ヨーロッパ有数の世界都市、オーストリア・ウィーン。
この街で最高級ホテルとして最初に名が挙がると言っても過言ではないのが、マリオット系列の5つ星ホテル・ホテル インペリアル ラグジュアリーコレクションホテル ウィーンです(以下、ホテルインペリアルウィーン)。
1873年にヴュルテンベルク王子・ヴィルヘルム2世の宮殿だった建物を改装・開業したという経緯を持つホテルで、世界各国の王侯貴族を顧客とし、2002年には現・上皇陛下ご夫妻もお泊まりになったのだとか。
その内部は、元宮殿だけあって豪華絢爛!束の間、貴族気分に浸れること間違いなしです。
今回はアップグレード可否等を含めて、詳しくレポートしたいと思います。
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ホテルインペリアルウィーンは観光にぴったりの立地
ホテルインペリアルウィーンがあるのは、ウィーンの中心地を取り囲む環状線「リンクシュトラーセ(ケルントナー・リング)」に面したところ。最寄駅の地下鉄カールスプラッツ駅からは徒歩3分ほどです。
ホテルからは、楽友協会やカールス教会、オペラ座が徒歩5分圏内という素晴らしいロケーション!初めてのウィーン観光にもイチオシのエリアです。
世界に名だたる一流ホテルですから、ハイヤーで颯爽と乗り付けるのが本来あるべき姿なのかもしれませんが、そこは庶民。私たちは無理せず地下鉄でやって来ました(笑)。
ホテルインペリアルウィーンの外観はこちら!
それほど大きくはないものの、その壮麗な佇まいに圧倒されてしまいます。
スタッフさんは気さくで親切な人ばかり
入口には常にドアマンさんがいて、通りかかるたびに挨拶してくれたり、「何かお手伝いしましょうか?」と聞いてくれたりと、とっても親切。
歴史やホテルランクを鑑みても、最上級に格調高いことには間違いないのですが、予想に反してとっても気さくな接客だったことには驚きました。けれど、むしろこれが一流の証なのかもしれません。
そしてそれはドアマンさんだけではなく、フロントやレストランでも同様。
全てのスタッフさんがちょうど良い距離感と親近感を心がけていらした様子で、滞在中はどこにいてもとても居心地のよい印象を受けました。
レセプション
こちらがエントランス入ってすぐのレセプションです!
コンパクトながら、きらびやかなシャンデリアが空間を彩り、まるでお城か美術館に来たかのような錯覚を覚えます(実際に以前はお城だったわけですけれども)。
レセプションの奥には、映画にでも出てきそうなこんなラグジュアリーなホールがあったり、
絶大な人気を誇るオーストリア皇太后・エリーザベトの肖像画なども。
美術館顔負けのゴージャスさでした!
パリのウェスティンや、サンフランシスコのパレスホテルに通じるものがあります♪
マリオットボンヴォイ特典・アップグレード結果は?
それでは、チェックインをお願いしましょう。
チェックイン時のお楽しみは、マリオットボンヴォイの特典の1つである『お部屋の無償アップグレード』。
マリオットボンヴォイ系列ホテルでは、エリートメンバー(上級会員)のステータスを保有していると、その日の空き状況次第で、予約したお部屋よりも高いカテゴリーのお部屋に案内してもらえるのです。
私は今回「マリオットボンヴォイ・チタンステータス」を持っての宿泊なので、運が良ければスイートルームを含めたお部屋へアップグレードされる可能性も。
さて、結果はというと…
「エリザベススイート」か「エグゼクティブジュニアスイート」へアップグレード!
…
……『か』??
「か」とは一体どういうことなのかと言いますと、なんとスタッフさんのご厚意で、どちらか好きな方を選んでよいですよ、ということらしいのです。いわば「選べるアップグレード」。
こんな展開は初めてのことでびっくりです!
こちらのホテルでは、チェックイン担当のスタッフさんが、そのまま客室までエスコートするというのが慣例のようですが(そんなサービスも初めてのこと)、ホテル全体の案内がてら両方のお部屋を見せて頂きまして、結局最上階のエグゼクティブジュニアスイートをお借りすることにしました♪
ちなみにルームカテゴリと参考料金はこちら。
- クラシックルーム ←元々の予約
- デラックスルーム
- ジュニアスイート
- エグゼクティブジュニアスイート ←アップグレード提案 <決定!>
- エリザベススイート ←アップグレード提案
- メゾネットスイート
- マリアテレジアスイート
- インペリアルスイート
- ロイヤルスイート
ご覧の通り、クラシックとデラックス以外は全てスイートです。今回のウィーン行きにあたり、大いに参考にさせていただいたmoonbowさんの記事によると、このホテルの半数近いお部屋がスイートなのだそう。
エグゼクティブジュニアスイートより、エリザベススイートの方がランクも料金も上なのですが、こちらのホテルではエリザベススイートを含む「伝統的なスイートルーム」は1階(日本式2階)に集められているため、どちらかというと光量控えめで落ち着いた雰囲気。水周りも清潔ではあるものの、かなり時代を感じさせました。
(エリザベススイート:ホテルインペリアルウィーン公式サイトより)
一方のエグゼクティブジュニアスイートはというと、最上階の角部屋なので開放感も程よく、そして設備にも現代感あり。
最終的な決定権は、今回の旅の主役である娘(誕生日旅行でした)に委ねたのですが、子供にはやはり重厚な歴史や伝統よりも、明るさの方が重要だったとみえます。そして結果的には、私にとってもこの選択で正解でした!
それでは引き続き、お部屋について詳しくご紹介していきましょう。
その後2024年にはエリザベススイートに宿泊しました。両方体験してみた結論としては、やはり明るさを求めるなら上階がおすすめです!
ホテルインペリアルウィーンのエグゼクティブジュニアスイートとは
今回のお部屋は、5階の506号室。
オーストリアでは、1階を0階として数えますので、日本式に言うと、ここは6階にあたります。
さっそくドアをオープン!
まずはゆったりとしたリビングルームと、その奥にベッドがお目見えしました。エグゼクティブジュニアスイートの広さは65平米。さすが贅沢なゆとりが感じられます。
二面にバルコニー付き!
手前には、バルコニーへと続くドアが。
しっかりドアガードが付いていて、外に出ることも出来ます。ゴールドに輝くヴュルテンベルク家の紋章がカッコイイですね。
外に出てみると、ヨーロッパ中規模都市らしい風景が広がっていました。ちょっとだけ、ウィーンの住民になった気分が味わえます。
お部屋の奥には、もう一つのドアが。
外に出てまず目につく正面、緑のドームは、バロック建築の傑作・カールス教会の屋根です。
そしてその手前の建物は、ウィーン楽友協会(Wiener Musikverein:ヴィーナー・ムジークフェライン)。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地として知られ、またかの有名なピアノメーカー・ベーゼンドルファーも入居しているのだそうです。夜コンサートに行く方にも、このホテルはうってつけですね。
ちなみに、並びに目をやればこんな感じ。
ご覧の通り、座ってお茶会をするほどのスペースはないため、長居する人は少ないらしく、誰かと出くわすこともありませんでした。
リビングルーム
それではお部屋に戻りましょう。
ドアを開けてすぐ目の前に広がるリビングルームは、お部屋の奥側から見るとこんな感じです。
天井が屋根の傾斜に合わせて斜めになっており、昔憧れたヨーロッパのお部屋のイメージそのままです♪
ウェルカムフルーツ
テレビの正面には、水色とゴールドのコンビネーションが可愛らしいソファとテーブル、そしてウェルカムフルーツが置かれていました。
よくよく見ると、カードには「ご挨拶を込めて」という日本語が!
同じアジアならいざ知らず、遥か遠いヨーロッパでこんなおもてなしを頂けるなんて感激です。細やかなお気遣いを感じることができました。
ミニバー
リビングルームの一角、ドアのそばにあるキャビネットが実はミニバーとなっています。
あまりにしっくりとお部屋に溶け込んでいるので、しばらく存在自体に気づきませんでした(笑)。
引き出しには、有料のスナック類とカップ、コーヒー。
さらに下の段には、ワインと各種グラスが2脚ずつ。
ちなみに超一流ホテルのミニバー、一体おいくらなのかと言いますと…
一部書き出してみました。
- エビアン €5
- サンペレグリノ €5
- ペプシ €6
- オレンジジュース €5
- トニックウォーター €6
- ビール(ハイネケン) €7
- ポテトチップス €5
うーん、意外と安いようなそうでもないような?
個人的には、ホテルの宿泊料金の割にリーズナブルと言っていい気がします。
ベッドルーム
ベッドルームもこの通りかなり広々!
ベッドはシングル2台をくっつけたハリウッドツイン。
もともと上等のマットレスなので、軋みを感じることはありませんでしたが、娘が隣で寝返りを打つだけで目が覚めることもあるため、これは助かります。
そしてリネンもすべっすべのさらさら♪とっても心地よい肌触りでした!
枕元には無料のお水が一人一本ずつ。ガラス製の瓶でお上品なサイズです。
ターンダウン
19時ごろになると、メイドさんがやってきてターンダウンをしてくれました。
枕元に置かれているのは、明日の天気予報が書かれた紙と、密かに楽しみにしていたインペリアルトルテ!
インペリアルトルテとは、1873年のホテルインペリアル開会式の為に考案された、このホテルを代表する特製ケーキなんです(「トルテ」とはドイツ語で、グラサージュやクリーム等でデコレーションしたケーキのこと)。
ウィーンでは、ホテルザッハーのザッハトルテ、デメルのザッハトルテ、そしてこのインペリアルトルテが3大トルテと称されていて、ここまで来たからにはぜひ食べておきたい逸品!
実はウィーンに着いてすぐ、ホテルザッハーのザッハトルテを頂いておりまして。
もちろん美味しいのですが、かなり甘いため一人では厳しいかな、と娘と半分こすることに(何も言わずともフォークを2本付けてくれたのがさすが!)。
13年前にザルツブルクのホテルザッハーに行った時は、丸ごとペロリと完食できたものですが、悲しいかな年のせいでしょうか。
インペリアルトルテも一度は食べてみたいなと思いつつ、多分丸々一個は厳しい…。
けれど、ターンダウン時にもらえるインペリアルトルテならこの大きさ!
多分一辺の長さは3cmくらいかな?1〜2口で食べきれる大きさです。
こっくりと甘いので、これだけでも十分!
…というか、むしろこれくらいの方が最後まで飽きずに美味しく食べられるので、私にとってはベストサイズ。
まろやかで芳醇なミルクチョコレートとナッツの香り・歯ざわりが相まって、ザッハトルテとはまた一味違う美味しいケーキでした。
一階のカフェインペリアルで購入可能なので(後述)、日本へのお土産としてもオススメです。
デスク
ベッドルームの片隅、豪奢なシャンデリアの下には、デスクが置かれていました。
中世の貴族が腰掛けて手紙でも書いていそうな、優雅な雰囲気たっぷり。なお、隣にあるドアは施錠されていて開けることは出来ません。
クローゼット
ベッドの向かい側にはクローゼットもあります。ドアには鏡が張られているので、姿見としても重宝しました。
中身はこの通り。
いろんな衣類に対応できるよう4種類ものハンガーに、長傘、バスローブ、アイロン、セーフティーボックスなどなど。
セーフティボックスの下には、紙袋やエチケットブラシも置いてありました。
バスルーム
そして、バスルームはこんな感じです!
床も壁も大理石仕様で、シックなゴールドとブラックのコンビネーションと、さすがの貫禄を感じさせるインテリアですね。
右手には、トイレとビデが向き合って設置されておりまして…(ドアはなし)
左手にシャワーブース、浴槽となっています。
大きな浴槽は、ヨーロピアンな雰囲気のシャワー付き。
シャワーブースには、レインシャワーとハンドシャワー、2つのシャワーヘッドが取り付けられていました。
浴槽とシャワーブースにそれぞれ、シャンプー・コンディショナー・ボディソープが1セットずつ置いてあります。
メーカーは、先日訪れたドバイの「アルマハ・ア・ラグジュアリーコレクション・デザートリゾート&スパ」にも置いてあった、スウェーデン発フレグランスブランド「BYREDO(バレード)」。
エミレーツ航空のファーストクラスでも、おやすみ前のアメニティとして採用されていましたね。
2024年現在も銘柄は同じですが、ミニボトルではなく大きなディスペンサーでの提供に変更されています。
アメニティ
ダブルボウルの洗面台の上には、せっけん、ローション、マウスウォッシュ、爪やすり、シャワーキャップ、歯ブラシやシェービングキットなど、必要なものは一通り揃っていました。
ヨーロッパのホテルでは、歯ブラシがリクエスト制になっていることも多いのですが、最初からこうして置いてあるとやっぱり嬉しいもの。
ホテルインペリアルウィーンのサービスは、全体的に細やかで、なんとなく日本に近いものを感じました!
カフェインペリアルの朝食が絶品!
ホテルインペリアルウィーンに泊まるにあたり、もう一つのお楽しみが朝食です♪
このホテルでは、マリオットボンヴォイのプラチナ以上のステータスを持っていると、選択式ウェルカムギフトとして朝食無料を選ぶことができます。
朝食は通常€47(大人一名)なので、かなりお得ですよね。
もちろん同伴者である娘の分も無料になります。
朝食会場は一階の「カフェインペリアル」。先ほどご紹介したインペリアルトルテで有名なカフェです。
カフェインペリアルの朝食提供時間は、7時から11時まで。早く目が覚めてしまったので、開店と同時にお邪魔しました。
オススメは窓側とのことで、こちらに着席。
真っ赤なシートは一人がゆったり座れる絶妙な幅で、とっても可愛かったです♪
朝食ブッフェのメニュー
カフェの入口付近にはオープンキッチンがあり、温・冷のおかず類が並ぶ他、卵料理を作ってもらうことも出来ます(下の写真左手奥側)。
正面に並ぶのはサラダバーです。さすがヨーロッパ、チーズやハムが豊富で目移りしてしまいますね。
そのお隣にはなんと、ローランペリエのシャンパンを発見!
こんな素敵なカフェで、美味しい朝食を頂きながらのシャンパン…格別でしょうね〜。
しかし、この数時間後には帰国便に乗る予定でしたので、酔っ払って万一があってはいけないと、泣く泣く遠慮しておきました。次回は是非!
現在はローランペリエのほか、インペリアルオリジナルスパークリングワインも提供されています!
ホテルバーでの提供価格には差がある(ローランペリエ21€/インペリアルキュヴェ13€)のですが、どちらも美味しかったです♪
壁際には、シリアルが美しく並べられています。
基材とトッピングを好きに選べるほか、個包装のコーンフレークも。最近国内のホテルでもこういう方式のところが増えてきましたが、ここまでバリエーション豊かなのは珍しいかもしれません。
パンコーナーには、デニッシュやケーキに…
プレーンなパンも10種類ほど置いてありました。
傍らには、はちみつが4種類(花、アカシア、菩提樹、森)に、ジャムが6種類も(いちご、ラズベリー、アプリコット、マーマレード、サワーチェリー、ブルーベリー)。
ヨーロッパの朝食に欠かせない、ヌテラ(チョコレートとヘーゼルナッツのスプレッド)のパウチもあります。
ジャムは「STAUD’S(シュタウト)」というウィーンの老舗メーカーのもので、濃厚でとっても美味しかったです!特に、オーストリア定番のアプリコットがオススメ。
デザートコーナーには、ミューズリーとヨーグルト、フルーツと飲むヨーグルト(アクティメル)がありました。
残念ながら、名物のインペリアルトルテはブッフェには出ていない様子でしたが、販売コーナーに見本を発見。
インペリアルトルテの価格は、公式サイトで確認できます。ちなみに、ターンダウン時に頂いたサイズのものは、9個入りで€26でした。
ドリンク
ドリンクはブッフェ台に出ていないため、ウェイトレスさんに注文する必要があります。メニュー表は見当たりませんでしたが、コーヒー、紅茶、ジュース、ミルクなどを頂けるようです。
こちらはウェイトレスさんにオススメされたミックスジュース!
しぼりたてフレッシュなので、2層になっています。あんまり綺麗で、混ぜてしまうのがちょっと勿体なく感じてしまいました。
実食!
それでは頂きましょう♪
私のお皿はこちら。
シナモンやクリームチーズが入ったデニッシュに、ホットミールコーナーにあったベーコンと野菜のソテー。そしてカプチーノを頂きました。
どれも丁寧に作られたことがわかる、繊細な味付けと仕上がり!
中でも一番美味しかったのが、エッグステーションで作ってもらったこちらのオムレツです。
トマトやベーコンなど、好きな具材を指定できるのですが、迷ってしまって決めきれなかったので「全部で!」とお願いしました。
具沢山でそれぞれの旨味たっぷり、上にアサツキも乗っているのがさらに嬉しいですね♪
今回の旅では、3つの素敵なホテルに宿泊しましたが、個人的に一番感動した朝食は、ここホテルインペリアルウィーンに決定です!
ごちそうさまでした♪
最後に
ウィーンを代表する迎賓館ホテル、『ホテルインペリアル・ア・ラグジュアリーコレクション・ウィーン』。
訪れる前は、格式が高すぎると言いますか、分不相応感から多少緊張していたのですが、実際に行ってみると、とにかくスタッフさんが皆気さくで、あっという間にリラックス出来ました。
そしてもちろん、歴史あるホテルだけあってお部屋もゴージャスですし、朝食も美味しくてさらにびっくりと、大満足の滞在に。
またウィーンを訪れる機会があれば、ぜひ再訪したい素晴らしいホテルでした!
ホテルインペリアルウィーン概要
ホテル名称 | ホテルインペリアル・ア・ラグジュアリーコレクション・ウィーン |
ホテルランク | |
住所 | Kaerntner Ring 16 ウィーン, 1015 オーストリア |
チェックインタイム | 15:00 |
チェックアウトタイム | 12:00 |
TEL | +43 1 501100 |
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