みなさんは海外旅行をしたことがありますか?
日本人の有効パスポート所有率はおよそ20%と年々増加傾向の一方、一人一年あたりの海外旅行平均回数は、わずか約0.113回(参考:(公)日本交通公社旅行年報2020、観光レクリエーション目的の平均回数)。
まだまだ日本人にとって、海外旅行は特別な機会と言えるでしょう。
ただでさえ緊張しがちな国際線。出発空港での手続きって、どうすればいいんだっけ?と戸惑うことも多いはず。
というわけで今回の記事では、飛行機に乗り慣れていない初心者向けに、わかりやすく飛行機の乗り方(国際線搭乗当日の流れ)をまとめてみました!
【国際線】空港到着から飛行機に乗るまでの流れ
細かい話に入る前に、空港に着いてから飛行機に乗るまではざっくりこんな流れとなっています。
- 出発120分前頃空港に到着
- 出発60分前までチェックインカウンターで搭乗手続き(省略可能)
- 出発60分前まで荷物を預ける
- 保安検査
- 税関審査(該当する方のみ)
- 出国審査
- 出発30分前まで搭乗口へ
やるべきことが多くて大変そうですが、心配しなくても大丈夫です。
それでは、自宅を出発するところから、時系列で詳しく見ていきましょう。
自宅を出る前に
いよいよ、出発当日。
はやる気持ちをおさえて、自宅を出る前忘れ物がないかの最終チェックを行いましょう。
「海外に行くなら、これは必ず持っていくべき!これもあると便利!」という携行品をこちら↓の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
旅先によっては、急に情勢が変わる可能性がありますので、旅行前から必ずこまめに航空会社や外務省、在外公館のホームページをチェックするようにしましょう。
1. 空港には何分前に到着すべき?
久しぶり、または初めて空港を利用する際、まず気になるのは「いつまでに空港に到着するべきなのか?」ですよね。
結論から言うと、【国際線】の場合は、「出発の120分(2時間)前まで」には到着しておきたいところです。
不慣れな方は、3時間くらい余裕を持ってもいいでしょう。
そんなに早く着いて何するの?と思う方もいらっしゃるとは思いますが、空港までの道のりが予想外に混んでいて遅くなったり、出発空港を間違えていたり(羽田と成田の間違いなどは意外とあるある)、はたまた、出発ターミナルまでの移動に時間がかかったりと、トラブルはつきもの。
早めに空港を目指すことで、そういった危険を回避できる可能性が高まるのです。
時間を持て余しそうだな、と思っても、出国後のエリアには免税店もたくさん!色々見て回るうち、意外とあっという間に搭乗時間になってしまいます。
航空会社のステータスやプライオリティパスでラウンジを利用するのもいいですね。
また、大規模な国際空港では、ターミナル間でバス移動が必要なことも。どのターミナルから出発するのかも事前に要チェックです!
何分前から空港に行っていいの?
空港初心者だと、逆に「何分前から空港に行っていいのかな?」「できるだけ早く行きたい」という方もいらっしゃるかもしれません。
通常、日本発・大手日系航空会社利用の場合、終日全便の手続きをすることが可能ですし、何分前にならないと行っちゃダメ、ということはありません。
ただし、外資系航空会社の場合は、便出発の3時間前からしかカウンターがオープンしていないことも。
オンラインでチェックイン(後述)を済ませ、預ける荷物がない方であれば、基本的にそのまま出国できますので、何ら問題はありません。
しかしそうでないのなら、カウンターが開くまでの間、出国せずに待っている必要があります。
ご利用のエアラインや空港の公式サイトに、具体的なチェックインカウンター営業時間や手続きの受付時間が記載されていますので、事前に調べておきましょう。
2. チェックイン(搭乗手続き)
さて、空港に到着したら、まず搭乗手続き(搭乗券の受け取り)を行います。
チェックインに際しては、以下のものが必要です。
- パスポート
- eチケットお客様控え・マイレージカードなど、予約を確認できるもの
上記を提示すると、グランドスタッフさんが予約内容を確認し、手続きをして搭乗券を渡してくれます。
搭乗券は、これから保安検査場に入る時や搭乗時に必要になるため、決してなくさないように気をつけましょう。
コードシェア便の場合は、便名(販売元)基準ではなく、実際に飛行機を運行する航空会社での搭乗手続きが必要です。
(例)ルフトハンザのサイトで購入したチケットで、便名は「LH」だが、飛行機や客室乗務員はANAの場合 →ANAカウンターでの手続きが必要
搭乗手続きは何分前が締め切りなの?
ところで、チェックインカウンターでの搭乗手続き(チェックイン手続き)は、出発何分前まで受け付けてくれるのでしょうか。
現在、国際線では「出発60分前」としている航空会社が多数派です。
ローコストが魅力のLCCでは、一般的にチェックイン締め切り時刻を1分でも過ぎるとその場で乗り遅れが決定してしまいますので、特にご注意ください!
必ずカウンターに行かないといけないの?
ただし、必ずしも全員が航空会社のカウンターに立ち寄らなければならないわけではありません。
以下いずれかの方法により、自分で搭乗手続きを済ませることも可能です。
オンラインチェックイン(WEBチェックイン)
オンラインチェックインとは、PCやスマホを使って、パスポート情報などの必要事項を入力し、手続きを完了させる方法。
航空会社の公式サイトにログインし、予約詳細から行います。
チェックイン後、空港では、スマホアプリに表示させたバーコードや、プリントアウトした搭乗券が必要です。
自動チェックイン機
また、空港に自動チェックイン機を用意しているエアラインもあります。
カウンターに比べると空いていることが多いので、急いでいる方はこちらで手続きしてもいいですね。
「入力内容はこれで大丈夫なのかな?」と不安な方は、チェックインカウンターでの手続きがオススメです!
3. 手荷物を預ける
チェックイン手続きと、もう一つ忘れてはならないのが、「手荷物」の手続き。
全ての荷物を預ける必要はありませんが、中には機内に持ち込めないと定められている物品もあります。
機内持ち込み手荷物とは
一般的に、航空会社が「国際線機内に持ち込んでよい」としている荷物は、以下の通り。
- 重量 10kg以内
- サイズ 3辺(縦・横・高さ)の和が115cm以内かつ3辺それぞれの長さが55cm×40cm×25cm以内
- 個数 身の回り品(ハンドバッグ、傘、カメラなど)の他に1個まで
荷物が上記のものだけであれば、手荷物を預ける手続きは省略OKです。
機内持ち込みに制限があるもの
ただし、サイズや個数の条件を満たしていても、機内に持って入れないものもあります。
代表的なものはこちら。
- ハサミ
- 工具
- アイススケート靴
- バット
- ゴルフクラブ(ウッド・アイアン・パター全て1本から)
- スキーワックス・スプレー(「火気と高温に注意」と書かれているものは搭載不可=持ち込みも預けもNG)
- ナイフ類
- 制限(※)を超える液体物
(※)液体物の持ち込みは、一つ100ml以内かつ、容量1Lで縦横の辺の合計が40cmのジップロックに余裕を持って収める必要がある。
この中で一番問題になりやすいのは、液体物です。
味噌やヨーグルトなど、粘度があって一見液体に思えないものでも、残念ながら制限の対象となります(成田空港セキュリティガイドより)。
ただし、機内で必要な医薬品や、同伴する赤ちゃん用のベビーフード・ミルクは制限対象外です。
もし機内に持ち込めないものを携帯していたら、忘れずに預け手荷物に入れておきましょう。
いくつ預けられる?
飛行機には、好きなだけ無料で荷物を預けられるわけではありません。
機内持ち込みと同様に、容量制限が設けられており、超過分には別途料金がかかります。
では、どの程度無料で預けられるのかと言いますと、搭乗クラスや会員ステータスによって様々。
例として、ANAの場合を見てみましょう。
搭乗クラス/会員ステータス | 個数 | 重さ | サイズ |
ファーストクラス | 3個まで | 一個あたり32kgまで |
3辺(縦・横・高さ)の合計が158cm以内 |
ビジネスクラス | 2個まで | 一個あたり32kgまで | |
プレミアムエコノミー エコノミークラス |
2個まで | 一個あたり23kgまで | |
スターアライアンスゴールド | 搭乗クラスの無料手荷物許容量 +1個 |
搭乗クラスの基準に準ずる | |
スターアライアンスシルバー | 搭乗クラスの基準に準ずる | 搭乗クラスの基準に準ずる |
上記をご覧になってわかる通り、搭乗クラスやステータスが高いほど、無料許容範囲が広がるというわけですね。
これを超えた場合には、数千〜万単位の高額な追加料金がかかってきます。
帰りには、お土産などでさらに増える可能性もありますし、荷物は出来るだけ少なめにすることをお勧めします。
LCCの場合は、一層厳しい重量・個数制限が課されていることも。あらかじめ注意事項を読み込んでおきましょう。
荷物の預け方
荷物の預け方は、大きく分けて2通り。
- チェックインカウンターで搭乗手続きの際に預ける
- チェックイン手続き後、カウンターや自動手荷物預け機で預ける
大多数の方は、1(チェックイン手続き時)を選択されていることでしょう。
2(チェックイン手続き後)はどんな状況なのかと言うと、例えば「チェックイン手続き時には預けなかったけれども、やっぱりこの荷物も預けたい」といった場合や、「チェックイン手続き後にお土産を買いすぎて、全部持って入れなくなってしまった」というような場合。
この場合、特に注意すべきなのが、荷物預かりの締め切り時間です。
こちらもチェックイン締め切り時刻と同じく、出発60分前に受付を締め切るエアラインがほとんど。
もし後から預けたい荷物が出来た場合には、早めの行動が肝要です。
預けた荷物は、到着地空港のターンテーブルで返却されます。
国際線では、稀に荷物が行方不明になること(ロストバゲージ)も起こり得ますので、預け時にもらえる「手荷物引換証」を失くさないよう気をつけましょう!
乗り継ぎがある時は?
直行便なら、何も考えず到着地で預けた荷物を引き取ればいいのですが、乗り継ぎ便の場合は注意が必要です。
同じ航空会社・提携航空会社を乗り継ぐ場合
例えば、最終目的地までANA便だけ、または、ANA×提携航空会社便(スターアライアンス系列など)の場合には、基本的に最終目的地まで荷物を引き取る必要はありません。
ただし、国内線の乗り継ぎがある場合や、羽田着→(地上交通)→成田発など、同都市別空港を使う場合には、一旦経由地で荷物を受け取らなければならないことがあります。
別予約や、異なる航空会社・提携航空会社を乗り継ぐ場合
一方、スターアライアンス便(ANA、ユナイテッド航空など)×ワンワールド便(JAL、アメリカン航空など)といった提携外の航空会社を乗り継ぐ場合や、同グループの航空会社でも別々の予約でチケットを購入している場合等には、一旦経由地で荷物を引き取り、再度預け直す手続きが必要です。
一番確実なのは、預ける際、スタッフさんにどこで荷物を受け取ればいいのかを確認することです!
4. 保安検査
搭乗手続き、荷物のチェックインが終わったら、いよいよ「保安検査(セキュリティチェック)」です!
保安検査場ではハイジャック防止のため、危険物を持ち込まないよう、X線を用いて所持品・身体検査を行います。
乗客側の手順は以下の通り。
- 係員さんにパスポートと搭乗券を提示する(一部空港・エアラインでは省略可能)
- 手荷物を全て台の上に乗せる(上着や靴も提出を求められる場合があります)
- PCやタブレット、液体物を取り出す(羽田等、最新機器を使用している空港では取り出し不要)
- 係員さんの指示に従ってゲート型探知機を通過する
- 検査済みの荷物を回収して身支度を整える
とっても簡単ですね!落ち着いて誘導に従えば、何も問題はありません。
なお、「検査前にバッグの中から携帯電話を出しておくべき?」、「ポケットの鍵はどうする?」などなど、よくある疑問をこちら↓の記事にまとめていますので、是非ご一読を(国内線を想定していますが、大まかな流れは同じです)。
5. 税関審査
保安検査が終わったら、さっそく出国…と行きたいところですが、その前に、以下に該当する方は、税関で書類を提出する必要があります。
税関手続きが必要な方 | 提出書類 |
1 腕時計等の外国製品を持出す方 | 外国製品持出し届 1通 |
2 100万円相当額の現金等を持出す方 | 支払手段等の携帯輸出・輸入申告書 1通 |
3 輸出免税物品を持出す方 (居住者の場合) | 輸出証明申請書 2通 |
該当する方は少数派だと思いますが、ご参考までに。
「腕時計等の外国製品」の申請が必要なのは、帰国時に、旅先で購入したものと誤認・課税されることを防ぐため。
特に、使用感の少ない高級ブランド品を持ち出す際には、元々持っている品だという旨を届けておきましょう。
6. 出国審査
さあ、いよいよ出国審査です。
ここでは、以下の書類を審査官に提出します。
- パスポート
- 搭乗券
ここでは審査官が、パスポートの写真と本人の顔が一致しているかを確認しますが、通常、特に質問などはされません。
家族旅行の場合は、個人個人ではなく、家族全員で審査を受けることができます。
パスポートにスタンプを押してもらったら、これで日本出国完了です!
自動化ゲートで時間短縮
なお、以下の空港には、出国自動化ゲート(パスポートと指紋認証・顔認証を利用したオート出国システム)が設けられており、機械を使ってパスポートと指紋を照合するだけで通過することができます。
- 成田空港(第3ターミナル除く)
- 羽田空港(第2ターミナル除く)
- 中部空港(第2ターミナル除く)
- 関西空港
混んでいる時期は、特に効力絶大です!
自動化ゲートの利用には、事前登録が必要(フライト当日でもOK)。
登録カウンターに備え付けてある申請書に必要事項を記入し、パスポート(外国籍の方は在留カード等も)と一緒に提出しましょう。
<登録の注意事項>
・指紋登録が必要
・登録手続きは申請から通常約5分程度で完了
・自動化ゲートの利用者登録や利用は無料
・登録手続き完了後、すぐに自動化ゲート利用可能
・利用者登録を行った空港以外の空港の自動化ゲートも利用可能
自動化ゲートを利用した場合、パスポートにスタンプは押されません。希望する方は、ゲート通過時に各審査場事務室の職員さんに申し出ましょう!
7. 搭乗口へ
無事に出国審査を通過したら、そこは搭乗待合室(制限エリア)。搭乗する飛行機まではもうすぐです。
搭乗待合室内のあちこちに置かれている案内モニターと、搭乗券に書かれた便名・行き先を照らし合わせて、自分がどちらの方向に行くべきなのか、現在地から搭乗口までどのくらい離れているのかを把握しておきましょう。
搭乗クラスによってはラウンジを使えることも
搭乗待合室では、大多数の方が椅子に腰かけたり、立ち並ぶ免税店を眺めて過ごすことになるかと思いますが、エアラインの上級ステータスを持っていたり、ビジネスクラス・ファーストクラスに搭乗する場合は、「ラウンジ」を使えることがあります。
国際線のラウンジでは、フリーのアルコールドリンクや食事、シャワールームを備えているところも多く、もし該当するなら、必ず立ち寄っておきたいものです。
羽田空港や成田空港の代表的なラウンジについて、こちら↓にて詳しくご紹介していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
出発30分前までに搭乗口へ向かいましょう
さて、何かと誘惑の多い国際線制限エリアですが、搭乗口には必ず「出発30分前まで」に到着するようにしましょう。
時々誤解している方がいらっしゃるのですが、飛行機の出発時刻=ドアが閉まる時間ではありません。
出発時刻=飛行機が動き出す時間です!
大体、出発時間の15~10分前には機内への案内が終わり、ドアが閉められてしまいます。
一旦ドアを閉めたら、余程のことがない限りは到着するまで開きませんので、搭乗締め切り時刻に間に合わなければ、その時点で乗り遅れが決定することに。
楽しいご旅行を台無しにしてしまわないよう、最後まで気をつけましょう。
出発最終案内(ファイナルコール)の際に、もし万一搭乗口から遠い場所にいる場合は、何は無くとも必ず利用する航空会社のスタッフに声をかけて下さいね。
いざ搭乗
通常、出発30分前あたりになると、飛行機への搭乗が開始されます。
必要なものはこちら。いざ自分の番になって慌てないよう、前もって手元に用意しておくとベターです。
- パスポート →搭乗口の係員がチェックするので手渡す
- 搭乗券 →搭乗口の機械に読み取らせる
ただし一部空港では、2021年から顔認証搭乗(フェイスエクスプレス)が開始されました。
自動チェックイン機で顔を撮影しておき、搭乗口のカメラとデータを照合することで、パスポートや搭乗券を取り出すことなく搭乗可能に。
2023年11月現在、まだ対象になっている空港・便が少ないのが現状ですが、顔パスが当たり前になるのもそう遠いことではなさそうです。
出発!
ここまでの過程を無事に乗り越えて、飛行機に入り、荷物をしまって、座席に着いたらもう一安心です。
あとは思い思いに国際線フライトを満喫しましょう!楽しいご旅行になりますように♪
最後に
ということで今回は、あまり飛行機に乗る機会がない方でも、これさえ押さえれば大丈夫!というポイントに絞って、国際線の飛行機の乗り方についてご紹介しました。
全くの初心者でなくても、しばらくすると忘れてしまうことだってありますよね。そんな時に、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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