中東カタール・ドーハを本拠地とする「カタール航空(Qatar Airways)」。
カタール国営の航空会社であり、ナショナル・フラッグ・キャリアとされています。
ANAやJALと比べると、日本での知名度はそれほど高くはありませんが、世界的に見れば、その評判は最高クラス。エミレーツ航空・エティハド航空と共に、中東御三家の一角をなすファイブスターエアラインとして知られる航空会社です!
「飛行機好きなら一度は乗ってみるべし」と言われるエアライン「カタール航空」。
今回は、その特徴でもある「細やかなホスピタリティ」と、潤沢なオイルマネーを背景とした「豪華で贅沢なサービス」について詳しくご紹介します!
フライト情報
まず、今回搭乗するフライト情報はこちら。東京・羽田空港から、カタール空港の本拠地であるドーハ・ハマド空港へ向かうQR813便のビジネスクラスを利用しました♪
便名 | QR813 |
機材 | A350-900 |
フライト区間 | 東京(羽田国際空港) ⇒ ドーハ(ハマド国際空港) |
出発時刻 | 0:01 |
到着時刻 | 6:00(東京とカタールの時差は6時間) |
フライト時間 | 約12時間 |
搭乗開始!
この日は出発時刻が11分早まり、23:50に発つことになりました。聞くところによると、当該便はよく出発時刻が早まるようです。
数時間前からJALファーストクラスラウンジで待機していたため、特に慌てずにすみましたが、ギリギリを目指して空港に来ると焦ってしまいそうですね。
ラウンジ内の案内板には、搭乗時刻が表示されていなかったので、ファーストクラスラウンジのスタッフさんに尋ねたところ、「搭乗が開始されたらアナウンスしますので」とのこと。
私は出来れば人が少ないうちに機内の写真を撮りたかったので、30分前を見計らって搭乗口へ。
すると、すでにビジネスクラスやワンワールドエメラルド・サファイアメンバーの優先搭乗が始まっていました。
さっそく乗り込むとしましょう!!
静音性の高い飛行機A350-900
本日の機材はA350-900。
エアバス社が誇る大型機で、静音性が高く、今もっとも静かな飛行機とも言われています。CO2排出量も大幅に低減されており、人にも地球にも優しい機種です。
これから12時間、お世話になります!
2020年現在はより新しいA350-1000が投入されています。東京便にも待望のQスイートが登場しました。
ビジネスクラスシートマップ
A350-900のビジネスクラス部分のシートマップはこちら。
シートスペック
シートスペックはこちら。当然フルフラット可能ですので、長時間でも快適に過ごすことが出来そうです。
シート数 | 36席 |
シートピッチ | 127cm |
シート幅 | 55.9cm |
リクライニング角度 | 180度 |
ピンク色の機内
乗り込んでまずびっくり!全体的にピンク!!
そして、哀愁漂うアラビアンなBGMがかかっています。まだ飛行機に乗ったばかりなのに、すでに外国に来た感満点!
外資系では、これまでにシンガポール航空・キャセイパシフィック航空・タイ国際航空・ルフトハンザ航空・スイスエアを利用したことがありますが、これほどまでに異国情緒溢れるキャビンは初めての体験です。
窓側ソロシートを選択
座席は、5列目窓側のソロシートにしました。
ちょっと窓側に向けて角度がついたヘリンボーン式。このスタイルも初めてです。仕切り自体は低めなので、あまりプライベート感がないのかなと思いきや、角度のおかげでお客さん同士の目が合いにくく、思った以上に快適でした。
テレビの下はこんな感じ。
1シートで窓3つ近くを占めていますので、ビジネスクラスとしては奥行きが深い方なのではないでしょうか。座った状態では、どう頑張ってもオットマンまで足が届きませんでした。
シートの幅はそれほどありませんが、普通体型なら問題はなさそうです。
収納
こちらのシート、手の届く範囲にいくつも収納があります。
右下には三角形の深いボックス。
その上部には、ユニバーサル電源やUSB電源、端子が並んでいました。
左にはヘッドフォンとペットボトルホルダー。
足元の引き出しは、靴を収納するためのものだそう。座席をフルフラットにすると、靴の置き場に困ることも多いので、こうしてしっかり収納場所が確保されているのはいいですね!
シート周辺設備
コントローラーはタッチパネル式。
もちろん日本語も選択可能です。輝度も高く、反応もバッチリでした。
リクライニングは、右のパネルで調整することができます。
そして、この機材の面白いところは、外部3箇所にカメラが取り付けられているところ!前・下・後ろからの風景を、リアルタイムで鑑賞することができるのです。
例えば、後ろからの画像はこんな感じ。
おそらく尾翼に付いているのでしょう。かなり高い角度から旅客機全体を写しています。
こういう感じで自分の乗る飛行機を見るのは初めて!不思議な気分を味わうことができました。
アルマーニのアメニティ
アメニティは「ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」。いわゆる”初代”アルマーニとして知られるブランドです。
アルマーニは、その他にもエンポリオ・アルマーニ(EMPORIO ARMANI)や、アルマーニ・エクスチェンジ(ARMANI EXCHANGE)等のブランドを展開していますが、ジョルジオ・アルマーニは、それらとは一線を画する高級ライン。
さすがカタール航空といったところでしょうか。
中には、ジョルジオ・アルマーニの「Si」というラインのミニ香水とボディクリーム、オランダの化粧品メーカー「Rituals..(リチュアルズ).」のリップバーム、靴下、耳栓、アイマスク、ヘアブラシが入っていました。
香水とボディクリームはいかにも外資系!といった感じで、相当香りが強かったです。日本人の場合、好き嫌いがはっきりと分かれるかもしれません。
アメニティとして香水が入っているのは、日本人にとってみるとちょっと意外ですが、他にも同様のエアラインはいくつかあります。
ちなみにカタール航空では、エコノミークラスでも1人1人に基本的なアメニティを配ってくれるのだとか。とっても贅沢なサービスですよね(ビジネスクラスとは内容品が異なります)。
ビジネスクラスでもパジャマが貰える!
さらに、カタール航空のビジネスクラスでは、なんとパジャマとスリッパも頂けます!
大多数のエアラインでは、ファーストクラスでしか提供していないのですが、さすがは中東御三家です。CAさんがサイズを選んで持って来てくれました。
ロンドンの「THE WHITE COMPANY」というメーカーが作っているようです。
ロンドンではメジャーなお店のようで、今回の旅の中で訪れた、キングスクロス・セントパンクラス駅構内にもテナントがあるのを発見しました。
中身はグレーのシンプルなパジャマ上下と、黒のスリッパ。
今回もサイズはSでした。丈が長すぎることもなく、丁度いいゆとりで着心地も良かったです。
ちなみに、これまでに乗ったファーストクラスで提供されているパジャマについては、こちらの搭乗記をどうぞ。
カタール航空ビジネスクラスの機内食&ドリンク
国際線ビジネスクラスのお楽しみといえば、何と言っても機内食&ドリンク!
カタール航空では、特にレベルの高い飲食物を提供していることで知られています。実際のところはどうなのでしょうか?順にご紹介していきたいと思います!
ドリンクのメニュー
まず、ドリンクメニューから見てみましょう!
シャンパンは、Lanson(ランソン)の白とロゼが用意されていました。
参考小売価格は、白が6,000円、ロゼが7,800円とのことでした。
白ワインは、フランスのJean Marc Brocard(ジャン・マルク・ブロカール )と、イタリアのAttems(アテムス)。
さらに、アメリカ・カリフォルニアのWhite Knight(ホワイト・ナイト)と、フランスのChateau Branaire-Ducru(シャトー・ブラネール・デュクリュ)。ホワイトナイトの方は10ドル台前半で購入可能なアメリカの銘柄ですが、ブラネールは1万円前後となかなかのお値段。評判も良いようです。
デザートワインのLamothe Guignard(ラモット・ギニャール)と、ポートワインのGran CRUZ(グラン・クルーズ)。
もちろん、その他にも多数のドリンクが用意されていました。日本発着路線では、日本酒、焼酎、焙じ茶も提供されます。
機内食メニュー
日本発着便ですので、機内食メニューには和文表記もありました。
基本は好きな時に好きなものを注文できるアラカルト方式。和食懐石もなかなか美味しそうですね。
ウェルカムドリンク
荷物をしまい終えた頃に、ウェルカムドリンクサービスが回って来ました。もう夜も遅いので、デカフェのカフェオレをオーダー。
コーヒーマシンが用意されていて、カプチーノなども提供できるのだそうです。
この時はあいにく故障中とのことで、カフェオレにしましたが、ちゃんと温めた牛乳で作られていて、ホッと一息つくことができました。
ちょっとしたことですが、こんなところにも「地上以上に美味しいものをサーブしよう!」という心意気を感じることができます。
早々に就寝
離陸後、すぐに1回目の機内食提供が始まるのですが、既に深夜0時を回っていますし、今後の旅程に備えて早速就寝することに。
ベッドの用意をしていると、すかさずCAさんがベッドパッドを持ってきてくれました。キルトの薄いものではありますが、サラサラでとても肌触りのいい生地!快適なベッドの完成です。
結局、12時間のフライト中、7時間ほどぐっすり眠ることが出来て、体も頭もスッキリしました。
消灯中、キャビン中央付近にはバーカウンターが出現
起床後、ちょっと小腹が空いたので、ビジネスクラスキャビンの中央付近にあるカウンターを覗いてみることにしました。
カウンター上には、ワインやシャンパン、スナック類、フルーツが、バラの花びらと共に美しく並べられていました。グラスもオシャレにディスプレイされていますね。
飛行機が揺れたら床に落ちて割れたりしないか、ちょっと心配になってしまいますけれども、とにかくオシャレ!!
スナックの充実度が嬉しい
スナックは、イギリス製のトマトブルスケッタ(小さなラスクのようなもの)やりんごチップス、オーストリア製のフリーズドライのブルーベリーやラズベリーをチョコでコーティングしたものなど、大好きなものばかりで嬉しい!
これほどオシャレで充実したスナックバー、初めて見ました…!
通りがかったCAさんの「好きなだけたくさん持って行って下さいね」とのお言葉に甘えて、2袋頂いてきました。
他に並べられている、ウォーカーズのショートブレッドやゴディバのチョコレートは、CAさんが持って来てくれたものです。
ご飯を食べるほど空腹ではないけれど、というタイミングにバッチリでした。美味しいお菓子に囲まれる幸せ、堪えられませんね!
アクシデント発生!
お菓子やお茶は美味しいし、仕事もはかどるし、カタール航空最高だな~♡なんて思っていたのですが、最後の最後にアクシデント発生!
一体何がどうしてそうなったのやら、今となっては思い出せませんが、テーブルの上に置いてあったノートPCが、つるつる~っと壁とシートの隙間に吸い込まれてしまったのです!!
一見すると、指も入らないくらいのほんのわずかな隙間。
まさかそんな隙間にうまいことぴったり、微塵も引っかかることなくPCが落ちるなんて…としばし呆然。とても自分でなんとか出来そうな感じではなく、到着地のエンジニア案件になってしまうことは一目瞭然でした。
忙しい中、スタッフさん達にいらぬ面倒をかけてしまう申し訳なさはもちろんのことながら、ドーハ到着1時間後に控えているパリ行きに、果たして間に合うのでしょうか…。
CAさんによれば、この隙間を開けるのはもしかすると難儀するかもしれない、万一の時にはPCを後から届けるので、連絡先を渡しておくことと、もし作業完了までドーハで待つのなら、次便に振り返られるかの確認まで並行して行ってくれることになりました。
本当に、申し訳ないやらありがたいやら…
何人ものCAさんがとても親身になってくれて、何とか取れないか頑張ってみたり、似たような経験があるので、気持ちはとてもよくわかると慰めてくれたり、本当に嬉しかったです。さすがは5スターエアライン。
不安の中朝食
とりあえず、心配しても仕方がないので、今できることをしましょう!と、朝食を勧めてくれました。おっしゃる通り、今後どうなるにせよ、まずはしっかり食べて備えなくては。
ということで、注文した朝食はこちら。
バターミルクワッフルと、リンゴと葉野菜のエナジャイザー(ヘルシードリンク)です。
正直、気持ちをきっぱり切り替えるまではなかなか至らず、とにかく飲み込まなきゃ!という感じだったのですが、バターの風味が濃くて、添えられたフルーツまで美味しかったです。ドリンクの方も自然な甘みで、いかにも健康になれそうな味でした。
カタール航空で出てくるものは、どれも「いかにも」な機内食味ではないんですよね。それが本当にすごいことだと思います!
ドーハに到着
そうこうするうち、眼下にはエメラルドグリーンの海と、砂色の街が広がり始めました。生まれて初めて見る中東の街並みです。
ドーハには定刻よりも早く着陸する予定でしたが、何らかの事情で迂回。
結局、定刻ちょっと過ぎに到着しました!
この後、落としてしまったPCを探す作業があるため、作業員さんが来るまで降りずに待機です。
パソコン発掘作業開始
ビジネスクラスの乗客が全員降りた後、作業員さんが前の入口から入って来ました。
どこに落としたのか、何色のPCなのかを伝えて、作業開始。
蓋自体は5分ほどで開いたはいいものの、出て来るのはこれまでに他のお客さんが落としたと思しき機内誌の山のみ…。
一体どこにいってしまったのでしょうか。
さらに待つことしばし。
作業員さんから返ってきた答えは、まさかの「NO!(ない!)」
えーーーーーーっ(涙)
さすがに蓋さえ開けば、すぐ見つかるだろうと思っていたのに…。
CAさんが「前後にスライドしてしまったのでは?」と作業員さんに尋ねるも、「それはあり得ない、本当にここに落としたのか?」と疑われてしまう始末。
これはもう、パリ行き無理かも…。
奇跡的に発見!
私も作業員さんも半ばあきらめモードでしたが、一人のCAさんがおもむろに一つ後ろの席に近づいて、ゴソゴソ…
「あった!!」
なんと、自席ではなくその後ろの席で発見!?
各ブースごとに仕切りがあるため、別のシートまで移動することはないはずが、着陸時の衝撃のためか、後ろの席までスライドしてしまったらしいのです。
「取れそう!」
CAさんが懸命に手を伸ばします。
すると、…
……
「取れたー!!」
無事PCが取り出され、機内にいた皆で拍手喝采の大歓声!!
作業を始めて15分ほど、一時はどうなることかと思いましたが、おかげさまで無事にPCが戻ってきました。
本当に助けて下さった皆さんには、感謝のしようもありません。
次のパリ便にもなんとか間に合い、ことなきを得ました。もちろん乗ってきた機材も、次便のスケジュールに影響することなく済んで、一安心。
ビジネスクラスのシートは複雑なため、物を落とさないよう細心の注意を払っていたつもりでしたが、もっと気をつけておかなければならないと改めて学んだフライトになったのでした。
最後に
初のカタール航空は、ビジネスクラスということもあり、素晴らしいシートに美味しい機内食、そして親切なCAさんを始めとしたスタッフの皆さんのおかげで、忘れがたいフライトとなりました。
全体的に、5スターらしく安定感のあるオペレーションがなされていることを実感。
これまであまりご縁のなかった中東系エアラインでしたが、これからはぜひ積極的に利用していきたいと思います!
続くパリ行きの便は、本当にここは飛行機なの!?と疑うほどにラグジュアリーなバーラウンジ付きで、一層素晴らしい体験が出来ました。
なお、今回の到着時にはあいにく利用することができませんでしたが、帰国前に利用したハマド国際空港のカタール航空ラウンジもびっくりするほど絢爛豪華!!
パリ・シャルル・ド・ゴール国際空港のカタール航空プレミアムラウンジも美味しいものいっぱい!至福の時間を味わえます。
パリからドーハまでは「世界一のビジネスクラス」と名高いQsuite(Qスイート)を利用。素晴らしい体験となりました!
あまりにも気に入ってしまったので、2019年・2020年も搭乗予定です!
豪華すぎるアル・サファ・ファーストラウンジは必見です!
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今回は、JALのJGC/JGP修行の一環としてカタール航空に搭乗しました。詳しくはこちらをどうぞ♪
これまでの搭乗記はこちらでまとめています(リンク集)
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