ワンワールド(The oneworld Alliance)は、世界的な規模の航空連合の1つで、スターアラインアンス・スカイチームと共に世界3大アライアンスに数えられています。
日本の航空会社ではJAL(日本航空)が加盟しており、JALの上級会員になれば、自動的にワンワールドの上級会員になることが可能です。
ワンワールドの上級会員になると、JALの飛行機を利用する場合だけでなく、他の加盟航空会社においても特別なサービスを受けることが出来ます。
私の場合、JGC修行(JGP修行)によって、ワンワールドの最上級会員である「エメラルドメンバー」になりました。
また、ANAでもSFC修行・ダイヤ修行を行いスターアライアンスの最上級会員「ゴールドメンバー」になることが出来たため、世界3大アライアンスのうち2つで最上級会員に到達したことに。
2つのアライアンスは共通点も数多くありますが、実は最上級ステータスの特典内容には大きな違いがあります。
今回は、ワンワールドの最上級ステータスである「エメラルド」の解説と、スターアライアンス「ゴールド」との比較について、私自身の経験を交えて解説していきます。
ただし、JALの半永久的なサファイアステータスであるJGCの入会条件は2024年から厳しくなっています。
ワンワールドの概要
まずoneworldには2024年現在、以下のエアラインが参加しています。
(ワンワールド公式サイトより)
- アラスカ航空
- アメリカン航空
- ブリティッシュ航空
- キャセイパシフィック航空
- フィンエアー
- イベリア航空
- 日本航空(JAL)
- マレーシア航空
- カンタス航空
- カタール航空
- ロイヤル・エア・モロッコ
- ロイヤルヨルダン
- スリランカ航空
- フィジーエアウェイズ(Oneworld Connect)
- オマーン航空(加盟予定)
加盟航空会社同士なら乗り継ぎもシームレス。占めて170地域900以上の都市へのネットワークがあり、数百箇所のラウンジを利用することができます。
さらに台湾の新規フルサービスキャリアStarlux(スターラックス)航空も、2025年までにワンワールドに参入するのではないかと言われています。
ワンワールドのステータスランク
ワンワールドのステータスには「エメラルド」「サファイア」「ルビー」の3つがあります。
最もランクが高いステータスが「エメラルド」、その次が「サファイア」、そして「ルビー」が最も下のランクです。
このステータスは、基本的にワンワールドに加盟している航空会社の飛行機に乗り続けることでランクアップしていきます。
それぞれJALの上級会員ステータスとリンクしていますので、日本在住の方であればJALの飛行機を利用して獲得していくのが一般的・効率的でしょう。
JALのステータスがそれぞれどこにリンクしているのかは、こちらの図をご覧ください。
JALステータスの獲得方法については別記事もご参照ください。
ワンワールドのエメラルド特典
それでは、ワンワールドの最上級会員「エメラルド」に到達すると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ワンワールドエメラルドメンバーは、加盟航空会社において搭乗クラスを問わず、以下の特典が利用可能となります。
- ファーストクラス/ビジネスクラスチェックインカウンターの利用
- ファーストクラスラウンジ/ビジネスクラスラウンジの利用
- 優先空席待ち
- 空港での優先搭乗
- 座席の優先指定
- ファストセキュリティレーン
- 手荷物許容量の優待(プラス1個または20Kg)
- プライオリティバゲッジサービス
最上級会員だけあって、かなり充実した特典となっていますね。
ちなみに、ルビー、サファイア、エメラルドの特典を比較すると、下記のような違いがあります。
※ワンワールド公式HPより抜粋
スターアライアンスゴールドメンバーとの比較
ここまでは、ワンワールドの最上級ステータスである「エメラルド」について詳しくご紹介してきました。
一方、ANA(全日本航空)が加盟する航空連合スターアライアンスでは、「スターアライアンスゴールド」というステータスが最上級とされています。
ワンワールドの「エメラルド」とスターアライアンスの「ゴールド」は、いずれも各アライアンスの最上級会員というステータスであるため、特典内容もかなり似ているのですが、その条件には大きな違いがあります。
分かりやすいように、ANAとJAL各社のステータスを、アライアンスステータスに当てはめてみましょう。各ステータスの到達条件(「プレミアムポイント」=PP、「フライオンポイント」=FOP)が揃うように表にしてみました。
スターアライアンス | ワンワールド | ||||
ゴールド | ANAダイヤモンド | 10万PP | エメラルド | JMBダイヤモンド | 10万FOP |
− | − | JGCプレミア(JGP) | 8万FOP※ | ||
ANAプラチナ | 5万PP | サファイア | JMBサファイア | 5万FOP | |
SFC | 5万PP※ | JGC | 1,500Life Statusポイント※ | ||
シルバー | ANAブロンズ | 3万PP | ルビー | JMBクリスタル | 3万FOP |
※SFCはスーパーフライヤーズカードの発行が必須。JGCプレミア、JGCはJALグローバルクラブカードの発行が到達条件。
まず決定的な違いは、ステータスランクの数。
スターアライアンスの会員ランクは「ゴールド」と「シルバー」の2段階であるのに対して、ワンワールドの会員ランクは、「エメラルド」、「サファイア」、「ルビー」の3段階となっています。
ワンワールドの会員ランクの方が、より細分化されているということですね。
また、ステータスランクの数が異なることで、スターアライアンスとANA、ワンワールドとJALのステータスの対応関係にも違いが出てきます。
例えば、スターアライアンスであれば、ANAダイヤモンド・ANAプラチナ・SFC(スーパーフライヤーズカード会員)の3者いずれもが最上級会員「ゴールドメンバー」になることができます。
けれど、ワンワールドでは、JMBダイヤモンド・JGCプラチナの2者しか、最上級会員「エメラルドメンバー」になることができません。
スターアライアンスの方がお得?
上記の比較結果だけを見ると、スターアライアンスであれば、年間5万PP獲得が条件となっているANAプラチナやSFCでも、最上級会員の「スターアライアンスゴールド」になることができるので、お得なように思えます。
一方で、ワンワールドは、年間5万FOP獲得が条件となっているJMBサファイアやJGCでは、最上級会員の「ワンワールドエメラルド」になることはできません。
・JALで5万FOP獲得→ワンワールド最上級会員にはなれない×
つまり、アライアンスの最上級会員へのなりやすさを考えると、スターアライアンスの方が簡単です。
しかし、スターアライアンスゴールドとワンワールドエメラルドには、その特典内容に違いがあります。このため、単純にスターアライアンスの方がお得とは言えないのです。
ワンワールドエメラルドなら、ファーストクラスラウンジが使えます!
スターアライアンスゴールドにはないワンワールドエメラルドならではの特典は、「ファーストクラスチェックイン」が利用可能な点と、「プレミアム・ファーストクラスラウンジ(一部対象外施設あり)」が利用可能な点。
つまり、ファーストクラスに搭乗するお客さんと同様に扱われるということです。
これらの特典は、例えばエコノミークラスに搭乗するような場合でも利用することができます。
特に、航空会社のファーストクラスラウンジは、ラグジュアリーな空間で美味しい食事やアルコールを無料で頂くことができ、かなり満足度の高いサービスです!
スターアライアンスでは最上級会員でもビジネスクラスラウンジ
一方スターアライアンスでは、海外の空港でラウンジを使う際、最上級のゴールドメンバーであったとしても、原則としてファーストクラス用ラウンジを利用することは出来ません。
スターアライアンスでは、ほとんどの航空会社で、ビジネスクラス搭乗客向けのラウンジまでしか解放していないのです(例外:ルフトハンザドイツ航空セネターラウンジ)。
・スターアライアンスゴールド⇒ファーストクラスラウンジが使えない×
スターアライアンスの場合、ANA上級会員がANA直営ラウンジを使う分には、ダイヤモンドメンバーがスイートラウンジ、プラチナ・SFCがANAラウンジと棲み分けられるのですが、加盟他社のラウンジを使う際には、上記ランクの会員はすべて同格のスターアライアンスゴールドとして扱われ、差別化されません。
ANAダイヤモンドメンバーからすると、ちょっと損した気分かも?
自社便のファーストクラス利用者でないと入室できないと規定している場合もあります。
例:フランクフルト・ミュンヘン空港ルフトハンザドイツ航空HON(ファーストクラスラウンジ)、チューリッヒ・ジュネーブ空港スイスインターナショナル エアラインズHON(ファーストクラスラウンジ)、ウィーン空港オーストリア航空HON(ファーストクラスラウンジ)、シンガポール航空プライベートルーム、バンコク空港タイ国際航空スパラウンジ
※ワンワールドにも同様の規定あり
スターアライアンスゴールドのメリットは?
続いてスターアライアンスゴールドの特典内容は下記の通り。
- 空港での優先チェックイン
- 手荷物取り扱いの優先
- 空港ラウンジのアクセス
- 優先搭乗
- 手荷物許容量の追加(20kgまたは1個)
- ゴールドトラック
- 優先空席待ち予約
- 空港での空席待ちの優先
ほとんどがワンワールドサファイアと同様なのですが、手荷物許容量の追加については、ワンワールドエメラルドと同等です。
スターアライアンスのメリットはというと、毎年飛び続けずともスターアライアンス最上級ステータス「ゴールド」を維持できるという点。
というのも、JALのJMBダイヤモンドやJGCプレミアは一年限りのステータスとなるため、継続させるためには毎年それなりに飛行機を利用し続ける必要があります(最低でも毎年8万FOPを稼ぎ続けなければいけません)。
一方スターアライアンスの場合、ANA SFCを取ってしまえば、あとはカードの年会費を支払うことで、半永久的にスターアライアンスゴールドステータスを持ち続けることが出来るのです。
・スターアライアンスゴールド⇒毎年飛行機に乗り続けなくても維持できる○
また、スターアライアンスメンバーの方が加盟社数、就航都市数が多いため、自然ラウンジの数も異なります。ワンワールド600ヶ所に対し、スターアライアンスはなんと1,000ヶ所以上。
スターアライアンスゴールドの方が、より広範囲でステータスを活かすチャンスがあるというわけですね。
まとめ
あくまで個人的見解ですが、ワンワールドとスターアライアンスの最上級ステータスについて比較してみた結果、
- ワンワールドエメラルドの魅力は、何と言っても加盟他社ファーストクラスラウンジを利用できること。
- スターアライアンスゴールドのメリットは、年会費を支払えば維持できることと、手荷物許容量や利用可能ラウンジ数が多いこと。
…というお話でした。
同じスターアライアンスゴールドメンバーでも、ANAダイヤモンドメンバーだとコスパ低めに感じられ、SFCだとちょっと得した気分が味わえる、というところでしょうか。
どちらのステータスの方が取りやすいかというと、JAL修行のルールが改悪された今となっては完全にANAです。
比較的貯めやすいANAマイルを使うことで無料で取得できるのも大きなポイント。
スターアライアンスは欧米路線が充実しているため、ヨーロッパ好きな我が家にはとても重宝しています。
ワンワールドエメラルド最大のメリットは、キャセイパシフィック航空の香港ファーストクラスラウンジ「ザ・ウィング」など、評判の珠玉ラウンジが利用できる点。いわば、ファーストクラス搭乗客と同様のメリットを受けられるというところです。
ただし、到達にはそれなりの苦労が伴います。
両方のメリットを上手く活用できたらいいですね。
陸マイルを貯めて気軽に旅に出よう!
航空会社のマイルは、飛行機搭乗やクレジットカード決済ではなく、ポイントサイトを使うことで大量に貯めることが出来ます。
我が家はこの方法で、お盆・正月は必ず家族全員で宮崎に帰省するほか、海外旅行にも毎年複数回出かけられるようになりました!
マイルを貯めて、気軽に旅行へ出かけましょう♪
これまでの空港ラウンジ訪問記はこちらにまとめています↓