誰もが憧れる最高級のシート「ファーストクラス」。
空飛ぶ5つ星ホテルとも呼ばれるその空間は、とても飛行機の中とは思えないほど。
世界各国多くのエアラインが、独自のこだわりを詰め込んだ豪華サービスを展開しています。
中でもアラブ首長国連邦・ドバイ国際空港を本拠地とする「エミレーツ航空」の新型ファーストクラスは、まさしく別格!!
一歩キャビンに足を踏み入れれば、まるで書斎のような完全個室仕様の座席に、一流レストラン並みの豪華なお料理と、夢のような非現実感に包まれます。
好みや求めるものは人それぞれですが、このキャビンを一目見れば「これは確かに最高のファーストクラスだ!」と感じられる方が多いのではないでしょうか。
今回はそんな究極のファーストクラス「エミレーツ航空B 777-300ER」搭乗の一部始終を、ドバイ~成田までの旅行記形式でお届けします♪
往路の搭乗記はこちらからどうぞ。
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今回のフライト情報
まず、今回のフライト詳細から。アラブ首長国連邦第2の都市ドバイから、東京・成田へ飛びます。
区間 | ドバイ-成田 |
出発時間 | 2:40 |
到着時間 | 17:35 |
フライト時間 | 9時間55分 |
搭乗クラス | ファースト |
ドバイ国際空港に到着
さて、砂漠のオアシス・アルマハ滞在を終え、ドバイ国際空港に到着しました!
今回は、JALマイルで獲得したエミレーツ特典航空券を使っての旅。
他社マイルでエミレーツ航空の搭乗券を取りづらくなった今となっては、次はいつ来られるか…名残惜しい限りです。
またいつか戻って来られますように!
チェックインカウンターへ
では気を取り直して、チェックインカウンターへと向かいましょう。
車寄せからロビーに入り、まっすぐ進んだところにカウンターがあるのですが、ファーストクラスとビジネスクラス搭乗者には、別に専用窓口も用意されています。
「First & Business Class」の矢印に従って進むと、
隅の方にこのような入口がありまして…
広い通路に出ました!右手に見えるのが、先日出来たばかりの自動チェックインコーナー。
そして左手にあるのが、ファーストクラス専用カウンターです。
搭乗待合室にまだ入れない!?
さっそくチェックインをしましょう。
チェックイン手続きさえ済ませてしまえば、あとは搭乗までラウンジでのんびりするだけ。
…
……
…のはずが、なんとカウンターで「出発6時間前にならないと搭乗券は出せない」と告げられてしまいました!
この時点で、出発まであと10時間以上あります。
もしやここで4時間も待たなければならないということ…?
事前に国内外のサイトで情報収集をしていましたので、コロナの感染状況がもっと酷かった頃ならいざ知らず、今はそんなはずないのでは、と思ったのですが、「空港ロビーにいるなり、街に行くなりしてください。とにかくシステム上搭乗券は出ません」とのつれないお返事。
一体どうすればいいのやら…と途方に暮れかけたものの、ついこの先日、自動チェックイン機が登場し、セルフで当日分の手続きが出来るようになったとのニュースがあったことを思い出しました。
自動チェックイン機で事なきを得る
念の為試してみると…
……
………ん?
この通り、何の問題もなく搭乗券が出て来ました!
システム上云々…というのは、おそらくスタッフさんの勘違いだったのかも?
特に海外ではこういうことがよくありますので、やはり出来る限り情報を集めておくことが大事ですね。
何はともあれ、これで4時間待ちぼうけをする必要も無くなって、ほっと一安心です。
出国後ラウンジへ
それではさっそく出国し、制限エリアに入ります。
もしや保安検査場で止められる…?とドキドキでしたが、結果は全く問題ありませんでした。
無事出国を済ませたら、お待ちかねの「ファーストクラスラウンジ」へ。
エミレーツ航空の本拠地であるドバイ国際空港には、ファーストクラス搭乗者向けの豪華ラウンジが合計3つ(コンコースA・B・C)に用意されており、搭乗までの時間を優雅に過ごすことができるのです。
コンコースBのファーストクラスラウンジ
まずは、保安検査場から一番近いコンコースBのファーストクラスラウンジを目指します。
当初はコンコースAのファーストクラスラウンジへの再訪が第一希望だったのですが、現在コロナのためクローズとの事前情報があったため、半ば諦めていました。
が、レセプションで「コンコースAのファーストクラスラウンジはコロナでクローズしているんですよね?」と伺ったところ、
サービスは縮小していますが、営業再開していますよ
とのこと。さらに、
正直に言いますと、コンコースBのラウンジよりAのラウンジの方が豪華で素晴らしいですよ!まだ時間の余裕もありますし、あとで移動されては?
と勧めていただきました。
とはいえ、Bラウンジもかなり豪華!
その後訪れたAラウンジではクローズになっていた無料スパコースも受けられて、大満足の滞在でした。
コンコースBのビジネスクラスラウンジ
コンコースBでは、ファーストクラスラウンジの後、ついでにお向かいにあるビジネスクラスラウンジBも見学させていただくことに。
ファーストクラスラウンジとそれほど差を感じられない、こちらもとっても素敵なラウンジでした♪
特に、モエシャン4種類を味わえる豪華シャンパンラウンジは必見です!
コンコースAのファーストクラスラウンジ
そして最後に落ち着くは、やはりドバイ国際空港一番の花形、コンコースAのファーストクラスラウンジ。
ここがドバイ国際空港で最も広く、エミレーツが最も力を入れているラウンジということで、半端なくラグジュアリーで非日常感たっぷり。
これが最後の利用になるかもしれませんので、食事・シャワー・仮眠と、しっかり堪能しておきました。
搭乗口へ
搭乗1時間前になったら、いよいよ搭乗口へ向かいます。
この日の搭乗口はC21。偶然にも前回と同じゲートでした。
東京行きは毎回固定なのでしょうか。コンコースCのファーストクラスラウンジに最も近い搭乗口です。
ファーストクラスラウンジCは、3つのファーストクラスラウンジの中で一番規模が小さく、設備面も控えめなので、今回は立ち寄らず、AとBの滞在時間を最大限確保することを優先しました。
コンコースAからCまでは結構な距離があるため、なかなかCの表示が見えなくて焦りつつ、とにかくまっしぐらに前進します。
どうにか搭乗開始に間に合うことができました!
チェックインから10時間もあると、うっかり寝過ごしてしまう心配もありましたが、ここまで来れば安心ですね。
窓の外にはB777-300ERの姿が。いよいよ、これがおそらく最後のエミレーツファーストクラス搭乗です!
搭乗開始
予定通り、出発30分前に搭乗が開始。
ファーストクラスとビジネスクラスは、手前のボーディングブリッジを使用します。
ファーストクラスキャビンの先頭に輝くのは、UAEの国樹ガフの木のモチーフ。
まだ二度目の搭乗ですが、植物のモチーフは癒し効果があるのでしょうか。日本まではまだまだ遠いにも関わらず、何となく家に帰り着いたかのような安心感を覚えました。
窓側1Kをチョイス
往路では、通路に挟まれた中央の席1Eを選択しましたが、復路では窓側席の1Kを選択。
天井まですっぽりと覆われたブースの中央には、メルセデスベンツのSクラスに着想を得たシートが鎮座しています。
エミレーツ航空・新型ファーストクラスは、1-1-1の2列構成です。
ご覧になってわかるように、1Kはお隣1Eの壁側(入口の反対側)に面しているため、搭乗中あまり人の気配を感じないというメリットがあります。
2列目の様子
ちなみに、この日は2列目の席がどちらも空いていたため、搭乗が終わって仕舞えば、CAさん以外を見かけることはありませんでした。
2列目から前を見るとこんな感じ。夜便のため、天井には星空の演出が輝いています。
中央席と窓側席の違い
1E(中央席)と1K(窓側席)で機能的に異なる点は、主に以下の2つ。
- 本物の窓が付いている
- 収納が狭い
「本物の窓」とはなんぞや?と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は中央列には「バーチャルウィンドウ」といって、窓を模した画面に、1K席から見える景色を表示するシステムがあるのです。
(往路にて撮影:1Eのバーチャルウィンドウ)
本物と見紛うクオリティで、とっても興味深いシステムでした。
そしてもう一つの差が収納力。
中央列1Eの座席上収納がこのくらいなのに対し…
窓側1Kはこの通り、3分の2くらいの大きさ。
ミニバーの体裁も異なります。
1Eのミニバーは、左右に2本入り、3本入りとなっている一方…
1Kはこの通り、かなり狭くなっているのがお分かりいただけるでしょうか?
窓側に1本、
通路側には2本がやっと入る程度です。
シートの快適性は全く変わりませんが、個人的には中央ブースの方がゆったりとしていて好みでした。
アメニティ
細かい座席の機能などは,、往路の搭乗記をご覧いただくとしまして、続いてはアメニティをチェック!
ドレッサー内のセット
モニター前のドレッサーには、眠る前のリラックスにピッタリなBYREDOピローミストに化粧品、ペン、手帳がセットされています。
ポーチはブルガリ
当初、席には女性用アメニティポーチが置いてありましたが、往路分だけで十分でしたので、夫へのお土産用として、男性向けポーチに変えていただきました。
中身がこちら。
- ティッシュ
- ヘアブラシ
- 歯磨きセット
- 制汗剤
- シェービングキット
- ブルガリ・クレンジングタオル
- ブルガリ・アフターシェービングバーム
- ブルガリ・ボディローション
- ブルガリ・リップバーム
- ブルガリ・レジェンメ・タイガー(香水)
一般的なアメニティが揃っているだけでなく、ブルガリの高貴な香りを存分に楽しめるキットとなっています。
パジャマとスリッパ
そしてこちらは…
パジャマとスリッパです。ご丁寧にフェルト製の立派なエンベロップに入っているところも、さすがはエミレーツ航空。
さっそくパジャマを着てみました。これでいつでも好きな時に寝られますね(現在午前2時すぎ)。
ウェルカムドリンク
席に落ち着くや、ウェルカムドリンクサービスがやってきます。
最初はやはりシャンパン!2012年物の「ドン・ペリニョン」です。
グラスになみなみと注いでいただきました。
さらに、おなじみのアラビックコーヒーも。
一緒に供されるデーツは、あっさりしたコーヒーとの相性抜群です。
さあ、準備は万端。ついにファーストクラス旅の始まりです!
いよいよ離陸
飛行機は定刻を3分ほど過ぎて、滑走路へ向けて移動し始めました。
数多のエミレーツ機が並ぶターミナルを通り抜けたら…
その後は順番待ちもなく、スムーズにドバイ上空へと飛び立ちました。
さすが世界のベストシティー5位に入ったこともあるドバイ。宝石箱をひっくり返したようにキラキラと輝いています。
また来る日まで、さようなら!
機内食がスタート
水平飛行に入ると、改めてドリンクとナッツがサーブされました。
ドバイ現地時刻は午前3時ですが、日本とは5時間の時差があるため、東京はすでに朝8時。
出来るだけ時差ボケを防ぐために、ここからは日本時間のつもりで過ごすことにします。
EK318のメニューリストがこちら。
どれにしようか迷いましたが、前夜ラウンジでたっぷりお肉をいただきましたので、軽めにパスタをお願いすることに。
「トリュフ・クリームのオレキエッテ・パスタ~ズッキーニのソテーとペコリーノ・チーズを添えて~」です。
機上にもかかわらず、アルデンテの絶妙な茹で加減!
香り高くまろやかなソースで、とっても本格的なパスタでした。
フルフラットで快適
食後はベッドモードにしていただいて、のんびりごろごろ。
このリネンがさらっさらで本当に気持ちよかったです♪
ランチ
映画を見ながら4時間ほど過ごし、今度はランチをオーダーすることに。
全く動いていないにも関わらず、程よくお腹がすいています。
初回を消化の良いパスタにしていて正解でした。
二度目の食事に選択したのは、「牛肉のオイスターソース炒め~フォーを添えて~」。
先ほどとは打って変わって、こちらは完全にアジアの味です。
ちょっぴりレトルト感はあったものの、柔らかい牛肉とフォーにコク深いソースが絡んで、とっても美味しくいただきました!
デザート
食後のデザートは「ペイストリー盛り合わせ」。
4種類の可愛いお菓子がお皿に乗っています。
- チョコレートとバタースコッチのフィナンシェ
- レモン・メレンゲ・タルト
- ココナッツ・マカロン
- ベリー・タルト
どれもちゃんと美味しい♪カタール航空やブリティッシュエアウェイズのアフタヌーンティーセットを思い出します。
飛行機の中でこんなに優雅なひと時を過ごせるのも、ファーストクラスの醍醐味ですね。
超高級コニャック
甘いもののお供はコーヒーもいいのですが、せっかくのファーストクラスなので、より特別感のあるコニャックをオーダーしてみました。
「 テセロン コニャック ロット 29 XO エクセプション」という銘柄です。
ネットで調べてみますと…
(ヨドバシカメラより)
なんと、一本16万5千円!?!
これまでに飛行機でいただいたお酒の中では、JALファーストクラスのシャンパン「サロン」に次ぐ2番目に高級なお酒です(多分)。
猫に小判感は否めませんが、とても華やかな香りで、豊かな風味を感じる貴重な一杯でした。
夕食
エミレーツのファーストクラスはさすが至れり尽くせり、座り心地は最高だし、何を頼んでも美味しいし、やはり言うことなしです!
ただその分、時間が経つのもあっという間。
いつの間にやら、成田まで残すところ、たったの2時間となってしまいました。
最後に、ちょっと早めの夕食をいただくことに。
飲み納めのシャンパン
ドリンクはこれでしばらく飲み納めになるであろう、再びのドンペリ2012。
グラスにゴールドの泡が美しく煌めきます。
豪華!骨付き肉のグリル
記念すべき最後は、これまでよりも一際本格的なお料理がいいかな、ということで…
「骨付き仔牛肉のグリル」にしました!
これが飛行機の上だなんて、俄には信じられない豪華さですよね。
傍には温められたパンと、
オリーブオイル、バルサミコ酢、イズニーバターも添えられていて、まさしく完璧!
付け合わせからメインまで、全てがとっても美味しかったです。
エミレーツオリジナルティー
締めのデザートは、ハーブティーと何か甘いものをとお願いしたところ、このようなセットが届きました。
ティーバッグは、ホテルのラウンジなどでも見かけるスリランカのディルマ製・tシリーズ。
ただよく見ると、「Emirates Signature tea」と書かれています。
つまりこれは、エミレーツオリジナルのティーバッグということ!
スリランカ中部ドンバガスタラワの茶葉に、ローズ、アーモンド、生姜を加えた逸品です。
ブース内いっぱいに広がる甘いバラの香りが食後にピッタリ。
味わいが本格的なことはもちろん、食べ応えも満点で、最高のランチでした♪
成田に着陸
食後は速やかに片付け開始。そろそろ着陸のようです。
窓側席には双眼鏡のサービスがあり、窓からの景色を存分に楽しめました(本格的に着陸体制に入ると回収されます)。
もうこれでおしまいだなんて、何とも切ない限り…。
無情にも、飛行機は定刻より10分以上早く成田空港に着陸しました。
およそ10時間も乗っていたなんて信じられないほど、素晴らしく快適なフライトでした!
最後に
ということで、今回はエミレーツ航空B777-300ERの新型ファーストクラス搭乗記をお届けしました。
往路ではほとんど何も食べず、早々に眠ってしまいましたが、復路では色々お料理もお酒も存分に楽しむことができ、もはや思い残すことはありません。
完全に個室状のブースなので、空調や照明も全部自分好みにできて、最高にストレスフリー。
これはまさしく究極のファーストクラスと言えるのではないでしょうか。
前述の通り、現在はJALマイルから交換することができなくなってしまいましたが、またいつかどこかでご縁があることを願ってやみません。
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