飛行機に搭乗する際、出発までの時間をくつろいで過ごすことができる空港ラウンジ。
最近はテレビ番組で特集を組まれることも増えてきているため、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
特に、ファーストクラス搭乗客専用の国際線ラウンジは、フルコース仕立ての食事や高級シャンパンなどが全て無料で振る舞われる贅沢な空間ですが、中でも一際豪華なラウンジの1つが、今回ご紹介する「ザ・プライベートルーム/The Private Room」!
ザ・プライベート・ルームは、2022年5月に大規模改修工事が終わり、大変美しく、より優雅な空間に生まれ変わったばかり。
先日運良く、オープンほやほやのタイミングでお邪魔することができましたので、最新・最高級のラウンジの全貌をご紹介したいと思います!
ラグジュアリー感溢れるラウンジの様子を、ぜひ最後までご覧ください♪
ザ・プライベートルームとは
ザ・プライベート・ルームは、シンガポール航空が運営するラウンジの1つ。
その中でも最も利用条件が厳しく、選ばれた人だけが利用できる豪華絢爛な空間です。
ご参考までに、ラウンジ一覧と搭乗クラス/ステータスに応じた入室可否は以下の通り。
ザ・プライベートルーム | シルバークリスラウンジ・ファースト | シルバークリスラウンジ | クリスフライヤーゴールドラウンジ | |
ファースト/スイート | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ビジネスクラス | × | × | ◯ | ◯ |
スターアライアンスゴールド | × | × | × | ◯ |
4種類設けられているラウンジの中でも最高峰ということで、その設備やサービスも他とは一線を画すものとなっています。
ザ・プライベート・ルームへのアクセス
続いてラウンジへのアクセス方法です。
ザ・プライベート・ルーム(以下プライベートルーム)は、ターミナル3のゲートA側3階、自社便ビジネスクラス搭乗客専用のシルバークリスラウンジに併設されています(下図、ピンクの丸で囲んだところ)。
ターミナル3の2階、搭乗待合室内をゲートA側に進むと、鮮やかなバティックフラワーがあしらわれたサインに行き当たりました。
このシンガポール航空のロゴを見ながらエスカレーターで上がったところが…
シルバークリスラウンジの入口です!
右手がビジネスクラスラウンジ、左手がファーストクラスラウンジとプライベートルームへと続く通路となっていました。
ザ・プライベート・ルームの利用条件
ザ・プライベートルームの具体的な利用条件はこちら。
シンガポール航空が運行するファーストクラス・スイートクラスに搭乗する本人のみ
※プライベートルームにゲストを同伴することはできません。同行者がいる場合は、ファーストクラスラウンジを利用することになります。
シルバークリスラウンジ・ファーストは、他社(例えば、ANAなどスターアライアンス加盟の航空会社)のファーストクラス搭乗客でも利用できますが、ザ・プライベートルームは、自社便のファーストクラスに搭乗する人しか入室が許されていません。
同じような条件のラウンジとして、ルフトハンザシンガポール航空のファーストクラスターミナルやブリティッシュエアウェイズのコンコルドルームなどが挙げられますが、ザ・プライベート・ルームは、本拠地であるシンガポール・チャンギ空港に”たった一つだけ”ということで、希少価値は一層高まります。
利用条件を満たすのは簡単ではないものの、一生に一度は訪れてみたいラウンジの1つではないでしょうか。
今回は、シンガポール航空最上クラス「Suite/スイート」に搭乗して利用条件を満たしました!
ファースト/スイートからの乗り継ぎでも利用可能
私は今回、インド・デリーからシンガポールがスイートクラス、シンガポールから成田までビジネスクラスに搭乗することになっていました。
つまり、これから乗る飛行機はビジネスクラスということで、当然シルバークリスラウンジを利用することになるのだろうと思っていたところ、チェックイン時に案内されたのは「ザ・プライベートルーム」。
まさかのサプライズに大感激でした!(後から確認したところ、規約にもしっかり※シンガポール航空のフライトでシンガポールに到着したスイートクラスおよびファーストクラス搭乗者も入室可と明記されていました。)
ちなみに、往路乗り継ぎ時に立ち寄った時には、まだプライベートルームは工事の真っ只中。
この時も利用条件は満たしていたものの、シルバークリスラウンジ内に設けられたファーストクラス専用エリアを使用することになりまして…。
その後、なかなかリニューアルオープン日がアナウンスされず、きっと帰国した後にオープンするんだろうなと諦めていたところだったので、予想外のニュースに喜びもひとしおでした!
ザ・プライベート・ルームの全貌
それでは、さっそくプライベートルームの中に入ってみましょう。
すぐにはラウンジ内を見通せない作りが、一際期待感を高めてくれますね。
さあ、こちらがザ・プライベート・ルームです!!
「シルバークリスラウンジ内で最も上質な空間」の名にふさわしく、ロビーの天井にはラリック(LALIQUE)製の美しいシャンデリアがあしらわれ、ゲストを温かく迎えてくれます。
最大収容人数は78名ということで、それほど広くはありませんが、どこを見ても美しく高級感溢れる空間です。
ラウンジエリア
ロビーから奥へ向かって3分の2ほどがシーティングエリアとなっています。
曲線的なデザインが随所に取り入れられ、とってもエレガントな雰囲気です。
海を思わせるブルーと、こっくりしたブラウンの組み合わせはモダンで上品!
いろいろな体裁のソファが、ゆったりと間隔をあけて並んでいます。
一人がけはもちろんのこと…
ファミリーでくつろげそうな座席も設けられており、どこに座っても居心地良く過ごせそうです。
よりプライベート感を大事にしたい方には、ガラス戸で仕切られた小部屋もありました。
ダイニング
一番奥にあるのがダイニングエリアです。
こちらには、高級レストランさながらにテーブルセットが並んでいました。
壁際には立派なワインセラーも。
シャンパンや赤白ワインが整然とディスプレイされています。
傍らにはコーヒーマシンなども配置されていますが、全てオーダー制となっており、ゲスト側が直接手を触れる機会はありませんでした。
ドリンク&フードメニュー
ザ・プライベート・ルームでは、豊富なドリンク&フードメニューが取り揃えられています。
なんと、これだけ充実したメニューがリストアップされていました。
ドリンク | TWGセレクション |
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コーヒー |
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ジュース |
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ソフトドリンク |
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ミネラルウォーター |
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ビール |
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シャンパン |
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赤ワイン |
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白ワイン |
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スピリッツ |
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リカー |
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フード |
朝食 5:00-11:00 |
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ランチ 11:00-18:00 |
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ディナー 18:00~ |
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ベジタリアン |
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チャイニーズ |
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デザート 11:00~ |
|
ドリンクでは、特にシャンパン・赤ワインで良いものを取り揃えているとのことです。
そしてフードメニューは時間帯によってバリエーションが変わる上に、フルコースにすることも可能という充実ぶり。
出来るものなら終日ここで過ごしたいくらいでした(笑)。
朝食
訪れた時は朝食の時間帯。
ドリンクにはシャンパンをオーダーしました。
銘柄はシンガポール航空スイートクラスでも提供されているテタンジェのコントです!
朝から最高級のシャンパンが頂けるなんて、至福のひと言です。
そして6種類ある朝食メニューから、シンガポールラクサを注文。
なんと、ロブスターの半身が惜しげもなくドーンと乗っています。
このラクサ、本当に本当に美味しかった…!!
こんなに贅沢なラクサは初めてで、今でも時々思い返しては食べたくなる逸品です。
ほとんど辛味はなく、とってもまろやかな味わいでしたので、辛いものが苦手な方でも大丈夫だと思います。
プレイルーム
お腹が満たされたら、ラウンジ探索を再開しましょう。
ロビーのすぐそばに、「プレイルーム」と掲げられたお部屋がありました。
こちらは子供用のお部屋。大画面テレビでは、キッズ向け番組が放映されており…
こんな可愛い色鉛筆や、プラスチックバッグにお絵描きできるセットなども置かれていました。
キッズフレンドリーなラウンジは、中東系をはじめ世界各地に点在していますが、ここザ・プライベート・ルームも、その一つというわけですね。
ラウンジ内に子供を遊ばせられる部屋があると、大人はずっと楽に過ごすことが出来ますので、大変ありがたい施設です!
ウェットエリア
ラウンジ内にはお手洗いはもちろん、シャワーやベビーケアルームまで設けられています。
化粧室
お手洗いはこの通り、床から壁まで総大理石のキラキラ仕様!
個室には最新のウォシュレット付きタンクレストイレが備え付けられています。
先ほどのパウダースペースの写真に、子供用の手洗い場が写っていましたが、なんとトイレ自体も子供用のものがありました!
プレイルームしかり、キッズフレンドリーで素晴らしい♪流石に子供トイレまであるラウンジは初めてかもしれません。
ベビーケアルーム
小さな赤ちゃんを連れている方に嬉しい施設が、このベビーケアルーム。
中には洗面台、おむつ交換台と…
カーテン付きの授乳室がありました。
静かな環境で、落ち着いて赤ちゃんのケアが出来そうです。
シャワー室
シャワー室も覗いてみましょう。
ドアを開けると、こちらも総大理石造りのラグジュアリーな室内。
立派な洗面台とトイレ、シャワーブースが設置されていました。
こちらのブースは、まだ使った人がいないということで、どこもかしこも紛れもなく手付かずの新品、ピカピカです!
洗面台
洗面台には周りと少々表情の異なる大理石を使用。
アメニティも高級ホテルさながらに用意されています。
- 歯ブラシ
- シェービング
- ヘアブラシ
- 紙コップ
- 香水
- ハンドローション
もちろんドライヤーも完備。
一流ホテルのバスルームにも勝るとも劣らぬクオリティです。
トイレ
洗浄機能パネルには、ドイツ・GROHEのロゴが入っています。
この分野は日本の専売特許だと思っていたので驚きましたが、調べてみたところ、やはり「日本が世界に誇る最先端のシャワートイレ技術と、GROHEの洗練されたデザインの融合」というコンセプトで生み出された商品のようです。
一式で40万円ほどと、一般的なものよりも1.5~2倍ほどする高級品とのことでした。
さすが、頂点に君臨するラウンジだけのことはありますね。
シャワーブース
メインのシャワーブースは、レイン・ハンドシャワー付き。広々としていて、とても使いやすかったです。
アメニティはシンガポールの「COMO SHAMBHALA」というメーカーのもの。
- インビゴレイト ボディ ウォッシュ… 心と体をスーパーチャージ!さわやかなユーカリ、ペパーミント、心地よいゼラニウムとラベンダーで肌を磨き上げ、潤いを与えます。
- インビゴレイト シャンプー…すべての髪タイプのためのシャンプー。さわやかなユーカリと清涼感のあるペパーミントで頭皮をクレンジングし、ラベンダーとゼラニウムが健康でツヤのある髪にします。
- インビゴレイト コンディショナー… さわやかな香りで髪のツヤをよみがえらせるコンディショナー。ラベンダーとゼラニウムで輝きを取り戻し、ユーカリとペパーミントが活力を与えます。
メタリックでシャープな印象のパッケージに反して、ナチュラルで使い心地の良いアメニティに、すっかり魅了されてしまいました。
世界にシャワー室を備えたラウンジは数あれど、ザ・プライベート・ルームは、その設備からアメニティに至るまで、最高峰と言って差し支えないでしょう。
クワイエットルーム
最後にご紹介するのが、ラウンジ内にひっそりと設けられた「クワイエットルーム」。
施錠して完全プライベートで過ごせるお部屋です。
この電子錠は本来顔認証が出来るらしいのですが、こちらもなんと私が最初の利用者という事で、スタッフさんもまだシステムが把握できておらず、毎回アナログな鍵で解錠していただきました。
基本オートロック式になっていまして、室外へ出たい時は、中にあるセンサー前で手を振ると解錠されます。
こんなロックシステムは初めて見ました。ハイテクですよね!
ソファのみのお部屋
全部で4部屋あるうち、2室がこのようにソファ、デスク、荷物台を備えるタイプ。
ベッド付きのお部屋
そしてもう2室が、なんとベッド付きのお部屋です!
しかもこのベッド、ただのベッドではありません。
低反発寝具の先駆けであるテンピュール社製のもので、枕元にはこのようなリモコンが設置されていまして、
ベッドに向けてボタンを押すと…
なんとS字状に形態が変化しました!!
こちらはZero-G® [ゼロジー®]という名の電動リクライニングベッド。公式サイトでは以下のように紹介されています。
理想の睡眠姿勢「Zero-G® ポジション」 × 体圧分散の「テンピュール」で進化した 極上のスリープスポット。リクライニングベッドに求められている新しく進化した機能を集約。デザインは限りなくシンプルに仕上げました。 睡眠だけでなく、家族で映画を楽しむひと時にもおすすめです。リモコンで背や脚もとを好みの角度に調整したら、Zero-G®ベッドがホームシアターの特等席になります。極上の心地よさとともに名作を堪能する、至福の時間の始まりです。
Zero-Gポジションにすると、こんな感じ。脚が持ち上げられているのがお分かりいただけますでしょうか。
Zero-Gと聞くと、エミレーツのファーストクラスシートを思い出しますが、ちょうど同じような、まるで雲の上に寝ているかのような寝心地でした!
ちなみにお部屋では、飲み物をオーダーすることもできます。
誰の目も気にすることなく、気の赴くままベッドに寝転んだり、お茶を飲みつつデスクで仕事をしたり…快適すぎて根が生えそうなくらいでした。
なお、スタッフさんにお願いすると、以下の備品もご用意いただけるそうです♪
・COMO Shambhalaのエッセンシャルオイル
・ヨガマット&ブロック
搭乗ゲートへ
夢のような時間はあっという間に過ぎ去り、出発まであと50分。
チャンギ国際空港は広く、各搭乗ゲート前で手荷物検査が行われるため、早めに移動しなければなりません。
後ろ髪を引かれつつ、搭乗口へと向かいます。
本当に忘れ難いほど素晴らしいラウンジでした。またいつの日か戻ってくる機会がありますように!
今回は、クリスフライヤーマイル特典航空券でスイートに搭乗することにより、ザ・プライベート・ルーム訪問を実現しました。
今からシンガポール航空の「クリスフライヤーマイル」を貯めるなら、マリオットアメックスを使うのが最もシンプルかと思います。
最後に
ということで、今回はリニューアルオープンしたばかりの、シンガポール航空最上ラウンジ「ザ・プライベート・ルーム」について詳しくご紹介しました。
- シンガポール航空のファーストクラスorスイートクラスに搭乗する人のみ入室を許される
- 営業時間は午前5時から午前2時半までのため、宿泊は不可
- 高級ワイン、フルコース仕立ての食事まで楽しめる
- 子供向け設備も充実!
- クワイエットルームにはベッド完備のお部屋もあり
これまで世界各国のラウンジを訪問してきましたが、「ザ・プライベート・ルーム」は間違いなくトップ5指に入る、素晴らしいラウンジでした!
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