ほぼ搭乗完了しているようです。
搭乗口をくぐることなく、直接ブリッジから飛行機へ。
いよいよ、ルフトハンザ最新機材「B747-8」のファーストクラスに搭乗です!
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ルフトハンザB747-8 シートマップ
このB747-8という機材は、2階建ての飛行機です。ファーストクラスがあるのは、1階のメインデッキ。
ちなみに2階、アッパーデッキは、コックピットとビジネスクラスのスペースとなっています。
全364席のうち、ファーストクラスはたった8席。1席あたり、窓4つ分を使用しています。なんとも贅沢ですね。
ファーストクラス後方から前方を見ると、こんな感じ。
まだ新しいだけあって、当然劣化もほとんど見られず、モダンで明るい雰囲気です。
ファーストクラスのシートとアメニティ
座席は最前方左手、1Aにしました!
席に着くや、男性のチーフパーサーさんが挨拶に見えました。
とても優しい雰囲気の紳士的な方で、「ドイツ語はどこで勉強したんですか?ドイツ文学科?偶然ですね、私もそうなんですよ」とにこやかに会話して下さり、緊張を和らげてくれました(もはや大分忘れてしまって、日常会話がやっとなので、専門的なことを聞かれなくて安堵…)。
ルフトハンザは、どのCAさんもフレンドリーかつ和やかな雰囲気なのが素敵ですね。たまたま運が良かったのか、それともそういう企業カラーなのでしょうか。
ニューヨークまでの8時間45分、快適なフライトになる予感がします。
シート周りの機能
それでは、さっそくシート周りをご紹介しましょう。
前方に飾られているバラは造花ではなく、本物です。無機質になりがちな機内に潤いを与えてくれますね。
窓側には大きな収納と、ペットボトルホルダー。
ヘッドフォンはBOSE製、ノイズキャンセラー付きのものです。
左の肘掛の中にはリモコン。
右はリクライニングのボタンが収まっていました。
肘掛の下部分には、USB用とユニバーサル型の電源が全部で4つ。マガジンラックも付いています。
シートの向かい側には中に物を収納できるオットマンがありますが、遠すぎてとても足が届きません。
なお、スーツケースを仕舞う場所はないため、ファーストクラス出口付近のロッカーに入れてもらいました。
パジャマは持ち帰り可能
席には、あらかじめアメニティポーチとスリッパが用意されており、CAさんが追ってパジャマを持ってきてくれます。
ルフトハンザのパジャマは男女別にサイズが用意されていて、私が受け取ったのは上がS、下がMでした。
いつの間にか、薄っぺらい上半身と下半身太りをチェックされたのかと思うと、ちょっぴり辛いものがありますね(笑)。
中身はこんな感じでシンプル。
タイ国際航空と同様、パジャマ含めて全て持ち帰り可能です。
アメニティポーチ
ファーストクラスでは、時期や路線によって、ルフトハンザロゴの入ったリモワ製スーツケース型ポーチが提供されることもあるのですが、今回のアメニティは19世紀にドイツで創業したブランド「Braun Büffel(ブラウンビュッフェル)」のものでした。
せっかくこのフランクフルト出発間際に、空港内のワールドショップでルフトハンザモデルのリモワを購入したので、いずれ是非、ミニバージョンも手に入れて、お揃いで使ってみたいものです。
ポーチは女性用と男性用がありました。
同梱されていたカタログを見ると、2種類掲載されていますので、おそらく男性用は、上に持ち手がない方のポーチなのでしょう。
女性用ポーチの中身はというと…
靴磨き、耳栓、ヘアブラシ、靴下+アイマスク、歯ブラシセットと、
スイスの高級化粧品メーカー「la prairie(ラ・プレリー)」のリップバーム、フェイスクリーム(アイスクリスタルクリーム)、ハンドクリームからなる3点セットが入っていました。
量は各5mlとほんの少しですが、例えば顔用のアイスクリスタルクリームの販売価格は50mlでなんと36,100円!単純計算で、一個3,610円もするわけですね。
今回の世界一周旅行では、タイ国際航空、ANA、ルフトハンザのファーストクラスに搭乗しましたが、ルフトハンザのアメニティが最も高級品でした。
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ウェルカムドリンクはシャンパン
身支度を整え終わった頃に、CAさんがシャンパンを勧めにきてくれました。
銘柄は、英国王室御用達の「ローランペリエ グラン・シエクル」!
750mlで2万円ほどの高級シャンパンです。我ながら、猫に小判感が半端なかったのですが、美味しく頂戴しました。
とてもフレンドリーなCAさんで、「ボトルのラベル撮る?あなたの写真も撮ってあげるわ!」と、こちらから何もお願いせずとも積極的に協力してくれました(笑)
そういえば、ファーストクラスターミナルでも、高級なロゼシャンパンを頂いたばかり。ルフトハンザではお酒にも手を抜かないようです。
温かいナッツ付き。やはりちゃんとしたグラスに入れてもらえると、ありがたみも増しますね。
離陸!
出発前の優雅な時間も、そろそろおしまい。いよいよニューヨークに向けて出発です!
滑走中、ふと反対側の窓を見ると、駐機しているANA機の姿を発見しました。
日本を離れて2週間以上。まるで、家族に再会したかのような懐かしさを覚えました。
飛行機は無事離陸し、順調に高度を上げていきます。15分ほど経って、そういえば最後にドイツの風景を見納めておくか、と、ふと真下を見てみると…
偶然にも、10数年前に私がドイツで最初に暮らした町、そして1年前にも訪れた、コブレンツの真上でした!住んでいた家のあたりまでよく見えます。
今回の旅行中、ドイツではトランジットだけで、ほとんど空港外に出られませんでしたが、最後の最後に、旧い友達に見送ってもらったような気がして嬉しかったです。
また近いうちに、きっと戻ってこられますように!
ルフトハンザ ファーストクラスの機内食
水平飛行になると、さっそく機内食の準備が始まりました。
バラの花片が沿えられたおしぼり。優雅ですね~。
メニューは英語とドイツ語、フランス語のみでした。
コース内容を簡単に解説しますと、以下の通りです。
前菜
●キャビア 伝統的付け合せと共に
●鮭とオヒョウのモザイクポン酢和え わさび・生姜
●牛肉のタルタル
●トマトとパンのサラダ パルミジャーノ・レッジャーノ
●ミックスリーフサラダ バルサミコドレッシングまたはヨーグルトレモンドレッシング
スープ
●メロンとキュウリのスープ スモークサーモン、クリームチーズ
メイン
●オヒョウのフライ、白トマトソース 蒸煮したフェンネルとバジル風味大麦サラダ
●仔牛肉とコールラビの蒸し煮、セロリ&パセリピューレ
●肥育鳥のフライ、レッドカレーソース 中華風揚げ野菜とジャスミンライス添え
●スパゲッティ・カルボナーラ
デザート
●チーズ盛り合わせ
●レモンタルト
●クヴァルクのクヌーデル
どれも美味しそうですね。
それにしても、ファーストクラスで「ポン酢」を目にしようとは。日本食の普及ぶりが見て取れます。ちなみに表記はそのまま「Ponzu」でした。
アミューズはムース
まずはアミューズから。こちらはなぜかメニューには掲載されていません。
蟹のほぐし身がたっぷり乗ったチーズのムースに、夏らしくスイカの角切りが添えられています。
甘じょっぱくて爽やかで、個人的に好きな味!
ルフトハンザの機内食は、それほど評判が良くないようですが、なかなかどうして繊細で美味しいではないですか。これからのメニューにも期待が持てます。
キャビア:伝統的付け合せと共に
お次はキャビア。
これまでの少ない経験の中では、そんなに好きでもなく、ファーストクラスに乗ったからには食べておくべきか…くらいで「味見程度にちょっとだけ下さい!」とお願いしたのですが、これが意外と(失礼)美味しくてびっくりしました。
今まで食べて来たものは、きっと別物だったのですね…。
「伝統的な付け合せ」には、マヨネーズ、ゆで卵を白・黄に分けて細かく刻んだもの、玉ねぎのみじん切り、そしてレモン。
これ以上ないほどピッタリな食べ合わせで、キャビアとはこうやって食べるものなのかと勉強になりました。
そして、魚卵と白ワインは合いませんが、キャビアとシャンパンの相性はいいんですね。これも発見でした。
牛肉のタルタル
続いて、また前菜メニューから牛肉のタルタルをチョイス。日本では生肉を食べる機会も減ったので、ここぞとばかりに注文です。
BBQ風味のタルタルに、ケッパーとミニトマト、グリルしたネクタリンをトッピング。
こちらはちょっと薄味でしたが、それが却って素材の味を引き立てていて美味。量もちょうどよかったです。
パン
お次はパン。CAさんが色んな種類のパンを入れたバスケットを見せてくれて、その中から選ぶ形式です。
ドイツのパンはどれも美味しいので迷いますが、地上滞在中にありつけなかったプレッツェルをお願いしました。
これを食べずしてドイツを後には出来ません。なんとも言えない香ばしい風味と塩気に、ビールも進みます。
短距離路線ビジネスクラスで提供されていたビールは、初めて見る銘柄でしたが、このニューヨーク路線では日本でもお馴染みになりつつあるエルディンガーのヴァイスビア。間違いない美味しさです。
そういえば、詳しくはよくわかりませんが、以前ドイツ人のシェアメイトに「ワインの後にビールを飲むのはよくない。ワイン飲んだらもう戻っちゃダメ!」と言われていたのをすっかり忘れて、シャンパンの後にビールを注文してしまいました。
もしかして、CAさんにも変に思われたでしょうか…。シャンパンならセーフ、だといいのですが。まあ、旅の恥はかき捨てということで。
メインはお魚
ヨーロッパ滞在中、お肉ばかり食べていたので、メインはお魚にしました。
素材は「オヒョウ」という、カレイに似た大型魚。日本ではそれほどメジャーではないものの、イギリスではフィッシュ・アンド・チップスとしてよく食べられています。
上に乗っているのはグリルしたフェンネルで、添えられているのはバジル風味の大麦サラダ。かかっているのは白いトマトで作ったソースなのだそう。珍しいですね。
こちらも塩気と旨味がちょうどよく、とっても美味しかったです!
今回の旅行では、ルフトハンザ便に計4回乗りましたが、どの機内食も美味しくて驚き。かなり気に入ってしまいました。
しかし、この後はデザートで締めよう!というつもりでいたものの、お腹いっぱいで断念…。
つい3時間前にファーストクラスターミナルでステーキを食べていたため、これが限界でした。こういう時、いつも思いますが、たくさん食べられる人が羨ましい限りです。
いつでも注文可能なメニューも有り
ちなみに、このコース料理とは別に、いつでも注文できるメニューもあります。
私が搭乗した時は、こんな感じでした。
●ホットクラブサンドイッチ(ポテトチップス付き)
●スープ(トムカーガイ)
●ミックスサラダ
●デザート(バニラアイス・ミックスベリー・フルーツ盛り合わせ)
しっかりコース料理を頂いたので、結局降機するまで何も食べずに終わってしまいましたが、今思えば、お寿司には挑戦しておくべきだったかもしれません。
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ドリンクコーナー
ちょうど真ん中あたりにはドリンクコーナーもあり、自由に利用することができるようになっていました。
とはいえ、CAさんがいつも足りないものはないかと気を配ってくれていたので、利用する機会はありませんでした。
ベッドメイキング
お腹もいっぱいになったことですし、ちょっと横になるとしましょう。CAさんがベッドメイキングをしてくれます。
待つこと数分。全長約2mのベッドが完成しました。
ミネラルウォーターのボトルも頂きました。
さっそくホルダーにセット!
寝ながらでも取りやすい位置なので、意外と重宝します。
窓は二重のシェードが付いていて、ボタン一つで操作可能。まずは薄いシェードが降りてきて…
その後、より遮光性の高いシェードが下がります。
これで安眠出来る…かと思いきや、お隣の男性がずっとビデオを見ながら爆笑されていたため、寝付くことが出来ませんでした。
ファーストクラスとはいえ、公共交通機関ですから、まあそういうこともありますね。
仕方がないので眠ることは諦め、映画を見ることに。ありがたいことに、日本語メニューもあります。
チア☆ダンを観て過ごしました。青春ですね。面白かったです。
こんなに長い時間、日本語を聞いたのは久しぶりだったこともあって、おかげさまで癒やされました。
お手洗い
ところで、B747-8ファーストクラスのお手洗いはどうなっているのでしょうか。ちょっと覗いてみましょう。
すべてを写真に収めることができませんでしたが、窓もあって明るく、結構広め。上の写真、左下にちらっと写っているクリーム色の部分が便座の蓋です。
外国には珍しく、便座クリーナーも備え付けられていました。
トイレットペーパーも心なしか高級感があります。
洗面ボウルそばには、紙コップとマウスウォッシュも完備。
引き出しを開けてみると、男性用と女性用それぞれにたっぷりとアメニティが用意されていました。
女性用には、メイク落としとヘアブラシ、エビアンの化粧水、お手拭き。
このお手拭きはつい先日、こぼれたコーヒーのシミをあっという間に落としてくれたのと同じものです。
機内は乾燥しますから、持ち運びしやすい大きさの化粧水がもらえるのもうれしいですね。
男性用にはこちら。
メイク落としの代わりに、髭剃りセットが入っていました。
トイレのアメニティもかなりの充実度です。やはり断トツの質と品ぞろえだと感じました。
ニューヨーク到着!
出発からおよそ8時間半。ニューヨークの上空までやって来ました。
アメリカに来るのは確か4度目ですが、ニューヨークは初めてです。国土が広い分、街によって景観が全く違いますね。
無事に着陸すると、モニター画面も「ようこそニューヨークへ!」に変化。
「あと数分でスポットに入ります。ご搭乗ありがとうございました云々…」とのアナウンスも入りました。ファーストクラスは快適すぎてあっという間。去るのが惜しいですね。
…と思いきや。
混雑のため、あと数分がいつの間にか数十分に、そして1時間が経過。
この飛行機が入るスポットに停まっている飛行機が動けないために、滑走路でかなりの時間待つことになってしまいました。
結局降機出来たのは、着陸から1時間10分後。
待ち長くもありましたが、その分ファーストクラスを長く体験できたのはラッキーだったのかもしれません。
これで本当にルフトハンザファーストクラスでの時間はおしまい!とっても素晴らしいスタッフさんとサービスに、大満足の9時間半でした。
今回の世界一周で、4回ファーストクラスに乗った結果、コスパを考えればビジネスクラスで十分かなと思いましたが、もし叶うなら、ルフトハンザのファーストクラスにはもう一度乗ってみたいですね。
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