2020年に誕生したJAL日本航空のLCC、ZIPAIR(ジップエア)。
人気路線の成田〜ハワイ・ホノルルが、「スタンダードシート(Standard)」で片道2.9万円からという低価格、そしてLCCなのにビジネスクラス相当の「フルフラットシート(ZIP Full-Flat)」があるということでも大変話題になりました。
両者にはどのような違いがあるのでしょうか?
ということで今回は、ZIPAIAのスタンダードとフルフラットの比較を中心に、ホノルル-成田の搭乗記をお届けします♪
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今回のフライト情報
さて、今回のフライト詳細は以下の通り。
便名 | ZG001 |
区間 | ハワイ・ホノルル→東京・成田 |
出発時間 | 9:55 |
到着時間 | 13:15 |
フライト時間 | 8時間20分 |
シート | フルフラット |
ANAやJAL、UAなどもホノルル発東京行きの便を運航していますが、今のところこのジップエアが一番早く出発する便です。
ダニエル・K・イノウエ国際空港に到着
この日は朝の7時にワイキキを出発。
ハイウェイに乗るまではかなり渋滞していましたが、30分ほどで無事空港に到着しました。
ZIPAIRと書かれた車寄せからチェックインカウンターまでは、壁やドアなど遮るものもなく、ほんわずかな距離。
成田空港での出発時とは異なり、誰も並んでいませんでした。
ZIPAIR搭乗時に注意すべき点などは、こちらの記事をご覧ください!
出国
スムーズにチェックイン手続きが完了しまして、出国ゲートへと向かいます。
この時間帯は、近くにあるJALカウンターもオープンしておらず、全体的にしんと静まり返っていましたが、出国審査場はそれなりに混雑しており、20分ほど並ぶ必要がありました。
手荷物検査と出国審査を経て、制限エリアへ。
出国審査場付近にはいくつか開いているお店もありましたが、少し離れるとこの通り開いているお店はほぼ見当たりませんでしたので、お土産は空港に来る前に購入しておいた方がよさそうです。
搭乗ゲートへ
この日の搭乗ゲートはC1。出国後、右方向へのんびり7〜8分ほど歩いたところにあります。
(ダニエル・K・イノウエ国際空港公式サイトより)
プライオリティパスがあれば、ハワイアン航空のプルメリアラウンジを利用することも可能ですが、これからだとゆっくり出来るかどうか微妙な時間でしたので、早々に搭乗口へ向かうことにしました。
歩みを進めていくと、前方にZIPAIRの飛行機を発見!
ダニエル・K・イノウエ国際空港はオープンエアになっている箇所が多く、最後までハワイの爽やかな風を感じることができます。国際空港では、あまり類を見ない構造ではないでしょうか。
搭乗待合室でしばし待機
さて、こちらがC1ゲートです。
各搭乗口前にはロープが張られ、スタッフさんにパスポートと搭乗券を提示しないと入れない仕組みになっていました。
お手洗いなどで外に出る場合は、戻ってくる時に再度本人確認が必要です。
出発までおよそ1時間となっても、待合室内にはほとんどお客さんがいません。今日の便はかなり空いているようです。
窓の外にはピカピカに輝くB787-8が。
大きなトラブルもなく、無事日本に帰れそうで何よりです。
搭乗前の買い出し
なお、前回の搭乗記でご紹介した通り、ZIPAIRでは水を含む全ての飲食物が有料。
国際線搭乗時、100mlを超える液体物は手荷物検査場での放棄を余儀なくされるため、必要な場合は搭乗待合室もしくは機内で購入することになります。
C1ゲートの近くに開いているお店はなかったものの、このような自販機が設けられていました。Apple Payにも対応しており、海外にしては珍しく使いやすい自販機です。
が、お水は一本3ドルと高額でしたので、可能ならドリンクは機内に入ってから購入する方がいいかと思います(機内販売では一本250円)。
向かい側にはスナックも。
ポテトチップスやチョコレートなど、2ドルから販売されています。ドリンクよりもスナックの方が相対的にお手頃に感じられました。
娘がお腹が空いて機内食まで待てないということだったので、チーズとクラッカーのパックを購入。こちらは一つ2.5ドルです。
中には小さなクラッカーとチーズ2種類が別々に入っていて、子供は自分好みの配分で楽しみつつ、美味しく頂いていた様子。きちんと冷蔵保存されているのもよかったです。
海外にもジャパン・クオリティな自販機があるのですね。これも日系文化の息づくハワイならではでしょうか。
アメリカは物価が高いため、機内で購入した方が安いものもあります。
サンノゼ線に搭乗した時は、お水の空港販売価格が機内の2倍でしたので、機内販売を利用しました!
優先搭乗開始
出発30分前になり、いよいよ搭乗開始!
往路では優先搭乗はありませんでしたが、今回は最初にフルフラットシート搭乗客が呼ばれました。
その後2023年にサンノゼ線に搭乗した際にもこういったサービスはありませんでしたので、おそらくはホノルル発便独自の運用かと思われます。
PBBを渡りまして…
飛行機の入口へ!
これから8時間超、お世話になります♪
ZIPAIRフルフラットとスタンダードの違いとは
さて。
復路も往路と同様、フルフラットに搭乗するわけですが、今回はお客様が少ないとのことでしたので、CAさんのご協力を得て、気になっていたスタンダード席を見学・撮影することができました。
両者の違いを簡単にまとめると以下の通り。
フルフラット | スタンダード | |
料金(ホノルル発の場合) | 69,000円/573.20ドル〜 | 29,000円/202.90ドル〜 |
シート | ビジネスクラス相当 | エコノミークラス相当 |
料金については、日本発便は日本円・アメリカ発便はドル建てとなっています!
ソフト面(サービス内容)での違いは、特にありません。
両者はエコノミーとビジネスのようにクラスとして分かれているのではなく、あくまでシート機能だけが異なっており、それぞれに応じた料金がかかるというものです。
では、フルフラットとスタンダードを比較しつつ、詳しくご紹介します!
フルフラット
フルフラットシートはこの通り、最前方に18席設けられています。
(ZIPAIR公式サイトより)
1列目から5列目まであり、シート配列は1-2-1。
シートスペック
フルフラットシートのスペックは以下の通りです。
シートピッチ | 約107cm |
座席幅(肘掛け間) | 約51cm |
リクライニング角度 | 180度 |
ビジネスクラス相当
シートは本革製で、レガシーキャリアのビジネスクラスと同等のクオリティです。
「LCC価格なのにフルフラット」というコンセプトは、本当に痒い所に手が届くような素晴らしいアイデアですよね!
特にハワイ線は東京発が夜間フライトですし、ホノルル発便も疲れを癒しつつ時差ぼけを最小限に抑えるため、フルフラットが断然おすすめ。
現にハワイ線では、フルフラットから完売になるのだそうです。
後ろから見るとこんな感じ。
モニターはありませんが、無料Wi-Fiや手持ちのデバイスで鑑賞できる機内エンターテインメントが用意されていますので、特に問題にならないのではないかと思います。
プライバシーを考慮したシート
フルフラットシートはヘリンボーン式。窓側は外を向き…
中央列はお互いに向かい合う構造となっています。
ちなみにシートベルトは3点式。離発着時以外は、留め具を外して2点式として使用OKです。
スタンダード
そしてスタンダードキャビンはと言いますと…
(ZIPAIR公式サイトより)
18列目から57列目まであり、シート配列は3-3-3(一部2-3-2)の全272席。
ギャレーやバーカウンターを削減することにより座席数を最大限確保してあるとのことで、JAL国際線仕様787-8のエコノミークラスと比べると、定員は1.5倍となっています。
実際のキャビンの様子はこちら。
ギリギリまで定員を増やしているとのことですが、パッと見た感じでは、それほど詰め込まれている感はありませんよね。
シートスペック
スタンダードのシートスペックは以下の通りとなっています。
シートピッチ | 約79cm |
座席幅(肘掛け間) | 約43cm |
リクライニング角度 | 約8cm |
シートピッチはJAL国内線787と同等とのことでした。
スタンダードには五段階の座席指定料金がある
ZIPAIRは座席指定も有料。
フルフラットは一律14ドル/1,500円ですが、スタンダードは以下の通り5つに区分されています。
フルフラット | 一律 | 1,500円/14ドル |
スタンダード |
非常口座席または最前列座席 | 6,000円/55ドル |
前方通路・窓側座席 | 2,500円/23ドル | |
後方通路・窓側座席 | 2,000円/18ドル | |
リクライニング制限座席 | 500円/4ドル | |
その他の座席 | 1,500円/14ドル |
(ホノルル線の場合。日本発便は日本円/アメリカ発便は米ドル表記。2022年9月現在)
座席指定を行わない場合は、出発24時間前に自動的に振り分けられ、その後は一切変更できません。
(ダニエル・K・イノウエ国際空港ZIPAIRチェックインカウンターにて撮影)
足元を広く使いたいなら、最前列がオススメです(15歳以下は指定不可)。
55ドルというと、9月時点のレートで約8,000円。結構なお値段ではありますが、快適度がだいぶ違いますので、一考の価値はあるかと思います。
そして、14〜23ドルで指定できる一般的な座席はこんな感じです。
スタンダードシートの座り心地は?
CAさんのご厚意で、実際にスタンダードシートに座らせていただきました。
身長170cm強ですが、普通に座っている分には膝が前席に当たることはありません。
スタイリッシュなシート
座席は黒のフェイクレザー製。シートベルトは腰の部分で止める2点式です。
座席の裏側はこんな感じでシンプル。こちらもモニターはありません。
機能
背面の一番上には、カップホルダーを備えたタブレットスタンドが付いていました。
滑り止めが施されているため、iPadやスマホを安定した状態で置いておけます。
近くにUSBポート付きのユニバーサル電源がありますので、充電しながら使えるのもいいですね!
ちなみに、最前列シートの電源は足元にあります。
タブレットスタンドの下には、折り畳み式のテーブルが。
開くとこの通り、2倍の広さになります。
テーブルとタブレットスタンドが別に用意されているのは便利!
ポケットは中身が見えやすく、忘れ物をしてしまう可能性が減りそうです。
限界までリクライニングした席を、後席横から見た写真がこちら。
ちょっと分かりづらいかもしれませんが、8cm傾けることが出来るということです。
比較総括
ということで、スタンダードとフルフラットシートを比べてみた結果は、以下の通りとなりました。
スタンダード | フルフラット | |
運賃 | 2.9万円〜/209.20USD〜 | 6.9万円〜/573.20USD〜 |
座席指定料金 | 5段階(500~6,000円/4~55ドル) | 一律(1,500円/14ドル) |
リクライニング | 8cm | 180度 |
素材 | 人工皮革 | 本革 |
タブレット置き場 | ◯ | × |
電源 | ◯ | ◯ |
シートベルト | 2点式 | 3点式 |
どこに重きを置くかは人それぞれですが、個人的にはやはり低コスト・フルフラットがこのエアラインの醍醐味かな、と感じた次第です。
出発!
さて、まもなく出発の時間となりました。
往路では中央列を2席指定しましたが、今回連続して取れる席がなかったため、子供と通路を挟んでの隣同士です。
ちょっと体を起こせばこの通り様子を伺えますし、中央列はぐるっと通路を回り込まないと直接触れ合えない一方、こちらはすぐ駆けつけることができますので、この配席も意外と良いなと感じました。
ちなみに反対側のお隣は、地上滞在時から着陸に至るまでパーテーションが閉められており、どんな方が座っているのか最後までわからずじまいでした。
他のエアラインでは、離発着時にパーテーションを開けるよう促されることが多いため、これはちょっと意外でしたが、お互い気を遣わずに済んで大変よかったです!
プッシュバックが開始され、機体は滑走路へ向けて動き出します。
窓からは先ほど到着したばかりと思しきJAL機が見えました。
これからの8時間半、どんな旅になるのでしょうか。
機内食がスタート
離陸してしばらく経つと、お楽しみの機内食がスタートします。
ホノルル発便のメニュー
ZIPAIRの機内食は基本的には事前申込制で、ホノルル発便では5種類のメニューがオーダー可能。
- 鶏もも肉のグリル レモンガーリッククリーム添え
- ほうれん草とクリームソースのチーズラビオリ
- Wチーズがけミートボールトマトソース
- ハヤシライス
- 豚肉のマッシュルームクリームソース
なお、スマホから機内販売のページを開いてみると…
「ほうれん草とクリームソースのチーズラビオリ」のみ、当日購入可能となっていました。
とはいえやはり在庫には限りがあるので、確実に食べたい方は忘れずに予約しておくことをおすすめします(ホノルル発便の申し込み期限は出発48時間前)。
機内販売について詳しくは、往路搭乗記にてご紹介しています!
実際にいただいたメニュー
今回私は「ハヤシライス」、娘は「Wチーズがけミートボールトマトソース」を予約購入していました。
この日は、10:55にこれから配膳を開始する旨のアナウンスがあり、手元に届いたのが11:15。
まずこちらがハヤシライスです。
大きめのお肉がゴロゴロ、酸味が少なくコクがあって、洋食屋さんのような本格派。
ミートボールの方は柔らかく、チーズたっぷりで子供も大好きな味です。
ただ、機内ではどうしても避けられないことかと思いますが、ご飯の一部が固くなっていましたので、ルーと合わせながら食べるハヤシライスの方が気になりにくく、美味しく頂けるかも?と思いました。
フルフラットでまったり
食事が済んだら、残りのフライトは思い思いにタブレットやスマホを見つつ過ごしましょう。
前述の通り、ZIPAIRはWi-Fi無料に加えて、映画やオリジナル番組、電子書籍などのコンテンツを自分のデバイスで観られるサービスを提供しています。
さっそく背もたれを倒してゴロゴロしつつ、チャットをしたりネットサーフィンをしたり…至福のひとときです。
やはりフルフラットは最高ですね!!
あっという間に成田に到着
朝が早かったこともあり、その後はすっかり寝落ちしてしまいました…恐るべしフルフラット。
13:15到着予定のはずが、なんと1時間前には成田が目前に!?
結果的に、およそ50分もの早着となりました!
終始快適なフライトでしたので、早く着いて嬉しいような寂しいような、複雑な気分です。
7時間、大変お世話になりました♪
最後に
ということで、今回はスタンダードとフルフラットの比較を中心に、ZIPAIR搭乗記をお届けしました。
フルフラットはスタンダードに比べると約2.5倍の料金ではありますが、個人的にはその価値は十二分にあると思います。
スタンダードも少しだけ座った感覚では、レガシーキャリアと何ら遜色なく、やはり片道約3万円からというお値段は非常に魅力的です。
あくまでLCCですので、すべてのサービスが有料オプションであったり、救済措置がなかったりという独自ルールに戸惑うこともあるかもしれませんが、しっかり事前に確認することで、快適でコスパの良い旅ができることでしょう。
ZIPAIRは東京 – 成田国際空港を拠点として、以下の都市に就航しています。
- ソウル(韓国) – 仁川国際空港
- バンコク(タイ) – スワンナプーム国際空港
- シンガポール – シンガポール・チャンギ国際空港
- ホノルル(ハワイ) – ダニエル・K・イノウエ国際空港
- ロサンゼルス(アメリカ) – ロサンゼルス国際空港
- サンノゼ(アメリカ)-サンノゼ国際空港
- サンフランシスコ(アメリカ)-サンフランシスコ国際空港
- マニラ(フィリピン)-マニラ国際空港
- カナダ -バンクーバー国際空港
- ヒューストン(アメリカ)-サンフランシスコ国際空港 NEW!2025.3.4~
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