シンガポール航空(Singapore Airlines)とは、その名の通りシンガポールのフラッグキャリアです。
イギリス・スカイトラックス社によるランキングで何度も「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World’s 5-Star Airlines)」を受賞するなど、世界で大変高い評価を得ています。
シンガポール・チャンギ空港を拠点に、アジア圏内だけでなくアメリカ・ヨーロッパ・オセアニアに多数の路線を展開しているため、海外旅行好きの日本人にとっても馴染み深いキャリアではないでしょうか。
機材やサービス面が絶賛されることが多いシンガポール航空ですが、実際はどのような感じなのか気になるところです。
ということで今回は、シンガポール航空のビジネスクラス搭乗記をお届けします!
今回のフライト情報
さて、今回のフライト詳細は以下の通りです。
便名 | SQ11 |
区間 | 成田-シンガポール |
出発時間 | 19:00 |
到着時間 | 1:15 |
フライト時間 | 7時間15分 |
搭乗クラス | ビジネス |
今回の記事はシンガポール行きの搭乗記ですが、最終目的はインド・デリー。
憧れの最上クラス・スイートに乗り継ぎます!
成田空港到着
出発当日。成田空港第1ターミナルにやってきました!
成田には1から3までのターミナルがありますが、1はスターアライアンス系、2がワンワールド系、そして3はLCC系です(例外あり)。
まだ以前ほどの賑わいはないものの、段々と利用者が増えてきているように感じられます。
チェックイン完了
出発2時間30分前のカウンターは程よく空いており、スムーズにチェックインが完了しました。
今回は成田-シンガポールがビジネスクラス、乗継先のシンガポール-デリーがスイートです。
別々の予約でしたが、問題なくスルーチェックインしていただけました。
それでは早速出国しましょう。
ビジネスクラスやスターアライアンスのステータスがあると、こちらの優先レーン「GOLD TRACK」を使うことが出来ます。
以前は小さな箱のような入口でしたが、いつの間にか全部で6つものレーンを備える立派な設備に。
一般レーンも混んではいませんでしたが、立派に生まれ変わった新ゴールドトラックを利用することが出来て、ちょっと嬉しかったです。
保安検査と出国審査を終えたら、搭乗までの間ANAラウンジへ。
第5サテライトのANAラウンジはこれまで訪れたことがなかったため、新鮮で有意義な時間でした♪
搭乗口へ
出発の45分前になったら、搭乗口へと向かいます。
この日の搭乗口は、第3サテライトの35番ゲート。ANAラウンジ(第5サテライト)との位置関係は、下のフロアマップをご覧ください。
お分かりのように、ラウンジから搭乗口まではかなり距離が離れていまして、スーツケースを引きながら歩くと7~8分ほどかかったように思います。
第4サテライトのANAラウンジなら近いのですが、あいにく当時はクローズしていました。
というわけで、第5サテライトにあるANAラウンジをご利用の際は、時間に余裕を持って移動されることをお勧めします。
第4サテライトと第5サテライトを結ぶ通路も現在閉鎖中です。
また、2022年7月には第2サテライトにもANAラウンジができました。
そちらについても、改めてご紹介できればと考えています。
機材はB777-300ER
搭乗口に着いてしばらく後、定刻通りに搭乗が開始されました。
これからシンガポールまでの7時間お世話になるのが、こちらの飛行機です!
シンガポール航空は便数が多いのか、比較的目にする機会が多いものの、実際に搭乗するのは15年ぶり。
前回はエコノミー、今回は初のビジネスクラスとなります。
4クラス制
シンガポール航空B777-300ERは、ファーストクラスと今回搭乗するビジネスクラス、そしてプレミアムエコノミー・エコノミークラスの全4クラス制です。
(シンガポール航空公式サイトより)
ファーストクラス&ビジネスクラスは手前、プレミアムエコノミー&エコノミーは奥のPBBから搭乗します。
シンガポール航空ビジネスクラスの全貌
初めてのシンガポールビジネスクラスは、どんな感じなのでしょうか。
最前方にあるファーストクラスを通り抜けると…
シンガポール航空のビジネスクラスキャビンが姿を表しました!
座席列は1-2-1。バーガンディーとベージュの2色が前後左右で交互に設置されていて、なんともお洒落ですよね♪
横から見るとこんな感じです。
一つ一つのシートが幅広で、顔の横までぐるりと包むような形状と相まって、かなりどっしりした印象。
後ろから撮った写真がこちらです。
シート詳細は下記の通りとなっています。
シートピッチ | 140cm |
座席幅 | 86.3cm |
全長 | 198cm |
リクライニング角度 | フルフラット |
窓側17Kを選択
この日は窓側の17Kを選びました。やはりソロシートが一番気楽です。
窓側奇数列はバーガンディ。
公式サイトによると、スコットランド製レザーにダイアモンドスティッチを施してあるとのことです。なんだかかなりプレミアムな響きですね。
なお、一人旅には窓側のソロシートがベターだとは思いますが、中央列もこのように可動式のディバーターが付いていますので、離発着時以外はそれほどお隣が気になることはなさそうでした。
シート機能
それではシートを詳しくチェック!
こちらは正面を見たところです。
右半分だけ、奥に足を伸ばせるようになっています。
スクリーン
画面は18インチのワイドHD液晶スクリーン。タッチ式ではありません。
モニターは、手元のリモコンで調整可能です。
収納
モニター横にある収納は、ちょっと変わった引き戸タイプ。
厳密に測ったわけではありませんが、幅20・高さ15・奥行き10cmくらいでしょうか。メガネケースや常備薬のポーチなどを収納しておくのに良さそうです。
その下を開けてみると、鏡になっていました。
さらに、座席の横にラップトップPCやタブレットを収納できる専用サイドコンソールが完備されていて、リクライニング角度に関わらず使いやすい作り。
すぐ脇にシート内臓電源、HDMIそしてUSBポートがあるため、充電・接続しながら置いておけるのも便利ですね。
肘掛け内には、500mlのペットボトルとヘッドフォンが。スマホ程度の大きさのものなら、まだ入りそうです。
ちなみにヘッドフォンはノイズキャンセル機能付きで、映画鑑賞にもバッチリ♪
その下にはマガジンラックも。
中にはセーフティーカードとエチケット袋が入っていました。
その他にはといいますと、足元にちょうど靴を置いておけそうなスペースを発見。
ビジネスクラスではスリッパで過ごす時間が長いので、こうしてしまっておけるスペースが決まっていると、それだけで快適度が違います。
ただしシンガポール航空の中距離ビジネスクラスでは、スリッパをはじめとしたアメニティはリクエスト制です。詳しい内容は復路のレポートをご覧ください。
ここまでご覧いただいた通り、身の回り品なら問題なく手元に置いておけると思いますが、スーツケース用のスペースはないため、オーバーヘッドビンに収納する必要があります。
化粧室
では続いて、機内のお化粧室へ。
室内は黒を基調にしていて、落ち着いた雰囲気です。
他のエアラインでも、最近はこういったダークカラーを取り入れているところが増えてきたように思います。汚れが目立たないのがいいですよね。
洗面台はこんな感じ。
アルコールスプレーも常備されていました。
シンガポール航空は、提供アメニティのブランドとして、2021年からイギリス香水メーカーの「PenHaligon(ペンハリガン)」を採用。
お化粧室のラックにも、同社が展開するQUERCUS(クァーカス)シリーズのボディローション、ミスト、香水が置かれています。
クァーカスとは、樹木の「コナラ」の意。
フレッシュなバジルとレモン、甘いジャスミンに、ウッディーでコケのような深みを加えた、爽やかでありながら複雑な香りでした。
ペンハリガンといえば、ロンドンのマリオットホテルで提供されていたアメニティがとってもオシャレで強く印象に残っています♪
シンガポール航空ビジネスクラスのアメニティポーチ(リクエスト制)も、ペンハリガンらしい可愛らしさでしたので、復路の搭乗記でご紹介の予定です!
シンガポールに向けて出発!
そうこうするうちに、定刻19時ちょうど。いよいよシンガポールへ出発です!
これからのおよそ7時間、どんな旅になるのでしょうか。
無料Wi-Fiサービス
離陸と前後して、正面モニターにはWi-Fiサービスの案内が表示されました。
どうやらアッパークラス搭乗者や、クリスフライヤーのステータスを持っている人は、無料Wi-Fiサービスが使えるようです。
試しに繋いでみたところ、残り99.99MBと表示されました。
ビジネスクラス/クリスフライヤー会員だと、100MBが上限になっている様ですね。
他のクラスやステータがはどうなっているのか、ちょっと気になったので調べてみると…
無料Wi-Fi許容量 | |||
PPS | クリスフライヤー会員 | 非クリスフライヤー会員 | |
スイート/ファーストクラス | 無制限 | ||
ビジネスクラス | 100MB ウェブサーフィンやテキストメッセージアプリの利用が可能 |
||
プレミアムエコノミークラス / エコノミークラス | 100MB ウェブサーフィンやテキストメッセージアプリの利用が可能 |
2時間のチャットセッション チャットアプリでのテキストメッセージ(WhatsAppやMessengerなど)に最適 |
適用外 |
上図の通り、スイート/ファーストクラスであれば無制限になりますが、ビジネスクラスはステータスに関わらず全員が上限100MBというわけですね。
エコノミーだと、無料のクリスフライヤー会員に登録さえすれば、2時間チャットを使うことが出来ますので、未入会の方はぜひ搭乗前に済ませておくことをお勧めします。
さて、実際の使い心地はというと、動画や画像の多いサイトは厳しかったものの、さらっと調べ物をしたりチャットをする分には問題なし。
一人旅だと手持ち無沙汰なこともありますので、これは嬉しいサービスでした!
なお、機内誌や機内食メニューなどはデータ容量に関わりなく自由に閲覧可能となっていました。
機内食がスタート
離陸からしばらく経って飛行が安定すると、機内食が始まります。
シンガポール航空では、先述の通りモバイルでメニューを確認可能。
この日のメニューはこんな感じでした。
カナッペ | シンガポールチキンサテー |
前菜 | 鴨スモークとシトラスサラダ |
メイン(選択) |
|
デザート(選択) |
|
パン |
|
温かい飲み物 | 豊富なセレクションからお好きなものを |
最新メニューは公式サイトからご確認いただけますにゃ!
アペリティフ
最初のドリンクには、シャンパンをオーダーしました。
この日提供されていたシャンパンは「2012/14 Piper-Heidsieck Brut Vintage, Champagne, France(パイパー・エドシック ブリュット ビンテージ)」。
パイパー・エドシックとは、1785年に創業した由緒あるシャンパンメゾンです。
「王妃にふさわしいシャンパーニュを(réussir une cuvée digne d’une reine)」という志の下、フレッシュでフルーティーなシャンパン造りにこだわり、当時のフランス王妃マリー・アントワネットにも献上したことがあるのだそう。
また、アメリカの名女優マリリン・モンローも、このシャンパンのファンだったことで知られています。
かの有名な言葉「寝る時に身につけるのはシャネルの5番」には、「毎朝欠かさないのはパイパー・エドシック」という続きがあったのだとか。
歴史に名を残す女性達が愛したシャンパンは、ややマイルドで深みの感じられる味わいでした。
カナッペ
しばらくすると、シンガポール航空の名物「チキンサテー」がやってきました。
数年前オーストラリアで頂いたサテーに感動して、東南アジアを訪れると毎回必ずサテーを注文していたのですが、どこも辛味が強く、なかなかあの甘〜いソースに巡り会えず。
その点、このサテーはかなり理想に近いものでした♪
前菜
そして続く前菜は、スモークされたカモとシトラスサラダ。
カモと柑橘類って合いますよね。これはシャンパンが進みます!
メイン
主菜は牛肉の煮込みです。チャーハンと野菜が添えられていて、食べ応えは抜群♪
アジアらしい味わいで美味しかったです。おかげさまでお腹いっぱいになりました。
デザート
最後のデザートはワゴンで運ばれてきまして、写真を撮ってもいいか伺うと、全種類をきれいに並べてくれました。
CAさんおすすめはラムレーズンアイスとのこと。左から2番目でしょうか、確かに美味しそうですね。
ただもはや胃に余裕がありませんでしたので、デザートは遠慮することにしました。
ちょっと残念ですが仕方ありません。
シンガポール航空では「Book-the-Cook(ブックザクック)」と言って、お食事の事前オーダーが可能です。有名シェフや人気店とのコラボメニューがラインナップされているのですが、申し込み締め切りは出発の24時間前。ぜひ注文しようと思っていたのに、今回はすっかり忘れていました…。
乗り継ぎ先のスイートクラスと復路でオーダーしてみましたので、ご興味のある方はこちらの記事もどうぞ。
就寝
食後は速やかに眠りにつきます。シンガポール到着まではあと4時間ほど。
真夜中の1時すぎに現地に着いた後は、16時間ほどのトランジットが待っているため、今は出来るだけ体力を温存しておかなければなりません。
普通であれば、フルフラットにして備え付けの寝具をセッティングするだけなのですが、このシートはちょっと違います。
背もたれが二重構造になっており、一枚をモニター側に倒すと、既にシーツに包まれた布団が姿を表すという仕組み。
こういうベッドは初めてでびっくりしました!
寝具はこの通り短く、奥までは届きません。
ANAの寝具と同じですね。
ベッドの上げ下ろしにはコツがいるようで、毎回CAさんにお願いすることになってしまうのはちょっと心苦しかったです。
着陸
横になってから、3時間ほど眠れたでしょうか。
目を覚ますと、機窓から色とりどりの光が見えました。
ついに5年ぶりのシンガポールです!
到着時刻は12:52。定刻よりも23分の早着となりました。
5年前にANAで来た時はエコノミーでしたので、軟弱な私はヘロヘロになった記憶がありますが、さすがビジネスクラスだと疲れがほとんどありません。
お世話になった飛行機とCAさんにお礼を告げて、チャンギ国際空港ターミナル内へ。
これから次便出発までの半日以上を空港内で過ごします。
今回の運賃は?
ちなみに今回は、シンガポール航空のクリスフライヤーマイルを使って特典航空券に交換しました。
往復で94,000マイル+諸税が8,400円。
シンガポール航空は基本的にサーチャージがかからないため、このご時世にはとってもありがたいエアラインです!
片道なら47,000マイルということになりますが、有償航空券を調べてみると、片道で35万円ほどでした。
47,000マイル≒35万円ということはつまり、1マイルの価値がおよそ7.4円であると言えます。
マイルの価値は、一般的に1マイル=2円。
しかし、マイルは使い道次第で価値が大きく変動するものです。
やはりアッパークラスで発券すると、相当お得に感じられますね!
日本在住者がシンガポールのクリスフライヤーマイルを貯めるには、マリオットアメックスを使うのが1番の近道です。
最後に
ということで、今回はシンガポール航空ビジネスクラス搭乗記をお届けしました。
前回のシンガポール航空利用時は、機内が日系エアライン並みに清潔で、CAさん達の鮮やかなドレス(サロンケバヤ)姿が素敵だなと思った記憶があります。
今回もその印象は変わらず。
さらには快適なシートと美味しい機内食を楽しむことが出来て、文句なしの快適なフライトでした♪
シンガポール航空といえば、直営ラウンジが豪華なことでも有名です。
ラウンジ訪問記もぜひ併せてご覧ください!
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