エティハド航空(Ethihad Airways)は、アブダビを本拠地とする、アラブ首長国連邦/UAEのフラッグキャリアです。
設立は2003年と比較的新しいエアラインで、エミレーツ航空・カタール航空と並び、中等御三家とも称されています。
スターアライアンスを始めとする3大航空連合には属していない一方、他社とのコードシェア便を積極的に展開しているため、機内アナウンスなどで名前を耳にしたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
潤沢なオイルマネーを背景に持つことから、ゴージャスで洗練されたサービスが評判ですが、実はANAマイルを使った特典航空券で乗ることが出来るのです!
ということで今回は、その顛末から実際の搭乗の様子までを詳しくご紹介したいと思います♪
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ANA特典航空券でアブダビ以遠も乗れるようになった!
まず、今回の旅が実現した経緯からですが…
突然、極めて発作的にエジプトに行きたい!!と思い立ちまして。
実は、昨年の5月にもカイロへのANA特典航空券(ANA便×エジプト航空便)を取っていたのですが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で欠航になってしまい、あえなく頓挫。
その後もなかなか利用できる便が増えないままで、しばらくは忘れていたのですが、一年弱経った今年の4月下旬、ふと「そういえば少しは回復したのだろうか?」と気軽な気持ちで見てみたところ…
あれ??
以前は出てこなかったエティハド航空ビジネスクラスで発券できそう?!
いつから取れるようになったのか定かではありませんが、以前はANA特典航空券でエティハド航空に乗ろうと思ったら、基本的にANAとのコードシェア便しか許されていませんでした。
つまり予約発券できるのは、日本←→アブダビの往復のみ。
提携航空会社の特典航空券は、他の航空会社便と組み合わせることが出来ないため、エティハド航空で乗り継ぎ発券することは、実質的に出来なかったはずなのです。
しかし、いつの間にか運用が変更になって、アブダビ以遠へも行けるようになった様子。
これまでに中東御三家であるカタール航空とエミレーツ航空は利用したことがあるものの、唯一エティハド航空のみ未体験でした。
いつかは乗ってみたいと思っていたエティハド航空。この機会を逃すわけにはいきません!!
喜び勇んで早速発券を済ませた次第です。
今回のフライト詳細
ということで、今回のフライト情報は下記の通り!
便名 | EY871 |
区間 | 東京・成田→アブダビ |
出発時間 | 17:00 |
到着時間 | 23:10 |
フライト時間 | 11時間10分 |
シート | フルフラット |
初のエティハド航空、どんなエアラインなのでしょうか。
成田空港に到着
いよいよ出発当日、成田空港へとやってきました!
エティハド航空のチェックインカウンターがあるのは、第1ターミナルの北ウィング。
つい先日、ZIPAIRサンノゼ線搭乗時にも訪れたばかりです。
では、さっそくチェックインしましょう。
カウンターの手前にはスカイチームの自動チェックイン機がありますが、エティハド航空は非加盟のため使うことができません。
エコノミークラスのレーンはこの人だかりでしたが…
ビジネスクラスレーンはほぼ待ちなし。
スムーズに手続きが完了しました!
ファストトラックから出発
このターミナルには、スカイチームビジネスクラス/エリートメンバー用のファストトラックがあるのですが、エティハド便のビジネスクラス搭乗客も対象となっています。
先日羽田からガルーダインドネシア航空でジャカルタに飛んだ時は、優先レーンもなく恐ろしいほどの大行列でしたが、これならあっという間です。
手荷物検査とパスポートチェックを経て、無事に制限エリアに出ることができました。
搭乗までの間は、チェックイン時にインビテーションカードを頂いたNARITA PREMIER LOUNGE(ナリタプレミアラウンジ)で過ごします。
ラウンジについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください!
搭乗開始
しばらくラウンジでまったりと過ごしまして、14番搭乗口までやってきました。
本日の機材はB787-900です。
着いた時にはすでに搭乗案内中。さっそく乗り込みましょう!
初めてのエティハド航空。これからの11時間、どんな旅になるのでしょうか?
エティハド航空ビジネスクラスの全貌
入口ではCAさんににこやかに迎えていただき、入って左側のビジネスクラスへ。
こちらがエティハド航空ビジネスクラスキャビンです!
一番手前、左の席にはカーテンが掛けられていますが、どうやらここはクルーの休憩用に確保されている模様。
シートは前後混合
シート配列は1-2-1で、前後向きが交互に配置されています。
カタール航空のQスイートや、ANAのThe Roomと同様ですね。
初の進行方向後ろ向きをチョイス
直前に予約したからなのか、席の選択肢はあまり残っておらず、進行方向後ろ向きの窓側一択でした。ちょっと見渡した限りでは、ほぼ満席のようです。
なんだかんだで今まで後ろ向きの席になったことはなく、初体験づくしのフライト。
乗り心地はどんな感じなのか気になります!
パーテーションは控えめな大きさ
席に座ってみるとこんな感じ。
普通に座っていると、お隣と結構目が合って、正直なところちょっと気まずさもあり…。
一応パーテーションも設置されているのですが、完全に隠せるほど大きいものではありません。
ただ、背もたれに深く腰掛けている限りでは、ほぼ気にならなくなりました。
高級感のあるインテリア
それはさておき、色合いや小物センスはさすが中東系。佇まいから非常にラグジュアリーな雰囲気です。
座席には「Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)」の刻印が。
ポルトローナ・フラウとは、イタリアを代表する高級家具メーカーの一つで、シンガポール航空スイートクラスやJAL日本航空ファーストクラスでも採用されています。
ビジネスクラスで導入しているのは、ちょっと珍しいのではないでしょうか?
さすがは世界屈指のお金持ち国で生まれた航空会社ですね。
アラビックな照明も、高級感の演出に一役買っています。
アラビア風の透かし模様から溢れる繊細な光が、いつでも優しく手元を照らしてくれました。
収納
収納はと言いますと、足元にマガジンラック。
その上にボックス型収納スペースがあり、中にはあらかじめミネラルウォーターとヘッドフォンが入っていました。
「al ain」とはアラビア語で泉を指し、またオマーン国境近くにある緑豊かな街の名前でもあるそうです。
手前の深いスペースにはトレーも付いていて、カメラや機内で使う小物をしまっておくのに重宝しました。
ちなみに、ヘッドフォンにはノイズキャンセリング機能が付いています。
フルスペックなシート
シートリクライニングは、サイドテーブルのボタンの他…
液晶モニターでも調整可能です。
あまり見慣れなかったのが、ちょうど上の写真にも写っている座面の硬さ調節。
何も触っていなくても、離発着時には自動的にぐぐーーっと硬くなるのがわかって、ちょっと面白かったです。
そのほかの機能
その他には、上着をかけるハンガーや…
その下からひょっこり出てくるテーブルに、
ユニバーサル電源などなど。
あちこちにさりげなく便利な機能が施されていました。
アメニティ
アメニティは、こちらもイタリアブランドの「AQUA DI PARMA(アクアディパルマ)」。
イタリアのサヴォアフェールと洗練を象徴するアクア ディ パルマは、 そのエレガントなフレグランスとライフスタイル製品を通し、 さりげないラグジュアリーを体現しています。 創業:1916年
(公式サイトより引用)
ポーチの内容品は以下の通りです。
- ボディクリーム(アクアディパルマ)
- コロン(アクアディパルマ)
- アイマスク
- ソックス
- アルコールワイプ
- サニタイザージェル
- デンタルキット
パッキングされた毛布には「洗濯・消毒済み」と明記されていて、安心感がありますね。
ちょっと寝返りを打ったくらいでははみ出すことのない十分な大きさの上、片面が起毛、もう一方がスムースな生地で、体感気温によって使い分けできるのが◎!
おかげさまでとてもよく眠ることができました。
カタール航空ビジネスクラスではパジャマのサービスがありますが、エティハド航空では提供されません。
機内エンターテインメント
そして旅のお供に欠かせない、機内エンターテインメントをチェック!
エティハド航空の機内エンターテインメント「E BOX」はかなりの充実度を誇ります。
古今東西の映画、テレビ番組、音楽、ゲームまでよりどりみどり。
最新プログラムは公式サイトでご確認ください。
また、エティハドゲストに無料会員登録しておくと、機内Wi-Fiチャットパッケージがフライト中無料になります!ぜひ搭乗前に登録を済ませておきましょう♪
ちなみに日系エアラインではこれまで国際線機内Wi-Fi無料サービスを行っていませんでしたが、ついにANAが今夏から導入する予定です!
化粧室
そして、ビジネスクラス前方にあるお手洗いはこんな感じ。
アッパークラス専用の割には、特別なアメニティの用意はありません。
至って普通の、しかし清潔なお手洗いでした。
ウェルカムドリンク
席に落ち着くと、搭乗時にオーダーしていたシャンパンが届きました。
手元のワインリストによれば、「Champagne Devaux Grande Réserve Brut Champagne N.V.」という銘柄のよう。
桃やアプリコットを思わせるフルーティーな飲み口が特徴のシャンパンだそうです。
アブダビへ向けて出発
早くから搭乗開始されていた甲斐あって、飛行機は定刻の5分前にスポットを離れ…
順調に離陸しました!
後ろ向きの座席の場合、一番違和感があるのは離発着時ですが、そんなに気になるほどではなく一安心です。
機内食のスタート
飛行が安定すると、さっそくテーブルセッティング。
機内食サービスのスタートです。
エティハド航空ビジネスクラスでは、好きな時間に好きなものを注文できるシステムとなっていました。
メニューはこちら。
一日中いつでも |
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アラカルト・前菜 |
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アラカルト・メイン |
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チーズ | チーズ・アルチザンクラッカー、フルーツ |
デザート |
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離陸後すぐ食事にしたい人は、あらかじめCAさんにお願いしておけば、速やかにサーブしてもらえます。
美しいモクテル
まずは「バタフライ・エフェクト」というノンアルコールカクテルから。
ネーミングもさることながら、紫色がとっても美しく、甘みスッキリとしたモクテルです。
前菜
続いてやってきたのが、前菜のにんじんスープとサラダ、パン。
思っていたよりもスープが大容量で驚きましたが、さすが本格的でとっても美味しかったです。
中東系エアラインは、スープやスムージーが美味しいイメージがあります。
余談ですが、カトラリーにはエティハド/アルマーニ・カーザの刻印が。
これは2022年12月からスタートしたコラボレーションで、カトラリーのみならず、食器すべてのデザイン・カラーリングは、UAEの文化や自然からインスピレーションを得たものなのだそう。
(エティハド航空公式サイトより)
高級感とオリジナリティを感じられる素敵な試みですね。
メイン
そしてこちらがメイン、サーモンのタマリンドクラストです!
大きめにカット・グリルされたサーモンに、さつま芋のピュレ、オクラ、ズッキーニ、ピーマンと、ローストした松の実が添えられた逸品。
いろんな食材の食感が楽しく、甘めの味付けで美味しくいただきました。
この後、デザートとしてフォンダンショコラを注文しようと思っていましたが、前菜とメインでお腹いっぱいになってしまったので、泣く泣く断念することに…。
ということで、当フライトで味わったものはこれで全てとなります。
ちなみに、帰国便ではしっかりフルコースを堪能できました!
・前菜:スモークサーモン
・メイン:ビーフテンダーロインのソテー
・デザート:温かい糖蜜プディング
量的にも質的にも大満足の内容でした♪
就寝
食事が終わったらさっそくフルフラットにしまして、いざ就寝。
日本時間ではまだ19時を過ぎたところですが、着陸後はカイロ行きの乗り継ぎもあり体力勝負となりますので、眠れる時に眠ることにした次第です。
ちょっと勿体ないような気がしつつも、これもビジネスクラスだからこその贅沢と言えるでしょう。
アブダビ到着
そうは言っても、この半端な時間にそう長くは眠れないはず…と思いきや、なんとあっという間に6時間経過。
映画を流し見しているうちに、アブダビの夜景が眼下に広がり始め…
アブダビ国際空港に着陸しました!
おかげさまで快適な11時間でした。素敵なフライトをありがとうございました♪
ラウンジへ
次便のカイロ行きは2:40発ですので、待ち時間は3時間ほど。
初めてのアブダビではありますが、あまり時間もありませんし、入国せずにラウンジで過ごすことに。
UAEには非日常なホテルがたくさんありますので、次回はアブダビにも立ち寄ってみたいものです。
乗り継ぎ便の搭乗まではビジネスクラスラウンジへ。
ラウンジ内の様子はこちらの記事をご覧ください♪
今回の経費
ご参考までに、今回の特典航空券にかかった経費はこちら。
ANAマイル:110,000マイル
諸税費:99,510円
円安・燃油高もあって諸税はそれなりに高額でしたが、エティハド航空ビジネスクラス4区間分ですので、出す価値はあったと思っています!
最後に
ということで、今回はエティハド航空ビジネスクラス、成田-アブダビ搭乗記をお届けしました。
私にとっては初めてのエティハド航空だったわけですが、分かりやすく豪華絢爛なエミレーツ航空(これはファーストクラスだったので単純に比較できませんけれども)やカタール航空に比べると、若干庶民派かな?という印象を受けました。
とはいえ、設備や機内食に中東ならではのエッセンスが凝縮されていて、異国情緒も感じられ、素敵なエアラインであることは間違いありません。
今回は思いがけずANA特典航空券で搭乗することができて、大変ラッキーでした!
もし機会があれば、世界最高峰と言われるファーストクラス「ザ・レジデンス」にも、いつか乗ってみたいものです。
次便の搭乗レポートや、エジプト滞在記も是非併せてどうぞ。
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我が家はこの方法で、お盆・正月は必ず家族全員で宮崎に帰省するほか、海外旅行にも毎年複数回出かけられるようになりました!
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